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running2022.09.22

ASICS「MAGIC SPEED 2」が渾身のフルモデルチェンジ!今年サブ4目指すランナー必見!

「MAGIC SPEED2が2代目にしてはやくもフルモデルチェンジ」

9/22にアシックスから「MAGIC SPEED 2(マジックスピード2)」が発売されます。こちら前回からの2代目、通例ですと2作目は通常はアッパーか、ソールだけのマイナーチェンジですが、アシックスは立ち止まりませんね!今回フルモデルチェンジです!

MAGIC SPEED(マジックスピード)は、そもそもアシックスのカーボンプレート搭載最上位モデルのメタスピードスカイやエッジと、トレーニングとセットで使用したり、単体でレースに使ったりする用途のレーシングとして発売されたモデル。

とにかく、今回そのルックスもかなり最上位モデルに寄せられたアッパーで、ソールのデザインも同じとその親和性、連携感はさらに強まり、今回のこのルックスです、見た目だけでもかなりワクワクするデザイン性ですが、一体履き心地はどうなのか、フィット感、サイズ感はどうなのか、その辺りを、今回はMAGIC SPEED 2(マジックスピード2)試走会があり、わたしも参加してきましたので、そのあたりをじっくりレポートしていきたいと思います。

ちなみに、これを読んで頂いている皆さまも、都内ではありますが、9/15から「ASICS RUN TOKYO MARUNOUCHI(アシックスラン東京丸の内)」でMAGIC SPEED 2(マジックスピード2)の試し履き用シューズが用意されていているので事前に体感することができますよ。

まず体感してほしい、MAGIC SPEED 2(マジックスピード2)をご紹介していきましょう。


「ミッドソール素材はFFブラストからFFブラストプラスに変化」

まず変更点として、ミッドソール素材が、前回の“FFブラスト+カーボンプレート“のコンビネーションから、“FFブラストプラス(エフエフブラストプラス)とフライトフォーム“の2層式のコンビに変わり、その間にカーボンプレートがサンドイッチされた構造になっていますことです。

FFブラストプラスという素材は、ゲルカヤノ 29とか、グライドライド 3とか、アシックスの2022年の最新のデイリートレーナーモデル搭載されている、SOFTER、LIGHTER(柔らくて、軽い)を実現した素材。そして、柔らかいだけではなくて、地面に近い層は、もっと素材としては耐久性を意識した密度のある素材、フライトフォームが使われていて安定感を担保しています。

やはり、METASPEED SKY+やMETASPEED EDGE+に使われている“FFブラストターボ“と比べると、FFブラストプラスは素材の反発弾性の強さは落ち、やや重くなりますが、これは反面、フォーム密度が高いことでヘタリにくく耐久面でメリットがあり、そして安定設計になっているわけです。忘れちゃいけないのがより誰でもシューズをコントロールしやすくしたものだということです。


「カーボンプレートデビューランナーのためのこだわりの作り」

カーボン自体の存在が、カーボンプレートデビューできないでいるランナーの方々の大きな理由の場合もありそうです。その意味でも、サンドイッチされた改良されたプレートの存在感は大きいわけですよね。

基本的には跳び箱のロイター板のような役割を果たしていて、蹴り出しの方向性、フォームとランナーが作り出した力(パワー)伝える役割があるわけです。

今回のカーボンプレートは繊維を織り込んで作成されたものを使用していますが、ここの織り方をランダムな織り込みではなくて、直線的に入れるという特許申請中の技術を使用しています。

日本発信のこだわりがこの辺りにも感じますが、カーボンが縦方面には硬く曲がらないし、キッチリガイドしていくのですが、横の動きには、少し自由が許されている作りになるようにしているそうです。

なるほど、スピードを上げたいランナー自身の、“前に自然にいくという力学“と“速く動かしたいという欲求“が自然と融合するような作りになっている感じですね。

ちなみに、カーボンプレートはMETASPEED EDGE+と同じような入り方をしています。スカイ+は、フラット気味にプレートが入っていて、その上にあるフォーム素材を踏んでランナーのパワーを出していくような作り、それに対して、METASPEED EDGE+と同じように入ったMAGIC  SPEED 2(マジックスピード2)のプレートの入り方はよりシンプルに、マイルドに、そして、オーソドックスに体の前傾を促すような作り、カーボンプレートシューズデビューのランナーにも安心して履いてもらえるように、ケイデンススタイルでも使えるような汎用感をとっていると言えそうです。


「最上位モデル寄せたルックスはモチベーションがあがる」

そして、アッパーは部位によって編み方や、ブレサブルホールの大きさを変え通気性を高めた、エンジニアードメッシュアッパーを採用しています。デザインは最上位モデルのMETASPEED SKY+やMETASPEED EDGE+に寄せられてとてもモチベーションがあがりワクワクする出来です。カラーバリエーションもメンズ3色、レディース3色と充実しています。甲まわりにはシュータンと連動したガセット状になっていて、シューズ内で足を包み込みますね。

貼り付けの中敷にはサステナブルな取り組みとして、できたものを染めるのではなくて、糸を染めてものを作る、“ソリューションダイ“が使われています。従来の製造時より、水の使用量、CO2排出量を大幅に減らすことができるのです。

地球が待ったなしの状況ですからね、ランニングがいつまでもアウトドアスポーツでいられるためにもこういった商品をわたしたちもエシカルに選びたいですよね。


サイズ感は通常と同じでいいと思います。わたしは今回いつものメンズの25.0cm問題ありませんでしたね。踵のフィット感も最上位モデルのように追ってきていてフィット感がとてもいいです。幅面が気になる方はワイド設定もあります。


「開発は苦労の連続であった」

開発者のメンバー、アシックスの光畑さんは、今回のMAGIC SPEED 2(マジックスピード2)のための開発プロトタイプは、通常はコストもあり2種類前後がせいぜいであるに対して、異例の10種類以上作成して試行錯誤を繰り返したとの話、自ら1000K以上は走破して確かめたとか。

カーボンプレートの配置位置、ソフトな素材、安定感のある素材の組み合わせなどを含め、たくさんの組み合わせパターンから今回のMAGIC SPEED 2(マジックスピード2)のカタチになったとのことです。これだけ、コストと時間をかけたモデルであるのに逆行するように価格は、16,500円とこの手のカーボンプレート入り厚底レーシングとしては、リーズナブルな金額設定になっているのは驚きです。

これは一言で言って戦略商品であるから、なのですが、やはりこのシューズのテーマである「カーボンシューズデビュー」のランナーのための機能的な使いやすさもそうだが、同時に“買いやすさ“はかなり意識した価格設定にしたそう。履けそうな体力と目標のランナーに“カーボンデビュー“してもらいたいというアシックスの思い、それがプライスにも現れるのでしょうね。


「ストライドかピッチではなくて…」

そして、初代のMETASPEED SKYやMETASPEED EDGEの発表以来、アシックスのレーシングシューズには“ストライドかピッチか“論争があり、それはなんだかそれだけが独り歩きしているように思います。

そもそもアシックスの工学研究所では、ランナーがスピードを上げるというときに、どうするのかでストライドかピッチかを分けていて、強く地面を蹴って“歩幅“を広げていくスタイルなのか、ケイデンス(回転数)を上げていくスタイルなのか、前者ストライドと呼んで、後者のことをピッチと呼んでいるわけです。

つまり、大きないいフォームだからといってストライドではなくて、ピッチの可能性もある。逆に、足を置いて重心移動するようなチョコチョコ走りはピッチではなくて、チョコチョコ走りですね、それは…ストライドの広さとか、回転数の問題ではなくて、ランナーが技術的にどちらでスピードを上げているかということが重要になってくるわけです。


「カーボンプレート搭載シューズを敷居が高いと言わずに…」

『だからこそ、自分に合ったものを探し続けるのではなくて、よりランナーとして向上できるように是非チャレンジしてほしい、“カーボンデビュー”してほしいです』とアシックスの小谷コーチも言っています。

最初から使えない…ではなくて、使えるようにトライしてみる。カーボンプレートシューズで走るようになって、ランナーとしてできることを増やす。走れる距離が伸びたり、スピードが上がったり、走りだした時もそうでしたよね?体の使えるところも変わるかもしれない、それでも自分を信じてやってみる。

スポーツですからね、自分ができることが増えて、結果タイムが上がる、自己記録が達成できる、シューズを変えれば、速くなるのではなくて、シューズを変えて使えるようになってはじめて速くなる。当然ですが、シューズの話をするときにやっぱり主体はランナー自身のテーマになっていきます。

アシックスとしては、今回のMAGIC SPEED 2(マジックスピード2)をまずいろんな人に試してもらって、わたしには履けない…ではなく、とにかく自分を信じて試してもらう、好奇心とともに。


「レースデイシューズや使用用途に多様性がある作り」

開発者の光畑さんは、『MAGIC SPEED 2(マジックスピード2)は多くのランナーの勝負シューズになってほしい』という強い思いで作ったそうです。例えば“カーボンデビューしてサブ4“というようなイメージを持って作成されていて、わたしも当日走って履いてみて感じましたが、ランナーの全速力を応援するより、フルマラソンのペースのような、そのランナーのミドルペースぐらいを心地よく応援するシューズだなと感じましたね。

フルマラソンで速く走るって概念は、結局全速力のようなスピードを持続させるような機能性ではなくて、速くはないけど、遅くも決してないようなペースのサポートなわけです。ソールのFFブラストプラスの素材に象徴されているように、多くのランナーにとってはデイリートレーナーモデルでいいかもしれないし、体調も万全、調子もいい、記録達成を是非ともしてみたいというランナーには、それにちょっとした細工があって、一歩一歩のクオリティーが上がればいいわけですよね。その総和がフルではタイムアップになるわけです。

そのちょっとした細工がカーボンであり、素材であり、アッパーのフィット感であり、難産の末生まれたこのカタチ、MAGIC SPEED 2(マジックスピード2)なわけですね。もちろん、アウトソールもMETASPEED SKY+やMETASPEED EDGE+と比較すると、厚みもあり、耐久性もありますから、ワークアウトトレーニングシューズとしても活躍できるシューズで、使用用途の多様性もこのシューズであることも追記しておきたいですね。

とにかく、今年サブ4目指す!ランナー必見のTHEサブ4シューズ、それが、MAGIC SPEED 2(マジックスピード2)ですね。
 


<著者プロフィール>

ランニングシューズフィッティングアドバイザー

藤原岳久(F・Shokai 【藤原商会】代表)


日本フットウエア技術協会理事

JAFTスポーツシューフィッターBasic/Advance/Master講座講師

足と靴の健康協議会シューフィッター保持


・ハーフ1時間9分52秒(1993)

・フルマラソン2時間34分28秒(2018年別府大分毎日マラソン) 

・富士登山競走5合目の部 準優勝  (2005)

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