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running2020.01.07

シューズから見た2020箱根駅伝総括!ナイキ旋風吹き荒れる!

■恒例のシューズから見た箱根駅伝総括

さて、1年が経つのも早いものです、今年も、また、正月恒例「箱根駅伝(東京箱根間往復大学駅伝競走)」が開催されました。

昨年、NHKでは、日本マラソンの父、そして箱根駅伝創設の原動力にもなった「金栗四三」の生涯を描いた「いだてん」が放送されました。いだてんでは、この駅伝がスタートした、そのいきさつやそのストーリーも紹介され、今年は、より箱根駅伝に親近感を感じた方もいらっしゃったのではないでしょうか。前身が東京師範の筑波大学も26年ぶりに出場を果たしましたね。

ちなみに、金栗四三氏は、物語でも描かれていたように、日本マラソンの父というばかりでなく、ランニングシューズのパイオニアとしても知られています。日本人に長く愛された「金栗足袋」からの「薄底マラソンシューズ」に至る流れは、同氏の強い影響のあったと言えます。

さて、今回の箱根駅伝でも、学連選抜を含めた21チーム210名のランナーが出場しましたが、その足元、シューズに関して言うと、社会現象とも言える出来事が起きていることは知っていますか?実は多くの大学の選手が、あるシューズだけを履いている現象です。これはまるで戦前まで「金栗足袋」を履くランナーしかいなかったように…。

そのシューズは、「ナイキ ズームX ヴェイパーフライ ネクスト%」で、日本人が長く愛用した「薄底」に対して、「厚底」スタイルの代表格のシューズです。

今年は、前モデルの「ナイキ ズーム ヴェイパーフライ 4% フライニット」よりもさらに多くの選手が履くようになりました。選択肢が多様にある今のこの現代に、です。

昨年も箱根駅伝をその足元、シューズから分析してみましたが、今年も同じように箱根駅伝を分析してみようと思います。


■青山学院大学が圧勝、昨年よりさらに強いナイキ旋風吹き荒れる

レースは、戦前の5強と呼ばれる中から、「青山学院大学」が前半から抜け出して総合新記録の優勝、往路も新記録のオマケ付きの圧勝でした。わたくしの母校「東海大学」は惜しくも2位、2連覇はなりませんでした。

しかし、その足元は、210名の8割強がナイキ一色という状態で、しかも、優勝した青山学院大学の選手でさえ、ナイキ「ヴェイパーフライシリーズ」というサプライズがありました。しかも全員が「ナイキ ヴェイパーフライ ネクスト%」でした。

その青山学院大学、そして、2位東海大学をはじめ、全部で7校が10人全員「ナイキ ヴェイパーフライネクスト%」を着用するという状況でしたので、この様子が2020年箱根駅伝のシューズ事情の全てを象徴していると言えるでしょう。

昨年の箱根駅伝終了から東海大学の駅伝部がナイキのサポートを受けることになり、戦前に5強と言われた大学は、ナイキのウエアサポートチームか、その他ウエア中心のブランドであったため、全日本大学駅伝で敗戦した青山学院大学は、まさに使うか、使わないで戦うか2択を迫られる形になったと推察できます。


2020年各区間1~3位までの選手着用シューズブランド


区間賞を取った9区間で、また、区間3位までの30人中93.3%の選手がナイキ、それもほぼ全員が「ナイキ ズームX ヴェイパーフライ ネクスト%」を履いて、それを達成しました。しかも、区間新は往路・復路合わせて、13と、すごい結果です。IAAF(国際陸上競技連盟)がこのシューズを調査するというのも、逆に頷けるくらいの1社独占、1品番独占状態、そしてそれはシューズの機能性の高さと言えるかもしれません(IAAFは2019年内には結論を出せず、いまだ結論は出ていない)。

これでは、あの選手のあのシューズを履きたいという傾向は高まる一方です。結局これだけ、このシューズを履くランナーが増えたのは、結果を出したライバルランナーに負けられない、その一言が大きいというわけですね。選手が210名いれば、トップの選手に引きずられる、箱根駅伝というまさに“籠“の中で、独特な力学が働いたと言うわけですね。それは、実業団のランナーも同じです。

それは、今回、王者「青山学院大学」ですら、でした。そして、彼らは偉業を達成したわけです。


■シューズシェアはナイキがほぼ独走状態、これは国際的傾向

2020年の箱根駅伝シューズ着用率速報


2017年までは、箱根駅伝出場選手のシェアは、当然ですが、長きに渡って、金栗足袋の流れを受け継いだ国産メーカーのシェアが圧倒的に高い傾向でした。それが、2018年ごろから海外ブランドもシェアを伸ばしはじめて、今年、2020年はナイキという海外ブランドのシェアが圧倒的な高さになったというわけです。

84.7%とは、今までの常識では考えられない独走状態、昨年の倍の数字です。

ナイキがこれだけ広まった訳としては、選手間のライバル意識だけではない背景があります。これは国産メーカーが海外勢に押されている、というより、これもシューズの国際化の一つだと思っています。このようなナイキ現象は世界中で起きている出来事ですからね。

しかし、一方で、箱根駅伝の選手では、数あるブランドの中から、相変わらず5社のシューズのみが着用されると言う210名のランナーの保守性が同居する状態です(ちなみに今回は6社目のシューズを履く選手が1名いました:表参照)。

長らくややガラパゴスな日本のマラソン界は、その間に走力的にも国際的に遅れてしまいました。あの大迫傑選手の2時間5分50秒のマラソンレコードでなんと世界歴代97位(原稿執筆時)です。日本のエースを持ってしても、100位ギリギリというのが日本のマラソンの現状であるとも言えます。

その大部分を、ケニア、エチオピアの選手が占めるのですが、彼らの多くが、ナイキかアディダスを履いた選手です。彼らの多くはプロ選手なので、スポンサーであるという側面がありますが、箱根駅伝を目指す選手が、彼らを憧れてシューズを選ぶというのも必然といえば必然なわけです。自然な状況です。


■海外ブランドは合わない時代から、日本人にも合う時代に変化

大迫選手をはじめとしたプロ選手、実業団選手から変わっていって、大学生ランナーにも伝染したと言ってもいいと思います。ただその時にシューズが合わなければ元も子もありません。やや保守性がある日本人選手に広まったもう一つの理由、それは、単純に、海外のブランドのシューズが日本人に合うようになったことも大きな要因です。

“日本人にあったシューズ”、という言葉を日本人はよく使いますが、その言葉こそがガラパゴスの象徴的表現。結局、それは日本人からみた考えた方、アメリカ人からすれば、人種のるつぼの中の日本人ということです。日本人に合うから→日本人にも合う、にシューズの構造が変化してきていることも無縁ではありませんね。

つまり、国産メーカーにも国際競争力が求められる時代になって、「ナイキ ズームX ヴェイパーフライ ネクスト%」のようなモンスターシューズを軽視することはできないわけです。まさに現代版「黒船来航」ということかもしれません。

そして、そのようなモンスターシューズ登場の影響は、駅伝やマラソンを見る側だけではなく、実際に走っている市民ランナー、健康志向の一般の方々にも伝播していると言えます。

あなたもそれを見るだけではなくこの五輪イヤー、ランニングシューズを買って是非ランニングを体験してみませんか?

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