フリーワード検索

outdoor2023.10.24

リペアをするほど長く愛され続けるpatagonia製品と、“WORN WEAR”の存在【前編】

アウトドアでもタウンでも、実にファンが多いpatagoniaの製品たち。

ここ最近、世間では環境や人権に配慮した取り組みが注目されていますが、patagoniaはそれよりもずっと前からこれらの問題に取り組み、「利益を生むよりも、地球で生きる存在意義を優先して守っていく」ということを徹底している企業です。

patagoniaの製品を使い始めると、さまざまなシーンで地球環境を守る大切さや意義を知る機会が増えるため、おのずと製品そのものだけでなく、企業としての志も含めてファンが広がっているような気がしてなりません。

実際、patagonia製品を愛用されているユーザーの方は、壊れても修理しながら何年、何十年と使っている人が多く、「patagoniaが本当に好きなんだな」ということを感じるばかりか、修理した箇所が新品のウェア以上に格好良く見えてくるから不思議です。


そんな大切なウェアたちの寿命を少しでも伸ばすことは、地球への環境インパクトを下げるために最も重要であり、消費を抑えることにもつながるという考えのもと、2013年にアメリカで始まったのが「WORN WEAR」という取り組みです。

日本では2019年にスタートし、廃材を再利用して作られたリペアトラック「つぎはぎ号」とともに、日本全国を回りながら活動を続けています。

今回は、アルペンアウトドアーズフラッグシップストア柏店で「WORN WEAR」イベントが開催されるということで、前後編にわたってイベントの様子をお届けします。

前編では、patagonia製品の中でも特に人気があり長く愛用する人も多いウェア4点を紹介しながら、「WORN WEAR」の取り組みについてもインタビュー!

ではさっそく、イベントに行ってみましょう。


■patagoniaで人気のウェア4点はコレだ!

1. M’s Classic Retro-X Jkt

まず最初に紹介する製品がこちら。

1993年、当時のフリースジャケットの弱点だった防風性の低さを、防風フィルムを搭載することによって解消したモデルとして登場しました。

外側の温かいリサイクル・ポリエステルのフリースとメッシュの裏地のあいだに防風性バリヤーを貼り合わせた素材で、保温性とムレにくさを両立させているため長時間の着用でも快適に過ごせるジャケットです。フェアトレード・サーティファイドの工場で製造されています。


2. M’s Houdini Jkt

2つめに紹介するのは、こちらのジャケット。

防風性、撥水性に加えて収納性が高く、あらゆる面で高性能なフーディニジャケットです。

悪天候に対するプロテクションを提供し、激しいアクティビティをはじめどこへでも携帯できる、羽のように軽量なリサイクル・ナイロン100%素材のリップストップを採用しています。

PFCフリーDWR加工(フッ素化合物不使用の耐久性撥水コーティング)を施し、こちらもフェアトレード・サーティファイドの工場で製造されています。


3. M’s Terrebonne Joggers

つづいて、3つめに紹介するのがこちら。

トレイルランニングやボルダリングやヨガなどに最適なテルボンヌ・ジョガーズは、軽量で通気性と速乾性を提供する機能的なパンツです。

伸縮性ニットのウエストバンドと裾を備えたスリム・フィットのジョガースタイルパンツは、リサイクル・ポリエステル100%素材のストレッチリップストップが採用され、UPF(紫外線防止指数)40+のUVプロテクションもありがたいポイント。

外的要素から守るPFCフリーDWR加工(フッ素化合物不使用の耐久性撥水コーティング)が施され、こちらもフェアトレード・サーティファイドの工場で製造されています。


4. M’s R1 Air Crew

最後に紹介するのが、2020年から新たにお目見えしたこちら。

軽量で通気性と速乾性を備え、寒冷な状況での激しい運動に最適なテクニカル・フリースです。

中空糸を独自のジグザグ構造で仕上げたリサイクル・ポリエステル100%素材のジャカード・フリースは、激しい運動中も吸湿発散性と速乾性と優れた通気性を発揮してくれます。

リサイクル・ポリエステル100%素材は活動中も快適さを保つ構造になっており、フェアトレード・サーティファイドの工場で製造されています。


■長く着続けていくために欠かせない、「WORN WEAR」という存在

新品よりもずっといい、着ることについてのストーリーを紡いでいく「WORN WEAR」というイベントについて、patagonia日本支社 サーキュラリティ ディレクターの平田健夫さんにお話を伺いました。


――patagoniaの「WORN WEAR」というのは、どのような取り組みでしょうか?

「すでにあるものを長く使う」ということが、地球環境の負荷を減らすということにもつながりますし、そのものを使い続けることで喜びを広げ、つなげていけることにもなります。

「WORN WEAR」というのは、リペアして長く使うとか、リユースするなどして最終的にどうしても寿命が尽きてしまったものはリサイクルする、今あるものをできるだけ長く使って循環させていこう、その価値を社会に伝えていこう、という活動です。


――「WORN WEAR」のイベントでは、どんな場所を回りましたか?

2019年から活動を始めて、白馬や新潟のスキー場を回ったのが最初です。

その次に行った大きなツアーが「カレッジツアー」といって、長崎から北海道まで11の大学を「つぎはぎ号」で回りました。そのときは3週間にわたって旅をしました。


――「WORN WEAR」をはじめ、スタッフの皆さんは日々どのような想いで取り組んでいらっしゃいますか?

「私たちは、故郷である地球を救うためにビジネスを営む」という、我々patagonia全体で共通しているミッションがありますので、それに基づいてそれぞれにできることを社内で行っています。

その中で、ものを大切に長く着続けることが環境負荷を軽くし、ひいては地球環境を、より良い自然を守っていくという活動につながっていることに意義を感じて、スタッフみんなで取り組んでいます。

「WORN WEAR」をはじめとするさまざまなイベントを通して、ただ地球環境のためだけに取り組むのではなく、その「喜び」も「楽しさ」も提供したいと考えています。お客様が見たり体験したりすることで、価値を感じてくださるような素敵なイベントにしていきたいですね。何より、私たちも楽しいですから。


――ワークショップやイベントを体験されたお客様の声を聞いて、印象に残っていることはありますか?

まさに先日、20年以上前に購入したウェアを直しながら着てくださっているお客様が、イベントを機に「その場で直せる」ことを体験して喜んでいただけたことがありました。

大切にしているお気に入りの一枚を目の前で直して、さらに愛着が重なっていくといいますか、体験によってより深まっていく感じが本当に良かったですね。


――今回、人気ウェアを4点ピックアップしていただきましたが、どんな製品が愛されていると感じますか?

愛され続ける製品というのは共通点が3つありまして、まずひとつは「耐久性」です。長く着続けるためには耐久性がしっかりあるということ。そして、「飽きが来ないデザイン」が大事だと思います。

あとは、「修理のしやすさ」ですね。私たちの製品の中にも、どうしても修理しにくいものもあったりするので、本社の製品開発部門にフィードバックしながら、より修理しやすいように改善しています。

それらが長く愛着を持って着続けられる秘訣なのだと思います。


――このような取り組みを、今後さらにどうつなげていきたいとお考えですか?

例えば、ドーンと大きな花火を打ち上げるとかそういうイメージではなく、体験を通じて着実にしっかりと、ゆっくりでもいいから取り組みを伝えていくことが大事かなと思っています。継続することが大事かなと。

いろいろなところで体験を提供できたらと考えていますので、楽しみに待っていてください。


■廃材を再利用して作られた「つぎはぎ号」は、こうやって走っている

引き続き平田さんにお付き合いいただき、「つぎはぎ号」が走る仕組みを教えていただきました。


――使用済みの植物廃油を燃料にして走っているそうですね。

はい。中に廃油を入れられるタンクを積んで、そこに通常のディーゼルとは異なる植物廃油で走らせています。

近隣のドーナツ屋さんから廃油をいただくことが多いです。ドーナツを揚げ終わったそのままの廃油をこちらのタンクにホースで吸い込んで、エンジンルームに送って走ります。


――精製などはしないで走るのですか?

カスだけはフィルターを通しますが、精製はせずにそのまま走りますね。ディーゼルで走るか廃油で走るかを運転席で切り替えられますから、温まるまではディーゼルにして、温まったら廃油に切り替えて、あとは廃油が続く限り運転し続けます。廃油のタンク1つで約140km走行し、CO2排出の約98%をオフセットするんですよ。

ちなみに、ドーナツ屋さんからいただいた廃油を使っている時は、甘ったるい香りがします(笑)

この間、大阪から海沿いを回る「サーフツアー」を行いましたが、そのときは途中の愛知で、ごま油の工場さんで廃油をいただいて、帰りはごま油の香りを嗅ぎながら帰りました。

訪問先のエリアで提携しているお店や企業から廃油を提供してもらうというのではなく、例えば大阪に行ったら知り合いのつながりでハンバーガー屋さんやたこ焼き屋さんにいただくなど、その都度お願いして廃油をいただいています。

我々の取り組みを伝えると共感していただいて、「協力しますよ」と言って廃油を提供してくださるところが多く、ありがたみを感じています。


――リペアする際のミシンなどの電源は?

ミシンも照明も、すべてソーラー発電パネルによる太陽光発電を使用しています。こちらのパネルを使用し、ミシンが複数台稼働しても大丈夫です。イベントに参加される際はこんなところもチェックしてみてくださいね。


以上、patagoniaの長く愛され続けている人気ウェアの紹介と、「WORN WEAR」の取り組みについてお送りしました。 

イベントのランドマーク的存在でもある「つぎはぎ号」は、アメリカのpatagoniaデザインチームによるデザイン画を元に、廃材を集め約5ヶ月かけて製作されたバイオディーゼル車。なんと屋根部分は台風で飛んでしまった納屋を再利用して作られたそうです。

そして「つぎはぎ号」と一緒に並んでいたこちらのチェアも廃材で作られていて、ファブリックの部分はもちろんpatagoniaの使われなくなった洋服をリメイクすることで、新たな人生を歩んでいます。レトロな雰囲気がとってもおしゃれ! もし見つけたら、座ってみてはいかがでしょうか。

後編は、いよいよ「WORN WEAR」のイベントに潜入! ワークショップにも参加しながら、リペアイベントの様子をお届けします。どうぞお楽しみに!

> 後編はこちら
 


■アルペングループ patagonia製品取り扱い店舗

アルペンアウトドアーズフラッグシップストア 新宿店(Alpen TOKYO)

アルペンアウトドアーズフラッグシップストア キャナルシティ博多店(Alpen FUKUOKA)


アルペンアウトドアーズフラッグシップストア 札幌発寒店

アルペンアウトドアーズ イオンモール羽生店

アルペンアウトドアーズフラッグシップストア 柏店

アルペンマウンテンズ 練馬関町店

アルペンアウトドアーズ 港北ノースポートモール店

アルペンアウトドアーズ イオンモール浜松市野店

アルペンアウトドアーズフラッグシップストア ららぽーと愛知東郷店

アルペンアウトドアーズ 春日井店

アルペンマウンテンズ 一社店

アルペンアウトドアーズ 京都宇治店

アルペンアウトドアーズ くずはモール店

アルペンアウトドアーズ 明石大蔵海岸店

アルペンアウトドアーズ 広島アルパーク店

アルペンアウトドアーズ 広島ラクア緑井店

アルペンアウトドアーズ 宇多津店

アルペンアウトドアーズフラッグシップストア 福岡春日店

アルペンアウトドアーズ 熊本New-S店

SEARCH フリーワード検索