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running2022.12.16

ADIZERO (アディゼロ) シリーズから新登場!ADIZERO SL (アディゼロ エスエル)

■ADIZERO SL (アディゼロ エスエル)発売

今回は、先日、発売されたばかりの「ADIZERO SL (アディゼロ エスエル)」をトライオンセッションの様子も含めて、ご紹介していきたいと思います。

このシューズは、“無駄ゼロ、ストレスゼロ、エネルギーロスゼロ“の、あのレーシングカテゴリー、ADIZERO (アディゼロ) シリーズから発表されたモデルですが、だからと言って、カーボンファイバープレートが入っているとか、超軽量なレーシングスタイルだとか、そういうシューズでないところが、今回のポイントです。

むしろ、この機能性からも、履くランナーやその用途を選ばない、いわゆるサポート標準装備のデイリートレーナーモデルだと言うわけですから驚きです。

今回、ADIZEROシリーズから発表されたこと、ここが大きなミソです。そして、このシューズの魅力そのものになってきますので、どんな用途で、どんなランナーさんが履けるのか、さあ、楽しみな新商品、早速、解説していきましょう。


■ADIZERO SLがデイリートレーナーラインナップを強化・補完

アディダスのデイリートレーナーモデルと言えば、マックスクッションスタイルのウルトラブースト、未来のテクノロジー4DFWDなど、すでに特色のあるラインナップになっていますよね。

そのアディダスのデイリートレーナーラインの中でも差別化できるようなポジションに設定されているのが、このADIZERO SLだと言っていいでしょう。


ミッドソールは、多くのラインナップに使用されているお馴染みLIGHTSTRIKE EVA、ただ軽量感をキープするためかブーストフォームではないです。それを補うように、前足部の踏みつけ部のコアとしてLIGHTSTRIKE PROが使用されている構造です。

この使用素材のコンビネーションだけでもアディゼロの匂いがありますが、アッパーはエンジアードメッシュアッパー、踵まわりなどしっかりと肉厚な素材になっていて、こちらはアディゼロ感が少なめとまさに掴みどころがない魅力に溢れています。

つまりしっかりとしたアッパーにアディゼロっぽいミッドソールを持つ、全体としてはしっかり感を出すようなデイリートレーナーに仕上がっていると言っていいモデルですね。


■ADIZERO SL発表会開催

ADIZERO SLの発表会当日は、開発責任者の山口氏から同時に発表されたADIZERO TAKUMI SEN 9の商品説明のあと、ゲストの中野ジェームズ氏からのシューズに対するコメントがあるような進行でスタートしました。

そして、動的ストレッチのあと、各グループに分かれて、ADIZERO SLを履いて皇居周辺を3km弱、早速走りました。


履き心地は、ゆっくりのペースですと、8.5mmのミッドソールの傾斜はしっかりと前方にガイド感があり、しっかりとしたアッパーとLIGHTSTRIKE EVAのミッドソールの剛性もあり、安心の履き心地です。S Lと同じネーミングの原稿のS L20は別物だと悟ります。

不思議なのは、ちょっとテンポあげると別の顔が現れる感じのところです。蹴り出し時、ポップな反発感をもらえるようなアディゼロ的な雰囲気が出てくるのですよね。

この秘密は、ミッドソール全体はソフトなLIGHTSTRIKE EVAを使用されているのですが、前足部の踏みつけあたりには、なんとLIGHTSTRIKE PROが使われているからなのですね。


■ヴァーサタイル(多目的)に使える1足のADIZERO SL

 LIGHTSTRIKE PROとは、同社スーパーシューズのADIZERO ADIOS PRO 3 (アディゼロ アディオス プロ3)にフルレングスで搭載されているフォームのこと、反発弾性が高い素材で、それが一部ではありますが搭載されているところは、アディゼロらしい機能性と言っていいでしょう。


また、重量もかなり軽量で、わたしのサイズ25.0cmで計量したら、なんと227g!まさにアディゼロ的な側面がここでは見えますね。

ただADIZERO ADIOS PRO 3にはENERGYRODSという5本に分かれたカーボンファイバーが搭載されていますが、このADIZERO SLのLIGHTSTRIKE PROにはありません。

アディゼロ的ではありますが、速く走るための使用用途ではないわけですよね。

でも、ここが逆に魅力、そんな機能性を背景に、用途としては、ヴァーサタイル(多目的)に使える1足、部活生のDo It Allのシューズから、市民ランナーのジョグ用はもちろん、ポップな蹴り出しの感じは、軽量のテンポアップは苦手なランナーのロング用レースデイシューズにもなるような、そんないろんな顔を持っているシューズだと言えますね。


■リーズナブルな価格と機能性バランス、それがADIZERO SL

14,300円(税込)と非常にリーズナブルなプライスレンジはありがたいですよね。

また、サイズ・カラー展開がメンズ23.0~30.0cmの6色展開、レディースは22.0~26.0cmの5色展開とその本気が伝わってきます。特にメンズがユニセックスサイズの展開になっていることは足の小さめのランナー、ジュニアアスリートにとってもはうれしい展開です。

かなりしっかりとしたデイリートレーナーか、ADIZEROシリーズのような軽量感のあるシューズが目立つ印象のアディダスラインナップに、待望のDo It All系のデイリートレーナーが出現した感じと言っていいでしょう。

ミッドソール前足部外側に切れ込みが入ったデザインなんか、アディダスのスーパーシューズ「ADIZERO ADIOS PRO 3」の、シャープなそのルックスに似ていますよね。


選手が履いているのを見て、それが欲しいけど、用途的には合わないランナーの気持ちと、機能的な満足度を高めてくれるそんなシューズにもなりそうです。


■ランナーを選ばないシューズ、だからアスリートだって使う

また、アディダスが好きで、スーパーシューズもアディオスプロ3ってランナーも、スーパーシューズだけでのトレーニングは、耐久面や身体のコンディショニングでメリットが何もないですから、このADIZERO SLを履き分けて使ってほしいですね。

実はこれはアスリートだって一緒です。デイリートレーナーモデルは、初心者用とも呼ばれる理由は、どのランナーでも履ける機能性のアドバンテージ、つまり、アスリートだってその機能性の恩恵を受け、履く機会・用途はあるということです。

ウォーミングアップやジョグ、ロングランなんかでは彼らも使用しているわけですが、まさに彼らにもちょうどいい感じのこのADIZERO SLはアディダスアスリートこそ待ちに待っていたモデルだったかもしれませんね。

そして、当然初心者の方の1足目としてもいいでしょう。是非メーカーの割安、多機能な推しシューズ、こういった気合いの入った商品から1足目を選んでください。ランニングの継続にも影響する話ですね。

ただし、走歴があるランナーは、この1足のみではなくて、しっかり系のADISTAR CS(アディスター CS)用なモデルなどとセットで使って、LSDはそれ、ジョクはADIZERO SLと分けて使うのがオススメ、よりトレーニング効果も上がると思います。
 


<著者プロフィール>

ランニングシューズフィッティングアドバイザー

藤原岳久(F・Shokai 【藤原商会】代表)


日本フットウエア技術協会理事

JAFTスポーツシューフィッターBasic/Advance/Master講座講師

足と靴の健康協議会シューフィッター保持


・ハーフ1時間9分52秒(1993)

・フルマラソン2時間34分28秒(2018年別府大分毎日マラソン) 

・富士登山競走5合目の部 準優勝  (2005)

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