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running2023.06.09

ナイキ ズームX ヴェイパーフライ ネクスト% 3が満を持して登場!要チェック!

■2年の歳月をかけてモデルチェンジ、バージョン3登場

約2年の歳月を経て、あの“速く走る概念“を変えたNike Vaporflyシリーズがフルモデルチェンジ、遂にバージョン3、ナイキ ズームX ヴェイパーフライ ネクスト% 3​が登場しました!

ナイキ ズームX ヴェイパーフライ ネクスト% 3は、あの2017年に行われたマラソン2時間切りへの挑戦であるBreaking2(ブレイキング2)でのシリーズ登場から数えて5代目。今回、モデルのミッドソール内側にはTHE ORIGINAL SUPER SHOES(ザ・オリジナルスーパーシューズ)と印字されているように、最近では、他のブランドからも続々とリリーズされる中、このモデルこそ、スーパーシューズのスタンダードであると言っていいでしょう。

さあ、これは要チェック、細かく見ていきましょう!


■ミッドソールのZoomX増量、シンプルにクッション性がアップ

今回のアップデイトでは、ZoomXフォーム増量、クッション性とエナジーリターンをさらにパワーアップさせたミッドソールになったこと、それが大きなトピックですね。

とは言っても、World Athletics(ワールドアスレティックス)での競技シューズのルール制限いっぱいの厚さ40mm内になければなりません。

そのため、ナント、今回はアウトソールラバーを薄くして、ミッドソールフォーム素材を増やす選択をして、それを実現させました。まさにミリ単位の話ですが、これがたかが2mm、されど2mm。この2mmは足の世界では大きな変化です。だってシューズのサイズだってたった5mm刻みで、サイズが変われば随分違うでしょ?

実際、実走したファーストインプレッションも、ソールが厚くなった感覚のクッション性アップ、そして、それがとてもソフトになった印象をはっきり感じますよね。


■ノウハウが蓄積、洗練された構造、洗練されたデザインに

ミッドソールに混ぜ合わせる素材のレシピは前回モデルと基本的に変わっていません。ZoomXフィームは、Pebaxという分子レベル最強の素材をベースです。

ただ、そこはオリジナルスーパーシューズ、ZoomXフォームの使い方、作り方のノウハウが蓄積してより洗練されスマートになった印象です。

例えば、ソール前足部にプラットフォームは広く、踵は後方に膨らみを持たせ、幅は対照的に絞り込むような強弱があるデザインは、前作の丸みがある流線形とは対照的。シャープなスピード感のあるデザインに一新され、デザイン美としても完成されていますが、これは、構造的にもスマートに安定感と軽量感を両立させています。

ワイドなプラットフォームと踵の張り出しは、着地時の接地安定感を、ボトム部や側面にホールは同時に軽量化も実現するようにデザインされ、前作よりも4%軽量化に成功しています。フォーム素材は増えて、重量は軽くなる、これは、まさにマジックですね。


■フライプレートが素材とのコラボレーションを高みに

そして、“速く走る新しい概念“のまさにミソが、カーボンファイバー製のプレートです。

このプレートが跳び箱のロイター板のように、蹴り出し時の方向を決め、スーパーシューズの推進力の重要なパートを担っています。スーパーシューズがスーパーシューズたるには、このフルレングスのカーボンプレートが不可欠なわけです。

ただ、多くの研究でフォーム素材の重要性が指摘されています。一般的にはこのプレートがバンバン推進力を作っているというようなイメージをお持ちの方が多いように感じますが、むしろZoomXというフォーム(素材)とフライプレートの共同作業、コラボレーションでそれは実現されています。ヴェイパーフライの推進力の秘密はここにあるわけですね。

そして、カーボンプレートは基本的に硬いですよね。ですからソフトでスクイッシーなこんなフォームこそ相思相愛なわけです。まさに硬さが消えて共同作業で推進力を作っている感覚に、特にこの3から強くなりました。フォーム素材増量の効果ですね。


■シングルメッシュフライアッパーでソフトなフィット感に

Flyknit(フライニット)で制作されたアッパーにもノウハウの蓄積を感じます。

前作同様のアシンメトリーなレースホールは変わりませんが、前作よりやや剛性がしっかりあるアッパーから今回はシングルメッシュアッパーになり、ソックスの色が分かるぐらいの大きなホールが部分的に見え、通気性に配慮したアッパーに仕上がっていますね。

ただ編み込みは工夫されていて剛性が必要な部分は強く、通気性が必要な部分には思い切ったホールが空いているといった具合です。

そして、それは通気性に優れているだけではなくて、足あたりがいいソフトなフィット感になりましたね。前回モデルより、もっと幅面はゆったり感じます。足入れして感触の良いランナーは増えるのではないかと思っています。


■藤原が実際に着用してみた感想は?

今回はタイムトライル当日に、ほとんどはじめて履くという強行スケジュールでしたが、慣らさなくてもいきなり履ける信頼感は、さすがオリジナルスーパーシューズ、このシューズのなせる技ですよね。

とにかく、上述しましたが、走り出してまず感じるのは、クッションが本当ソフトで、フォーム素材が増した感は確かに感じます。

そして、前作はフルレングスのカーボンプレートがガンガン効いて前に進む感じでしたが、今回のモデルはいい意味でプレートを感じない印象に変わりました。

ただ、走行タイムやその努力感を見るとちゃんとプレートも効いて推進力が出ているような感じです。ちなみに、2年の時を経て、同じ場所、同じような気象条件で行った5Kタイムトライアルの結果は、ナント、前作NEXT%2とこのナイキ ズームX ヴェイパーフライ ネクスト% 3ともに、同タイムの16分46秒でした!


■今これを履いて欲しいという思いが伝わる1足

29,700円という価格はもはやスーパーシューズとしてはアベレージプライスです。とは言っても、実際に価格的にはメリットがある前作NEXT%2と、いったいどちらを買った方がいいのでしょうか?

ズバリ、わたしは、最新作であるナイキ ズームX ヴェイパーフライ ネクスト% 3を強くオススメしたいですね。あらゆる距離、あらゆるランナーに向けて作られたとい謳い文句のこのシューズは、市民ランナーの味方です。

このモデルは2年ぶりのフルモデルチェンジです。まさに満を持して、制作サイドの強い思いを持って登場してくるわけですから、ナイキとしても今これを買って履いてもらいたい旬なモデル、それこそこのナイキ ヴェイパーフライ 3と言っていいわけです。

前回モデルとは大きく違う感触になったソフトなバウンドと推進力は、まるで前作Nike ZoomX Vaporfly NEXT%2に初代アルファフライを掛け合わせたような、そんなモデルに感じます。

パーソナルベストを目指すランナーはもちろんですが、ショートディスタンスレースやインターバルワークアウトなど、履いてみたいというランナーは目的や距離を工夫して使って、このシューズのライド感を是非楽しんでほしいですね。
 


<著者プロフィール>

ランニングシューズフィッティングアドバイザー

藤原岳久( FS☆RUNNING(旧 藤原商会)代表)


日本フットウエア技術協会理事

JAFTスポーツシューフィッターBasic/Advance/Master講座講師

足と靴の健康協議会シューフィッター保持


・ハーフ1時間9分52秒(1993)

・フルマラソン2時間34分28秒(2018年別府大分毎日マラソン) 

・富士登山競走5合目の部 準優勝(2005)

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