キャンプ初心者でも簡単にできる! 火起こしのコツと必要なアイテム
焚き火やバーベキューなど、火を使ったアクティビティはキャンプを楽しむ際の醍醐味のひとつです。アウトドアに慣れていない方はなかなか火を起こせず、思うように楽しめないことが多いかもしれません。しかし、コツと手順さえ知っておけば、初心者の方でも簡単に火起こしができるようになります。
ここでは、キャンプシーンで火起こしをする際のコツや、安全のために用意したいアイテムなどをご紹介します。
【目次】
■火起こしに使う炭と薪の違い
キャンプシーンの火起こしで使うアイテムとして、炭や薪を想像する方は多いはずです。どちらも頻繁に見かけるアイテムですが、性質や使い方が異なるので、違いを知っておくと役立ちます。
炭は木材を焼いて炭化させたものを指します。火起こしに時間はかかりますが、一度火がつけば安定した火力を保ちやすく、長い時間燃え続けるのが特徴です。炭火の持つ遠赤外線効果によって食材をふっくらと仕上げられるので、料理のシーンに適しています。
一方で薪は、木材を割ったものです。炭に比べると燃えやすく炎も大きいため、主に焚き火での使用に向いています。ただし、火加減の調整が難しく、乾燥した薪ではないと着火しづらい点がデメリットです。
炭と薪の2つを使い分けることで、よりキャンプ場で火を使うシーンを楽しめるでしょう。
■炭で火を起こすコツ
炭は薪に比べると火がつきづらいので、炭を使った火起こしの際はコツを知っておくと便利です。まずは使用する炭の選び方や、炭を使った火起こしの手順などを確認しましょう。
・使う炭の選び方
炭(木炭)は、黒炭・白炭・成型炭・着火加工成形炭の4種類に大きく分けることができます。それぞれ性質が異なるので、事前に違いを確認して使い分けると、より炭を使った火起こしが楽しくなります。
【黒炭】
ホームセンターなどでも見かける一般的なタイプが黒炭です。炭の中では火がつきやすく、形が整っているので火力の調整も簡単です。燃焼時間は短めで比較的煙の量も多いですが、オーソドックスな炭なので、迷ったら黒炭を選べば問題ありません。
【白炭】
木材を高い温度で焼いた後に、灰をかけて冷却した炭が「白炭」です。名前を聞くことが多い備長炭も、白炭の一種に含まれます。火がつきづらく価格も高めですが、長時間安定して燃焼を続け、煙や灰の量が少ないというメリットがあります。
【成型炭】
おが屑を固めて成形した「オガライト」という原料で作られるのが成形炭です。火はつきづらいが長時間燃焼する、煙や灰の量が少ないなど、白炭と似た特徴を持っています。白炭に比べると価格は安価な場合が多いです。
【着火加工成形炭】
着火加工成形炭は、炭を圧縮して作られています。中に着火剤が混ぜられているので、着火剤を用意しなくても簡単に火をつけられるのがメリットです。価格は他の炭に比べて高い傾向にありますが、火起こしに自信がない方はこのタイプを選ぶのも良いでしょう。
・炭を使った火起こしの手順
炭は薪に比べると着火しづらいですが、しっかりとした手順を踏めば、問題なく火を起こすことができます。一般的な黒炭を使用する場合の火起こしの手順は、以下の通りです。
【炭を使った火起こしの手順】
1.着火剤の上に適量の炭を組むように置き、着火剤に点火する
2.火がまわりづらい時はうちわなどで軽く風を送る
3.炭が白くなり、炎や火の粉が上がらなくなるのを待つ
4.炭が白くなり火力が安定したら、必要に応じて火がついた炭に接するように新しい炭を追加していく
着火剤がない場合は、新聞紙などの燃えやすいものを火種にするのも良いでしょう。また、トーチバーナーがある場合は、バーナーで直接炭を燃やし続けても火をつけられます。
■薪で火を起こすコツ
炭ではなく、薪で火起こしして焚き火などを楽しみたい場合は、どのようなコツがあるのでしょうか。薪を使った火起こしのコツをご紹介します。
・薪は数種類を使い分けよう
薪は、燃えやすい針葉樹と、火持ちが良く長く燃え続ける広葉樹の2種類に大きく分けられます。この2種類を使い分けるのが、薪で火起こしする際のコツです。
最初に燃えやすい針葉樹の薪に火をつけてから、広葉樹の薪をくべるようにすると、長時間安定して火を燃やし続けられます。この時、薪の内部に含まれる水分量が多いと着火しづらいので、火起こしに使用する薪は乾燥しているものを選ぶようにしましょう。
薪で火起こしを行う際は、事前に必要な量の薪を購入しておく必要があります。これは、木の伐採や採取を禁止しているキャンプ場もあるためです。不安な場合は、事前にキャンプ場のホームページでルールを確認するか、管理者に問い合わせることをおすすめします。
・薪を使った火起こしの手順
薪を使った火起こしの手順も、基本的には薪を使用する場合と同様です。着火剤などの燃えやすいものに火をつけたら、空気を送って徐々に火を大きくしていきます。
【薪を使った火起こしの手順】
1.空気の通りが良くなるように薪を段々に組む
2.薪を組み上げたら、真ん中に着火剤を置いて火をつける
3.着火剤に火がついたら、細く燃えやすい薪を挿しこんで立て掛けていく
薪の組み方はさまざまな方法がありますが、漢字の「井」のように薪を組んでいく「井桁型」がシンプルでおすすめです。また、細い薪は縦に挿しこむと火が高くなりやすいので、安全のために少し寝かせるように挿すと良いでしょう。
■火の消し方と片付け方
火を起こした後は、後始末までしっかりと行うのがマナーです。薪を使用して焚き火などを楽しむ場合、薪は真っ白な灰になるまで完全に燃やし尽くす必要があります。
事前に投入する薪の量を考え、焚き火を片付ける2時間ほど前には薪の投入をやめるのが目安です。
炭の場合は、鎮火したように見えても内部では火がくすぶっている恐れがあります。火消し壺と呼ばれる密閉性の高い容器を活用して、炭を自然消火させるのがおすすめです。火消し壺なら、燃焼に必要な酸素を遮断できるので消化時間が短縮でき、「消し炭」として次のキャンプやバーベキューでも同じ炭を再利用できます。
薪・炭どちらの場合も、水をかけて無理やり消化すると、発生した水蒸気で火傷する、焚き火台が変形するなどの恐れがあります。自然消火を基本として、水による消火は緊急手段と考えましょう。
■火起こしの際に使えるアイテム
火起こしの際は、燃料となる薪や炭以外にもいくつかのアイテムが必要です。具体的にどのようなアイテムが必要なのかをご紹介します。
・火起こし器
筒状のアイテムで、中に炭を入れて使用する火起こし専用のアイテムです。空気が下から上へと流れる形状なので、火吹きやうちわで扇いで空気をたくさん送り込まなくても、簡単に火が起こせるようになります。
着火剤に火をつけて炭を入れるだけで済むので、初心者の方は火起こし器を用意しておくと便利です。
・着火剤
着火剤は、可燃性の高い成分が配合されているアイテムです。火を直接つける固形タイプや、炭や薪に塗布して使用するジェル状タイプなどの種類があります。
新聞紙などでも代用できますが、着火剤があると簡単に火が起こせるようになるため便利です。アウトドア初心者で火起こしに自身がないという方は、用意しておくことをおすすめします。
・ファイヤースターター
ファイヤースターターとは、金属製の棒のような見た目をしている火起こし専用のアイテムです。金属製の棒をナイフなどで擦った際に出る火花を利用して、火種に火をつけます。現代版の火打石と考えるとわかりやすいでしょう。
使いこなすにはコツがいりますが、天候の影響を受けづらく、濡れても軽く拭けば使用できるのが魅力です。ライターやマッチが使えないシーンを想定して、用意しておくことをおすすめします。
・火ばさみ
燃えている炭や薪を動かして火力を調整するためには、火ばさみと呼ばれるアイテムが欠かせません。食材の取り分けなどに利用するトングと比べて持ち手が長いので、火元から距離を取りつつ安全に作業を行えます。
より安心して作業を行いたい方は、できるだけサイズが長いタイプを選ぶようにしましょう。
・耐熱グローブ
火傷防止のために、耐熱性を備えたグローブで体を保護することも大切です。一般的な軍手だと、商品によっては火の粉がついた際などに燃えてしまう恐れがあります。専用の耐熱グローブを用意しておくのがおすすめです。
・焚き火台
近年は、マナーの悪化や環境保護の観点から、地面で直接火を起こして楽しむ「直火」を禁止しているキャンプ場が増えています。キャンプ場で焚き火を楽しみたい場合は、焚き火台と呼ばれるアイテムの用意が必要です。
焚き火台はさまざまな商品が販売されていますが、空気の流れが作りやすいように調整された焚き火台なら、火起こしが簡単に行えます。直火ができるキャンプ場の場合も、焚き火台を持っていると便利です。
■火起こしのコツを掴んでキャンプを楽しもう
火起こしは難しい作業と思われがちですが、コツさえ掴んでしまえば初心者の方でも簡単に行えます。着火剤や火起こし器といった便利なアイテムを用意して臨めば、失敗する可能性をさらに減らすことができるでしょう。
ただし、火を使用するアクティビティは火傷や火事につながる恐れもはらんでいます。細心の注意を払い、マナーを守りながら楽しむことが大切です。
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