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running2023.08.21

ナイキ インフィニティラン 4はペガサスと一緒に履きたい、デイリートレーナーモデル

インフィニティラン 4登場

■インフィニティランシリーズがフルモデルチェンジ、4代目に

さて、ナイキ インフィニティラン 4が発売、今回で4世代目になりました。

ミッドソール素材Nike ReactフォームがNike ReactXフォームに進化、フルモデルチェンジし、『アスリートをより良くすると同時に、アスリートのために地球環境をより良くする』をテーマに、今まで同様、ランナーに“怪我をさせない“というコンセプトに加えて、今回はパフォーマンスとサステナブルなもの作りを両立したプロダクトに仕上がっています。

また、今回のモデルはスムーズ感、サポート感、クッションというテーマにテスト段階から多くの女性ランナーに関わってもらい、デザインされたものになっているそうです。単純にデザインも前モデルから大きく印象が変わりましたね。

このインフィニティラン 4はカテゴリーで言えば、初心者からエリートランナーまで履くランナーを選ばない言わばデイリートレーナーモデルです。

そして、ナイキの定番デイリートレーナーと言えばペガサスシリーズですが、では、その定番中の定番、ペガサス 40と一体どう違うのか。ペガサスシリーズを持っているランナーにもインフィニティラン 4は履いてもらいたいモデルなので、そこをポイントに解説していきましょう。


インフィニティ ラン フライニット 3とインフィニティラン 4


■パワーアップ&サステナブルな素材、Nike ReactXフォーム

前回モデル、インフィニティ ラン フライニット 3もNike Reactフォームをミッドソールに使用していましたが、それはそもそも従来のEVAと言った一般的な素材よりも素材反発やクッション性、その耐久性を高めたものでした。

それを今回、ナイキスポーツ研究所で5年以上の歳月を費やして、反発弾性などパーフォマンスは13%向上しつつも、温暖効果ガスを排出量が少ないミッドソール成形方法でCO2を43%削減したNike ReactXフォームへパワーアップさせたわけです。

高い反発弾性を生み出す製法はフォームを圧縮成形という従来概念から見直し、射出成形に工夫を加えた製造プロセスに変更、パフォーマンスアップと地球環境への配慮を両立させることに成功しました。

また、外側が窪んで、内側が張り出すようなミッドソールの意匠(デザイン)は、パフォーマンスへの実益も、また視覚にも、それらを訴えかけるようなものになっていることを追記しておきましょう。


■Nike Flyknitアッパーはフィット感◎

ナイキがシューズ業界にはじめて採用したニットアッパーは、もはやどのブランドでも採用されるようなアッパー素材の定番化している印象ですが、やはり、ここは元祖、今回のNike Flyknitアッパーのフィット感、安心感はさすがですね。

足入れ直後から気持ちがいい、何だか走りたくなるアッパーです。伸びるところは伸び、伸びてほしくないところはしっかりとしたメリハリが効いたアッパーになっています。プラスでシューズの内側に中足部に配置されているミッドフットバンドもフィット感への貢献が大きいことは言うまでもないですね。

このアッパーは、足幅が気になるランナーも気持ちいいはずです。このあたりも開発段階から関わった多くの女性ランナーの意見を踏まえ、チューニングされた印象ですね。

そして、こちらのニットアッパーは従来のアッパー製造に比べ、廃棄物を平均60%削減した、もちろんサステナブルな作りになっていることを付け加えておきます。


■シリーズの遺伝子を引き継いだ作り

前回は可視化できた踵の下部、ミッドソールとの間にあったヒールクリップは今回ミッドソール上層付近に内包されるデザインとなって一体化、やはり怪我に配慮した安定感のある作りで、シリーズの遺伝子を引き継いだ作りになっています。

ランナーの接地パターンを選ばないフルグランドコンタクトソール(アウトソール全面地面に接地するパターン)になっています。前回モデルと比較してもソールプラットフォーム(接地面積)が中足部を中心に大きく広がった作りで着地安定からその直後のガイド感をよりスムーズに提供できる作りになっています。

また、今回はアウトソールにワッフルソールを採用、ちょっとした不整地なんかも物ともしないグリップ感です。これは、ナイキの共同創業者のビル・バウワーマンが奥様が焼いているワッフルをヒントに生み出されたもの、まさに古くて新しい技術と言えますね。


ワッフルソールを採用


■ブランド内で大きな存在感を出すロッカースタイル

そして、インフィニティーランに採用されている8mmドロップのロッカースタイル構造は、ランナーの怪我を減らす、というテーマにおけるサポートのいわば1つ選択肢として注目されているもの。

ロッカースタイルは、ランナーの足抜けの良さを狙ったソール形状です。足首、膝、股関節といった関節アライメント(剛性)を“倒れないように支える“というより、いわば、“倒れるカラダを前に送る“といった違うアプローチだと言えます。

今回わたしのサイズ25.0cmで、295gと前回から40gほど実は重くなっています。しかしこれもロッカースタイルのサポートをより生かすための、革新的なソール素材の変更、プラットフォームの拡大などに由来するものであり、第一、このシューズは、速く走るためのシューズではありませんから、この重量の変化は、サポートの安心感が追加されたカタチと考えるべきですね。

それに対して、ナイキの定番モデルペガサス 40、ボメロ 16などは、トラディショナルと言われる、前への強いガイドを持つ坂道スタイル。8mm以上のハイドロップスタイルになっています。


■ペガサス 40と一緒に持ちたいデイリートレーナーモデル

実は、2015年に発表されたとある研究でも、構造的に違うシューズをローテーションすることは怪我のリスクを減らすことが報告されています。シューズのガイドが変わることで、接地する場所や使う筋肉が変わって、それによってシューズの摩耗箇所が変化したり、トレーニング効果が増すわけですね。


ペガサス 40とインフィニティラン 4


つまり、すでにペガサス 40をお持ちの皆さんは、ペガサスの代わりに購入を検討しようというより、ペガサス 40とインフィニティラン 4を一緒にローテーションする方がメリットがあるというわけなのです。

両者は同一ブランド内のモデルでありながら、怪我予防やトレーニング効果、シューズの耐久性に対して、強く影響し合うデイリートレーナー同士なので、この2足をハキワケることは理にかなったハキワケになると言うわけです。

とにかく健全な地球環境なくしてランニングの未来はありません。そこに投資するイメージでもいいので、ナイキ インフィニティラン 4、こちらは是非一度足入れをしてほしいシューズですね。
 


<著者プロフィール>

ランニングシューズフィッティングアドバイザー

藤原岳久( FS☆RUNNING(旧 藤原商会)代表)


日本フットウエア技術協会理事

JAFTスポーツシューフィッターBasic/Advance/Master講座講師

足と靴の健康協議会シューフィッター保持


・ハーフ1時間9分52秒(1993)

・フルマラソン2時間34分28秒(2018年別府大分毎日マラソン) 

・富士登山競走5合目の部 準優勝(2005)

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