スノボの逆エッジとは? 危険な転倒を防ぐためのコツ
ウィンタースポーツの中でも高い人気を誇るスノーボードですが、上手に滑るためには慣れが必要です。多くの方が、練習中に何度も転ぶことになるでしょう。
転倒による大けがを防ぐために、初心者の方も覚えておきたいのが「逆エッジ」を防ぐ方法です。
ここでは、スノーボードにおけるエッジや逆エッジの意味、逆エッジを防ぐ方法などをご紹介します。
【目次】
■スノボの「エッジ」とは?
スノーボードの「エッジ」とは、ボード(板)の両サイドの縁にある金属部分のことです。スノーボードで滑る時は、エッジに体重をかけて雪面に食い込ませるようにして滑ります。
エッジが雪面を捉えられていないと、転倒する確率が高くなってしまうため、注意が必要です。
スノーボードにおいては、体の向きとは関係なく、常に進む方向と反対側(山側)のエッジに体重をかけるようにして滑るのが基本です。真っすぐ滑る時も、かかとかつま先のどちらかのエッジを使います。
ターンをする時は、つま先とかかとのエッジを切り替えることで、自分が行きたい方向に曲がることができます。
■スノボでよく聞く「逆エッジ」とは
スノーボードに興味がある方は、「逆エッジ」という言葉を耳にしたこともあるでしょう。逆エッジとは、本来使うはずのエッジと反対側のエッジを使って滑り、バランスを崩してしまうことです。
体が放り出されるように転んでしまい、着地の仕方によっては骨折などの大けがにつながることもあります。
逆エッジは、かかと側のエッジを使うタイミングでつま先側に体重をかける「前向き逆エッジ」と、つま先側を使うべきタイミングでかかと側に体重をかける「後ろ向き逆エッジ」に分けられます。
それぞれの概要は、以下のとおりです。
【前向き逆エッジ】
かかと側のエッジを使うタイミングで、つま先側のエッジを使ってしまうのが前向き逆エッジです。
自分の体が谷側(下側)を向いている時に起こります。
前側に転倒するので受け身は取りやすい一方で、両手を突き出すように転んで手首を痛めたり、骨折したりする恐れがあります。
スピードが出ている時は空中に放り出されるように転倒することもあるため、注意が必要です。
【後ろ向き逆エッジ】
つま先側のエッジを使うタイミングで、かかと側のエッジを使ってしまうのが後ろ向き逆エッジです。斜面側(上側)を向いたまま止まったり、レギュラースタンスの方が右にカーブしたりする時に起こります。
背中側に転倒するため、後頭部を強く打つなど、大けがにつながる危険性が高いです。
■逆エッジになりやすいタイミング
逆エッジは初心者だけでなく、上級者やプロでも起こすことがあるミスです。特に初心者が逆エッジを起こしやすいタイミングとしては、ターンをする時、平たんな場所を滑る時、止まる時の3つが挙げられます。
【ターンをする時】
スノーボードにおけるターンは、エッジを切り替えることで行います。ターンのタイミングで間違ったエッジに体重を乗せた結果、逆エッジが発生してしまいます。
【平たんな場所を滑る時】
平たんな場所は、斜面よりもスピードが出にくいです。基本的には真っすぐ進むだけなので、斜面を滑る時よりもエッジへの注意が薄れてしまい、逆エッジを起こしやすくなります。
また、急な斜面に比べてエッジと雪面の距離が近く、ふとしたタイミングで体重がかかりやすい点も、平たんな場所で逆エッジが起こりやすい理由です。
【止まる時】
止まる時も、逆エッジが起こりやすいタイミングのひとつです。
スノーボードで止まる時は、板を横にすることで雪面との摩擦を大きくしていきます。板を横にする分、逆エッジになるリスクも上がるため注意が必要です。
止まる瞬間にエッジへの意識が薄れて、逆エッジを起こす可能性もあります。
上級者の方も、グラトリのような難しい技を練習するタイミングは逆エッジを起こしやすいため注意しましょう。
■逆エッジを防ぐにはどうする?
逆エッジを防ぐには、逆エッジになりにくい滑り方をマスターすることが大切です。逆エッジを防ぐ方法をご紹介します。
・膝を曲げて腰を下げる
スノーボードで滑る時は、バランスを取って板に乗ることが大切です。リラックスして膝を曲げ、体の重心を下げましょう。腰を低く落として板に乗っていれば、自然と使うべきエッジ側に体重が乗ります。
バランスが取りにくい方は、両手を肩と平行に伸ばすのもおすすめです。
怖いからといって前かがみになると転びやすくなってしまいます。腰を引かないように注意が必要です。
・エッジを意識して体重を乗せる
初心者のうちは、どちらのエッジに体重を乗せれば良いのか意識しながら滑りましょう。体が進行方向を向いている時はかかと側、反対側を向いている時はつま先側に体重をかける意識を持つことで、逆エッジを防ぎやすくなります。
あやふやになってしまう方は、「常に山側のエッジに体重をかける」と覚えておきましょう。
前述のとおり、逆エッジは平たんな場所を滑ったり、止まったりする時に起こりやすいです。スピードが出ていないからと油断せずに、滑る時は常にエッジを意識して、最後まで気を抜かないことも大切です。
■正しい転び方を覚えることも大切
スノーボードに慣れていくうちに逆エッジのリスクは減らせますが、完全に防げるわけではありません。雪面にエッジが引っ掛かった、ふとした拍子にバランスを崩したなど、上級者の人でも逆エッジになって転倒するリスクはあります。
そのような時にけがをするリスクを下げるために、正しい転び方を覚えておくことも大切です。
【前向き逆エッジの転び方】
前向き逆エッジで転倒する際は、手を出さずに体全体で衝撃を受け止めるようにしましょう。両足が自由に動かせないため手を出したくなりますが、手をついて着地すると手首を痛めたり、骨折したりする恐れがあります。
転びそうだと感じたら、姿勢を低くするのも有効です。雪面と体の距離を縮めることで、体にかかる衝撃を軽減する効果が期待できます。
【後ろ向き逆エッジの転び方】
後ろ向き逆エッジの時は、顎を引いて背中とお尻から転倒するように意識し、後頭部を強く打つのを防ぐことが重要です。背中やお尻から転倒するのが難しい時は両手で頭を抱えるなど、第一に頭を守るようにしてください。
万が一の事態に備えて、プロテクターやヘルメットなど、十分な装備をしておくことも大切です。
■エッジの使い方を意識して逆エッジを防ごう
逆エッジはスノーボードにおける代表的なミスのひとつです。大きく飛ぶように転倒することもあり、転び方によっては大けがにつながる恐れがあります。
上級者でも逆エッジは防ぎきれないものですが、滑り慣れていない初心者は特に注意が必要です。
常に山側のエッジに体重を乗せる意識を持ち続けましょう。急斜面よりも平たんな場所の方が逆エッジを起こしやすいため、最後まで油断しないことも大切です。
エッジを使えるようになれば、スノーボードを上手に滑れるようになります。逆エッジに注意しながら練習して、ゲレンデを自由に楽しみましょう。
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