バスケのタイムアウトとは? 基本ルールと効果的な使い方
バスケットボールの試合中に、クォーター間やハーフタイムといったタイミングではないにも関わらず、試合が中断されているシーンを見たことがあるでしょう。「タイムアウト」と呼ばれる、バスケットボールの試合では重要な役割を果たす時間ですが、どのような目的で取るものなのでしょうか。
ここでは、バスケットボールにおけるタイムアウトの基本的なルールや使い方についてご紹介します。
【目次】
■バスケのタイムアウトの基本ルール
バスケットボールにおけるタイムアウトとは、試合中の特定のタイミングで取る短い休憩時間のことです。両チームとも同じ回数使う権利を持ち、取るタイミングも基本的には自由です。
タイムアウトを取ると、両チームの選手は一時的にベンチに下がることができます。
それ以外の基本ルールは、以下のとおりです。
・タイムアウトの取り方と取り消し方
タイムアウトは、テーブル・オフィシャルズ(審判を補佐する係員)に「タイムアウトを取りたい」と伝えるだけで取ることができます。両手でアルファベットの「T」を作るジェスチャーを行うと、意思が伝わりやすいです。
ただし、タイムアウトを要求できるのはチームのコーチかアシスタントコーチのみと決められています。選手がタイムアウトを要求することはできません。
両チームが同じタイミングでタイムアウトを求めた時は、先に要求していたチームのタイムアウトとして数えられます。
また、タイムアウトを要求していても、スコアラーが審判にタイムアウトを伝える前であれば取り消すことが可能です。
タイムアウトを取り消したい時も、テーブル・オフィシャルズにその旨を伝えます。
・タイムアウトを取れる回数や時間は?
タイムアウトの取得回数や1回あたりの時間は、リーグや年齢によって変わります。リーグごとの違いは、以下のとおりです。
【Bリーグ】
日本のプロバスケットボールリーグ(Bリーグ)では、試合の前半(第1・第2クォーター)で2回、後半(第3・第4クォーター)で3回の計5回取得可能です。
ただし、第4クォーターの残り時間が2分以下になると、第3クォーターでタイムアウトを使っていなくても、最大2回しか取得できません。
時間は1回あたり60秒で、延長戦では延長ごとに1回タイムアウトを要求できます。
また、タイムアウトは回数を持ち越しできない点にも注意しましょう。例えば、前半で1回しかタイムアウトを要求しなかったとしても、後半で使えるタイムアウトは3回のままです。
【NBA】
アメリカのNBAでは、前後半を通じて1回75秒のタイムアウトを合計7回使用できます。最終の第4クォーターでは4回までしか使用できません。
試合を円滑に進める目的で、第4クォーターが残り3分を切るとタイムアウトの権利は2回になります。
【ミニバス】
小学生向けのミニバスでは、各クォーターで45秒のタイムアウトを1回要求できます。異なるクォーターに回数を持ち越すことはできません。
■タイムアウトを取ることができるタイミング
タイムアウトは、試合中いつでも自由に使用できるわけではありません。これは、相手チームのプレーを妨害して、試合が不公平になるのを防ぐためです。
原則として、タイムアウトが取れるのは試合が中断して、時間(タイムクロック)が止まったタイミングに限られます。コートからボールが出た、ファウルが起きたなどが一例です。
また、タイムクロックが止まるわけではありませんが、相手選手のシュートが成功して自チームのボールで試合が再開されるタイミングでも、タイムアウトを取ることができます。自チームがシュートを決めた直後はタイムアウトを要求できないので注意しましょう。
通常のシュートではなく、フリースローに関しては、最後に放ったショットが成功した直後にタイムアウトを使用可能です。
■タイムアウトの目的は?
タイムアウトを効果的に使うには「何のためにタイムアウトを取るか」を明確にする必要があります。タイムアウトの目的を知っておけば、プレーはもちろん、バスケットボール観戦がより面白くなるでしょう。
タイムアウトを取る目的や、要求するべきシーンの例をご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
・選手を休ませたい
バスケットボールは、前後左右に激しく動き続けるスポーツです。クォーター間に休憩があるとはいえ、絶え間なく動き続けるうちに疲れがたまり、選手のプレーに支障が出ることも考えられます。
60秒という短い時間だとしても、選手を休ませたり、精神的に落ち着かせたりすることは重要です。試合展開が接戦で主力選手にプレッシャーがかかっている時は、タイムアウトを挟むことで主力選手の体力回復も期待できます。
・試合の流れを変えたい
バスケットボールの試合展開は、流れや勢い、会場の空気などに大きく左右されるものです。相手チームに流れや勢いがある状態では、劣勢のまま試合が続くこともあり得ます。
相手チームの攻撃のリズムが良い、連続で得点を決めて波に乗っているなど、試合の流れを変えたいタイミングも、タイムアウトを要求するのに最適です。
間を置くことで、試合の流れを断ち切ったり、自分たちに引き寄せたりできる可能性があります。
ただし、自チームの流れが良い時にタイムアウトを取ったことが原因で、勢いがそがれることも考えられます。タイムアウトの使いどころには十分注意してください。
・戦術を正確に伝えたい
タイムアウトは、選手たちに指示を与えることも目的のひとつです。試合前に戦術を伝えても、それが必ずうまくいくとは限りません。相手チームが対策を取っていた、相手チームの攻め方が想定と違うなど、試合展開が予想と異なることもあるはずです。
早めにタイムアウトを要求して、選手たちに新しい戦術を指示することで、オフェンスやディフェンスのやり方を変更する必要があります。
また、「ここで点数を取れるかどうかで試合の展開が大きく変わる」といった重要なシーンでセットプレーの指示を出すなど、ワンプレー限定の作戦を選手に伝える場合もあります。
・ハーフコートから試合を始めたい
バスケットボールの試合では、以下の3つの条件が重なると、フロントコート(相手チームのリング側)のスローインラインからゲームを開始できます。
・第4クォーターまたは延長戦に突入しており、クォーターの残り時間が2分以下
・バックコート(自チームのリング側)からスローインで試合が再開する
・スローインするチームがタイムアウトを要求した
自チームが僅差で負けている時にこのルールを活用すれば、ボール運びにかかる時間を少しだけ減らすことが可能です。数秒の時間を稼ぐことで、得点する確率を上げられます。
■タイムアウトはタイミングが重要!
タイムアウトは、チームの悪い流れを止めたり、選手に指示を伝えたりできる重要なルールです。その反面、要求するタイミング次第ではチームの勢いを止めてしまう可能性もあります。
タイムアウトを上手に活用できるかどうかは、コーチの腕の見せ所です。チームの様子を把握しながら、適切なタイミングで使うことを心がけましょう。
また、タイムアウトを知っているとバスケットボール観戦をさらに楽しめるようになります。ご紹介した内容を、プレーや観戦にお役立てください。
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