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running2020.04.22

ナイキ エア ズーム ペガサス 37をレビュー | ペガサス 37は一体何が変わったのか?

昨今あまり良い話題がないですが…いやあ、またのこの季節がやってきました!そうです、ナイキファンならずとも、首を長くして待っていた、「ズームペガサスシリーズ」のモデルチェンジの時です!

今回は、4月28日発売の「ナイキ エア ズーム ペガサス 37」をご紹介します。


■驚異の37代目のロングセラーモデル、それがペガサス

ラインナップに加わっては消えていくモデルがある中で、1983年に発売され、37回モデルチェンジを繰り返してきたペガサスは、まさにナイキの代名詞的、そしてレジェントなシューズです。ちなみに、他のブランドを見渡したってないです、37代続く品番なんて、これはモンスター級ですよ。

私(筆者)にとって、大学生の時にはじめて履いた思い出のモデル。しかも、あれから30年近く経っても、もし無人島に持っていくのなら、間違いなく持っていくシューズの一つですね、ペガサスは。

そして、すごいのが、毎回ランナーが発売前に持っている期待感にずっと応え続けていること。今回も見事にワクワクするような仕掛けが散りばめられたモデルですね。


■37代目はとにかくクッション性がウリ、ついにリアクト搭載される!

「ズームフライ」ですでに定評がある「リアクトミッドソール」と「ズームエア」のブレンド感、クッションのバランス感が、ついに定番モデルのペガサスにも搭載されました、今回、これが大きなトピックになります。



「リアクト」は、ナイキが誇る反発弾性の高い素材で、そのバウンドの耐久性もピカイチの独自素材。多くのナイキのラインナップで採用されはじめていますが、NIKEが新しく開発したリアクトフォームという素材は、他者のものも含めて、“良くも悪くも”柔らかいこと、それが大きな特徴です。そのため、その良さを生かすための“安定”というキーワードの掛け合わせは必須です。

そして、その最高のパートナーが「ズームエア」です。それが入ることで接地から続く蹴り出しで、必要な安定感を感じます。レーシングシューズである「ズームフライ」に比べて着地面も当然広いのも併せて、履いた瞬間に感じるこの”しっかり感“は、これらのすべてのブレンド感がなせる技なわけですね。


■定番機能ズームエアが新鮮に感じる組み合わせの妙

新しい素材や技術を模索し続けるのは、シューズブランドの持つ宿命みたいなものですが、最近のナイキは、「ズームエア」という既存の定番素材を、新しい素材やコンセプトと掛け合わせて、実にうまく生かして、まったく新たな存在感すら作り出していますよね。



社会問題化さえしたあの厚底スタイル「ヴェイパーフライネクスト%」「アルファフライ」もしかり、今回の「ズームペガサス37」も、やはりナイキは「ズームエア」なんだ、という強いメッセージを感じましたね。結局、「ズームエア」あっての「リアクト」なのです。

実は、前回モデルの“フルレングスズームエア”から、今回は“フォアフットのみ“に仕様変更されました。反面、エアユニットの厚さは2倍以上になって、しかも男女で気圧差つけるなど繊細なケアが施されています。



やはり、全体的には、前回より前後2mm厚くなったリアクトミッドソールが全面に出たクッションですが、クッションが2倍になったようなフィーリングの隠し味は、「ズームエア」だったわけですね。


■フィット感は前回モデルよりかなりしっかり目

アッパーは相当に軽量化と通気性を意識した作りですが、これが華奢になるどころか、前回モデルよりフィット感が“しっかり”とした印象ですね。これは、シュータンは前回同様に薄い素材のままですが、甲まわりの構造が”ダイナミックフライフライヤー“から”ミッドフットバンド“に変わったことが大きいです。

TPU系のリアクトミッドソールは従来素材EVAより、どうしても素材の質量が高まります。アッパーが華奢なズームフライとは違って、デイリートレーナーであるペガサスは、このしっかりとしたアッパーが剛性面でもベストカップリングです。

また、踵のトップラインのカーブは、ナイキアスリートM・ファーラーの提案により、アキレス腱に当らないようにケアしたもので、今では、いろんなブランドでこのトップラインを採用しています。やはりこういったある種のトレンドを作るのもナイキです。


■手放しでオススメできるデイリートレーナー、それがエア ズーム ペガサス 37

ということで、アッパーのフィット感、ミッドソールのクッション性の点からしても、とにかく“しっかり感”が印象に残る10mmドロップの定番坂道構造のデイリートレーナー(トレーニングシューズ)であるのが今回のペガサスです。



“はじめての1足“としても手放しでオススメできるモデルでしょう。デザインが気に入ったのなら、”はいどうぞ”使ってください、という感じですね。

その価格の安さから「ナイキズームライバルフライ」をオールインワン的に履いているランナーも散見しますが、こちらは基本的にレーシングシューズの構造ですので、こちらは“手放し”でオススメはできません。だって、ランニングは、体の全体重を片足のその小さな面積で支えて、そして、何回も連続でジャンプしている神業です。是非、ランニングの頻度や距離、用途を考えて、ランニングシューズを選んでほしいですね。

むしろ、トレーニング頻度が高いランナーでは、筋的な疲労軽減、ロードなど路面環境へのサポート、またフォームをしっかり意識できる構造ですので、コンディショニングシューズとしても活躍する1足になります。

「ヴェイパーフライネクスト%」や「ズームフライ3」をレースやテンポアップで使っているランナーや、ライバルフライもペガサスとセットでの使用がいちばんしっくりくるオススメの使い方です。


■ワールドクラスランナーも履いているシューズをあなたに

とにかく“GOOD POINT“しかないようなワクワクするシューズですが、敢えてネガティブな要素、”BAD POINT“を挙げるなら、価格が前回モデルより1,000円上がったことですかね。

きっと37代目が発売すると36代目は価格が手頃になってくるでしょう。

できれば、安い方がいいというランナーの方は、今回のペガサス37は履かない方がいいでしょう。何故なら、比べたら間違いなくペガサス37を買ってしまう可能性が大だからです。一言で言うと、その“進化”を感じてしまう、そんなシューズだからです。

ペガサス37のミッドソール内側にこんな文字がプリントされています。

「Engineered To Exact Specifications Of World-Class Runners」

ワールドクラスのランナーと言えばE・キプチョゲやG・ラップなど思い浮かべる方も多いかもしれません。そう考えると “ワールドクラスランナーのために設計されたスペック”のシューズが、この価格、13,000円(税抜)だと考えると、どうでしょうか。レースが少しお預けの今、手元にあってあなたのランニングのモチベーションをあげていけるのは、間違いなく37代目のペガサスの方ではないでしょうか?



<著者プロフィール>


ランニングシューズフィッティングアドバイザー
藤原岳久(F・Shokai 【藤原商会】代表)

日本フットウエア技術協会理事
JAFTスポーツシューフィッターBasic/Master講座講師
足と靴の健康協議会シューフィッター保持

・ハーフ1時間9分52秒(1993)
・フルマラソン2時間34分28秒(2018年別府大分毎日マラソン) 
・富士登山競走5合目の部 準優勝  (2005)

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