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running2021.12.13

ランニングで起こりやすい捻挫。対処法と予防法を知っておこう

ランニング中に起こりやすいケガのひとつに、捻挫(ねんざ)が挙げられます。日常生活でも比較的起こりやすく、足首をひねって捻挫したことがあるランナーの方は多いかもしれません。
たかが捻挫と考えがちですが、思わぬ後遺症につながる恐れがあるため、しっかりと対処することが重要です。ここでは、捻挫とはどのようなケガなのかをはじめ、捻挫した場合の対処法や予防するためのポイントをご紹介します。

 

【目次】

■捻挫とは

■捻挫の症状

■捻挫した際の対処法

・応急処置を行う場合

・腫れが酷い場合は医療機関へ

■ランニングシーンで捻挫を予防する方法

・ランニング前にストレッチを行う

・ランニングフォームを見直す

・足に合ったシューズを履く

・テーピングやサポーターで足首を固定する

■捻挫をしたら早めに対処を行おう

 

■捻挫とは

捻挫とは、関節を支える靱帯や関節包、腱が負傷した状態のことです。不自然な形に関節をひねってしまった際などに関節に強い力がかかり、関節周りの組織がねじれるなど通常では生じない衝撃が加わることで起こります。
体のどの関節でも起こる可能性があるケガで、特に足首や指、手首などで多く見られます。

足首の捻挫は、足首を内側にひねって起こる「内反捻挫」と外側にひねって起こる「外反捻挫」の2種類に分けられますが、足関節の構造上、内反捻挫が起こることが多いです。

ランニングなどの運動時だけでなく、道を歩いていて転んでしまった、階段を踏み外した際に足をくじいたなど、日常生活の中でも起こる可能性が高いケガといえます。

 

■捻挫の症状

捻挫の症状

 

足関節を内側にひねってしまう内反捻挫を起こすと、足関節の外側にある組織が引っ張られて傷つきます。そのため、足首の外側に腫れや熱感、患部を動かしたり押したりした際に痛みを感じるというのが、足関節捻挫の主な症状です。
ただし、ひねる際に内側の靭帯が挟まれたなどの理由から、足首の内側に痛みが生じる場合もあります。

捻挫の症状は、靭帯の損傷具合によって、I度からIII度までの3段階に分けられます。

・I度:靭帯が軽く伸びた状態で、痛みや腫れは軽い
・II度:靭帯の一部が切れている状態で、痛みや腫れが強く出る
・III度:靭帯が完全に切れてしまい、関節が不安定な状態

このことからもわかるように、捻挫は靭帯損傷の一種です。たかが捻挫と甘く見ず、しっかりと安静にして治療をおこなう必要があります。
また、ひねった際の力のかかり具合によっては、靭帯だけでなく筋肉や腱を損傷していたり、骨折していたりする恐れがあるため注意が必要です。

 

■捻挫した際の対処法

ランニングなどの運動中や日常生活といったシーンに関わらず、捻挫をしてしまった場合は早急に応急処置を行うことが大切です。できるだけ早めに処置を行うことが、捻挫の早期回復につながります。
ランニング中に捻挫をしてしまった場合の対処法は、以下の通りです。

 

・応急処置を行う場合

ランニング中に捻挫をした場合は、「RICE(ライス)」と呼ばれる応急処置を行うのが基本です。回復スピードに関わるため、ケガをした際はできるだけ早くRICE処置を行う必要があります。万が一の際に慌てることがないよう、方法を覚えておきましょう。

【RICEの方法】
1.R(Rest=安静)
患部を動かさず安静にすることで、腫れや血管と神経へのダメージの悪化を防ぎます。ランニング中だった場合は、極力動かないようにテーピングなどで固定すると良いでしょう。

2.I(Ice=冷やす)
氷や氷水などで患部を冷やし、痛みを緩和させます。患部の感覚がなくなるタイミングで一度冷やすのをやめ、痛み始めたら再度冷やします。冷やしすぎると凍傷を起こす可能性があるので、連続で冷やす時間は15分程度を目安に行いましょう。

3.C(Compression=圧迫)
包帯やテーピングなどで患部を固定、圧迫します。内出血や腫れが広がるのを抑えるのが目的です。血液循環が悪くなるのを防ぐために、強く圧迫しすぎるのは避け、数時間ごとに巻き替えるようにしましょう。

4.E(Elevation=挙上)
患部心臓よりも高い位置に上げ続け、腫れを軽減させます。横になって、クッションや机などの上に足を乗せておきましょう。

患部の腫れが目立たず、痛みもそこまで強く感じない場合は、RICE処置を行ったうえで様子を見るのも良いでしょう。炎症の悪化などにつながるため、痛みや腫れが続いているうちは湯船につかって体を温めたり飲酒したりするのは避け、安静にすることが大切です。

ただし、損傷した靭帯の部位によっては重症でも痛みを感じづらい場合があります。数日たっても痛みが残る場合は、医療機関を受診してください。

 

・腫れが酷い場合は医療機関へ

歩くのが難しいほどの痛みや腫れがある、関節のグラつきを感じる、痛みがいつまでたっても引かないという場合は、靭帯の断裂や骨折といった大ケガをしている可能性があります。
自己判断で済ませるのではなく、早めに整形外科などの医療機関を受診しましょう。

 

■ランニングシーンで捻挫を予防する方法

ランニングシーンで捻挫を予防する方法

 

ランニングシーンで捻挫のリスクを完全になくすことは難しいですが、予防して捻挫をしづらくすることは可能です。捻挫を予防するために取り入れたいポイントを知っておき、ランニング時のケガのリスクを減らしましょう。

 

・ランニング前にストレッチを行う

ランニング前にストレッチを行い、体を温めるようにしましょう。関節の可動域が広がり体の柔軟性が向上することで、捻挫などのケガ予防やパフォーマンスの向上が見込めます。

ランニング前のウォーミングアップには、全身をしっかり動かしながら関節や筋肉を伸ばす、動的ストレッチ(ダイナミックストレッチ)がおすすめです。
大きな反動をつけすぎると体を痛める恐れがあるので、無理をせず気持ち良いくらいの範囲で動かすことが大切です。
また、ランニング後にもストレッチを取り入れて、しっかりと体をケアする必要もあります。

 

・ランニングフォームを見直す

ランニング中は、普段歩いている時よりも足にかかる衝撃が大きくなります。足にかかる衝撃を減らすために正しいランニングフォームで走ることも、足首を捻挫したり痛めたりしないためのポイントです。

体の上下動をできるだけ少なくし、胸を張って背筋を伸ばすことを意識して走りましょう。上下動が少ないランニングフォームで走っていれば、着地時の衝撃が減り足の負担も軽減されます。
また、つま先を進行方向に向けて着地することも大切です。着地の際につま先が曲がっていると、思わぬ方向に負荷がかかって足首をねじってしまう恐れがあります。

 

・足に合ったシューズを履く

普段使いのスニーカーなどを履いてランニングをしている方は、専用のランニングシューズを用意することをおすすめします。
着地時の衝撃を和らげるクッション性をはじめ、ランニングシューズにはランニングに適した機能が備わっているので、捻挫以外のケガ予防としても効果的です。

足にフィットするかどうかだけでなく、ソールが厚く着地の衝撃をしっかりと吸収できるか、足首周りが固定されるかなども確認して、ランニングシューズを選ぶようにしましょう。

 

・テーピングやサポーターで足首を固定する

足首や指、手首など、捻挫しやすい箇所をサポーターやテーピングで固定するのもおすすめです。捻挫の予防や再発防止になります。

⇒テーピングを探す

⇒サポーターを探す

 

■捻挫をしたら早めに対処を行おう

捻挫はランニングなどのスポーツシーンだけでなく、日常生活の中でも起こり得ます。軽く見られることもあるケガですが、実は関節部の靭帯が損傷している状態です。しっかり治さないと再発しやすくなってしまうので、たかが捻挫と侮らずにしっかりと対処する必要があります。
運動前にストレッチで体を温めたり、足に合ったシューズを履いたりすることで、ランニング時の捻挫のリスクを下げることができます。完全に防ぐことは難しいかもしれませんが、予防に努めることが大切です。

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