TGFダイヤル式サポーター開発者に聞く!「アルペンのノウハウがあったからこそできた最高のサポーター」誕生秘話&商品レビュー
加齢や仕事、スポーツなどが原因でどうも腰の調子が悪い…なんて話を周りでもよく聞くくらい、現代人にとって身近な「腰痛」。2年に一度行われる厚生労働省による国民生活基礎調査でも腰痛は有訴者率が男性で1位、女性で2位(2019年)となっており、40歳以上の37%、約2800万人が腰痛持ちというほど、誰もが抱えうる国民病になっていることは間違いありません。
そんな背景もあり、アルペングループから満を持して登場したのが「TGFダイヤル式サポーター」です。シューズやスノーボードブーツでも使われている、アルペン独自のダイヤル式ワイヤーレースシステムを採用した腰サポーターで、アルペンが長年に渡って培ってきた開発ノウハウがあったからこそ完成できたと言っても過言ではないくらい、発売前から注目されています。
今回はTGFダイヤル式サポーターを開発したアルペングループ開発MD担当福永さんに、TGFダイヤル式サポーターの誕生秘話、そしてどんな機能が搭載されているかなどをお伺いしながら、詳細をレビューしていきたいと思います。腰サポーターの購入をお考えの方は必見です!
――まずは、TGFダイヤル式サポーターの「TGF」について教えてください。
TGFというのは、元々スノーボードブーツに使うためにアルペンが開発してきたシステムで、「ツーギアシフトファスニングシステム」の頭文字を取って「TGF」と名づけられました。「早く巻き取る」ギアと「強くゆっくり締めていく」ギアが2つ切り替わる、という意味ですね。
そのシステムをベースに、一般のシューズ用にコンパクトにして作り上げたというのが、今回サポーターでも採用されたTGFになります。
TGFの歴史は長く、開発が始まったのは2003年で、実に20年近く改良を繰り返しながら現在に至るというわけです。
――TGFダイヤル式サポーターを開発するにあたり、こだわったところや苦労したところはありますか?
サポーターにダイヤルを付けるということで、形状や使用面での意匠が多く、数百件というレベルで確認しながらデザインを決めていったところですね。
ワイヤーの通り方やサポーターとしていかに機能するかなどをチームで模索しながら複数案を出し、まるでパズルを組んでいくかのように開発を進めていきました。
特にTGFダイヤルシステムに関して、サポーターでは初めての採用になりますから、TGF開発担当のメンバーと細かい部分まで何度もディスカッションを繰り返しました。
例えば、TGFを使った時に一番効率的に締められる距離の設定だったり、ワイヤーを通す設定だったりといった部分ですね。
ダイヤルの中にワイヤーがどれだけ入るかも決まっていたので、サイズごとに「思っていたようなワイヤーの巻き取り量にならない」など、なかなか思い通りにならないこともありました。
そこでバランスやワイヤーの調整も細かくアドバイスをいただきながらひとつずつ進めていって完成したのが、このTGFダイヤル式サポーターです。開発から販売まで1年以上かかりましたが、最高の商品が出来上がったと思っています。
――TGFのノウハウが商品に結集されている、というわけですね。
そうですね。TGFの財産があったからこそ、このサポーターが完成できたと自負しています。サンプルが上がってきて、試着して締め付けなどの効果を感じながら仕事をしていたのですが、サポート力に関してはぐっと背筋が伸びて姿勢が変わるのを実感できるくらい、手応えを感じました。また、少ない力で強力な締め付けが可能になったのも、TGFとサポーターの相性が良かったからではないかと思っています。
■TGFダイヤル式サポーターを大分解してレビュー!
開発秘話をお伺いしたところで、次はいよいよ各部分についての特徴を福永さんにお伺いしていきます! 店頭で試着される時の参考にもなりますので、しっかりチェックしていきましょう。
まずは、背面の中央4箇所からダイヤルに向かって伸びたベルトです。このベルトをTGFダイヤルで、しっかり後ろの中心から締めつけていきます。
ポイントは、この素材が「伸びないこと」。伸びない素材により、しっかりダイヤルを巻いた時にテンションが効いてくれて、骨盤全体を覆いながらサポートしてくれます。
次に、TGFダイヤルを締め付けた時にワイヤーを8の字にすることで、均等に巻き取り力が分散され、力のロスなく効果的に締め付けができるというところがポイントです。
引っ張ってくる点同士をできるだけ平行に寄せる動きになるような配置、今回は8の字の4点が一番効果的ということで、この形状を採用しました。シューレースの通し方をサポーターに対しても表現した、と言えば分かりやすいかもしれませんね。
そして、TGFダイヤルです。押し込んで締め付けできる状態にして→少ない力で簡単に巻き取り→引き上げて一瞬で締め付け解放、というワンタッチ操作で簡単にサポート力の再調節もできるのがポイントになっています。
また、服の上からでも調節が可能な高めのTGFダイヤル位置にしてあるのも特徴です。サポーターを装着した上からボトムを履いても、ダイヤルがボトムの上に出ている状態になるので、調節が簡単に行えます。
次は、この薄手素材で覆われたカバーですね。TGFダイヤルを締め付けた時にワイヤーが隠れるように覆うことで、上に着た衣服への干渉を防いでくれます。
さらに、ちょうどその裏面、一番下側に来る素材も薄手のものを採用しています。こちらはワイヤーが巻き取られて素材が収縮する分量が一番多い部分となるので、かなりの量を巻き取っても素材のごわつきや不快感のないよう、肌への干渉を軽減する作りにしました。
そして背面をサポートする、4本の補強プレートです。このプレートは樹脂で出来ていて、身体の反りにも負けない硬めのプレートを採用しています。そうすることで4本が面となって腰をサポートしてくれるというわけですね。
内側には4箇所、滑り止めも配置しました。腰をひねるなどの動きに対し、ズレを極力抑制できるような素材を当て込んでいます。
また、背面は腰を優しく包んで適度な厚みで固定できるよう、フカフカとした立体メッシュ素材を使い、着用感を良くしました。
フロントで接着する面ファスナーは、屈んだりした時でもダブつかない、フィット感の良い薄手のファスナー素材を採用しました。前面を細めの形状にし、前屈時の動きを妨げにくく設計しています。また、内側には装着方向が分かりやすいラベル付き。間違えることもありません。
最後は、全体の形状です。
背面部は高めの設計にし、腰全体をサポートできるようにしました。高くしたことで補強プレートも十分な長さを確保でき、サポート力も向上しています。
そして、身体にフィットする絶妙なV字形状です。身体というのは曲線でできているので、サポーターとして綺麗に沿わせることを考えた時に、この形状が一番ストレスなくフィットするということでこの形状を採用しました。
力をかけずに調整できてかつ使用感もいいサポーターなので、ぜひ店頭で試着して腰のフィット感などを体験してほしいですね。
■TGFダイヤル式サポーターサイト