推進力&接地感のコンビでローテションさせよう!ADIZERO BOSTON 12(ボストン12)&ADIZERO JAPAN 8(アディゼロ ジャパン8)登場!
■ADIZERO BOSTON 12(ボストン12)とADIZERO JAPAN 8(アディゼロ ジャパン8)がアップデイト
ADIZERO(アディゼロ)シリーズの看板モデルADIZERO BOSTON 12(ボストン12)とADIZERO JAPAN 8(アディゼロ ジャパン8)がアップデイト、6/1に発売されました!
推進力のボストン、接地感のジャパンの、そのコンセプトは変わらずですが、刷新されるテクノロジーは期待を上回るドラスティックなアップデイトをしましたね。今回、履くのがワクワクするようなモデルに仕上がっていますよ。
では、いったいどこが変わったのか、どんな用途で活用できるモデルなのか、そしてどちらを購入すべきなのか?そんな疑問にお答えできるような解説を早速していきますよ。
■ADIZERO BOSTON 12(アディゼロ ボストン12)の推進力は大幅アップ
ボストンシリーズは、デイリートレーナーのような安定感があり、デイリートレーナーよりちょっとポップなバウンドがある、そんな、言わばTHE SUB4シューズ(マラソン4時間切り)用シューズの代名詞的モデルでした。
今回のシリーズ最新作は、より推進力を重視したドラスティックなチェンジがありました。ルックスが大きく変わり、フィット感も変わり、そして、ステップフィール(着地の感覚)も変わり、とにかくすべてが大幅にアップデイトされたのが今回のボストン 12と思ってください。
フルレングスのグラスファイバー製5本骨状バー「ENERGYRODS 2.0」がハイパフォーマンス ミッドソールに必要な剛性を提供。かかとからつま先へのスムーズな体重移動を実現。
また、サンドイッチするミッドソール素材自体も、前回同様のLightstrike Pro(ライトストライクプロ)と新登場のEVAベースのLightstrike 2.0(ライトストライク2.0)のコンビネーションになり、それも、反発弾性の高いライトストライクプロを前回よりも地面スレスレまで増量しています。
Lightstrike 2.0は前回同様EVAベースの素材ですが、混ぜ合わせるレシピや製法が確実に変わったはず。かなりグランドフィーリングがソフトになりましたからね。
■ルックスも、機能性も、もはやスーパーシューズ?!
それらが醸し出す推進力は、とにかくシンプル「進む」の一言です!元々ボストンユーザーならもちろんのこと、実走した一歩目から確実に違いを感じるはずですよ。
安定感とクッションを感じた前作より、ボストン12は、よりポップなフィーリングのレースデイシューズとしてパワーアップしました。
つまり、機能面でもルックスも、デイリートレーナーのちょっと上のラインナップのポジションから、アディオス Pro 3のようなスーパーシューズに一歩近づいたという印象ですね。
スーパーシューズの、その次の選択肢という位置付けがピッタリな表現ですかね。
■引き算だけではない機能性はさすがの一言
今回、軽量感が増したように感じるのは、スーパーライトなその名もライトウエイトメッシュアッパーは、ボストン10、11のようなしっかり感重視のアッパーから転換、より通気性と軽量感を高めた仕様だから言っていいでしょう。
ちなみに、シューズラスト自体はトレーニングラストなので、少しゆったり目のフィット感に感じますね。
そして、そんな引き算ばかりではなくて、耐久性も忘れていません。フルカバーされたContinentalラバーがそれを物語っていて、レースデイシューズでもありますが、あくまでワークアウトなどでの使用も考えた、そんなコンセプトを裏切らない仕様になっている感じです。
■一言で言えば、接地感のADIZERO JAPAN 8(アディゼロ ジャパン8)
スーパーシューズ寄りのボストン12対して、まさに、トラディショナルレーシングフラットのジャパン8。
ボストン12も含めて、各社カーボンプレートシューズ、分厚いソールスタックハイトのレーシングシューズのラインナップが増える、今だからこそこのようなモデルの役割は少なくないです。
かつてこのシリーズが11年ワールドレコードを保持、接地感覚のあるトラディショナルフィールが持ち味のシューズですからね。接地感覚がとにかく気持ちいい。自らの足が地面についている感覚があるこんなシューズは、ワークアウトするランナーならランナー力をキープするためにも活用したいモデルですね。
ミッドソール前足部のみにスーパーシューズ アディオス Pro 3に全面使用されている反発弾性の強いLightstrike Proが使用されています。前作よりアウトソールギリギリまでその範囲が広がって、ポップな蹴り出しを強化したスタイルにパワーアップされていますね。
ただ、EnergyRodsは非搭載、中足部をコントロールするトルションロッズのみとベーシックレーシングフラットとしての作りはそのまま。蹴り出しはしっかり自分の足で行う必要があり、速く走るより、むしろ、それを磨くシューズと言えます。
前足部のプラットフォームを大幅に広げて接地、蹴り出しの安定感を担保して、オールコンディションに対応するコンチネンタルラバーを配置し耐久面にも配慮するなど、レースデイシューズというより、ワークアウトシューズとして輝くモデルと言っていいですよね。
■価格と機能性のバランスは素晴らしい
スーパーライトなメッシュアッパーは通気性抜群で、ライトウエイトにフォーカスした大胆なデザインとなっています。靴下が透け透けになるぐらいです。
自分の力は自分でまず高める、そんな接地フィーリングにフォーカスしたライトウエイト、テンポアップシューズ、それがジャパン8。“より速く“のボストン12とは、はっきり棲み分けしたモデルですね。
価格も18,700円のボストン12に対して、とても良心的な16,500円というのもこのモデルの魅力の一つでしょう。
■ズバリ、こういうランナーに使って欲しい
実際にわたしが履いた印象は、とにかくボストン12は前作よりなんとも分かりやすくグイグイ進む感覚に変わったなあという感じです。
また、ジャパン8は伝統的な足入れの良さはそのまま、こちらも「あー、これ」といったいつものグランドフィーリング、接地感がとても気持ちいいシューズです。
そして、ボストン12はサブ4シューズ、もとい脱Sub4シューズって感じます。
マラソン3時間半やそれ以上の目標を持つランナーでスーパーシューズがちょっと不安なランナーにピッタリ、そう感じています。
マラソンブームも静かに続き、ランニング歴の長いランナーも増え、ランナー全体のタイム底上げ感もあり。ランナーの成長に合わせて、シューズも進化した、そんな象徴のようなシューズなのではないでしょうか。
■最低でも2種類を履きわけよう
例えば、レースデイシューズ、ハレの日のシューズは、アディオス Pro 3というランナーなら、ボストン12はワークアウトデイのシューズになるでしょう。Continentalラバーの配置面積だけ見ても耐久性は比べるまでもないです。こんなレースデイとワークアウトで分ける使い方はオーソドックスですね。
もし、ボストン12がレースデイシューズであれば、ジャパン8をワークアウトデイシューズとして選んでみるのはどうでしょう。速く走るギミックがない、自分の力で走るシューズでトレーニングすることは、自分力を高めることになるわけです。
速く走るギミックは、10の力で出せる10のスピードを8で出せること。シューズももちろん大事ですが、それが自分力をうまく養えるローテションであるか、どうかも大事なポイントです。
■はじめてのテンポアップシューズにもピッタリ
そもそも、ジャパン8は、はじめてのテンポアップシューズとしてオススメしたい1足です。
例えば車のメンテナンスは、時には高速道路を走ったり、ロングドライブをすることも含まれます。ランナーも一緒、街乗りだけではコンディションを保てません。
ですから、ときにはテンポアップすることもランナーとして大事なトレーニングなわけですね。
クセがない、軽量のこのモデルはまさにピッタリ、ジャパン8一択という感じですね。
ボストン12、ジャパン8はそれぞれかなり特徴が違うモデルです。これらをお持ちのシューズとうまく履きわけ、使いわけることで、自分のパフォーマンスを最大限に高めてもらえたり、ランニングをもっと楽しんだりできるはずです。
是非、足入れして欲しいモデルです。
<著者プロフィール>
ランニングシューズフィッティングアドバイザー
藤原岳久( FS☆RUNNING(旧 藤原商会)代表)
日本フットウエア技術協会理事
JAFTスポーツシューフィッターBasic/Advance/Master講座講師
足と靴の健康協議会シューフィッター保持
・ハーフ1時間9分52秒(1993)
・フルマラソン2時間34分28秒(2018年別府大分毎日マラソン)
・富士登山競走5合目の部 準優勝(2005)