WAVE RIDER 27(ウエーブライダー27)は1足は持っていたい定番
■1足は持っていたい定番、「WAVE RIDER」シリーズ
1998年に初代モデルが発売以来、ウエーブライダーが今回で27回目のアップデイトをします。
定番中の定番、ミズノランニングシューズの代表的なモデルですが、モデルチェンジしていく中で、もちろん変更箇所がある一方、むしろ、大きなコンセプトが変わらないのがこのシューズの魅力ですね。
トラディショナルな前後差12mmの傾斜がついたミッドソールは、トレンドにも振り回されず、ずっとこだわり続けた故に、かえって新鮮でさえある印象。ミズノが大切にしてきた走り心地感、スムーズネスを今回も体現できる作りになっています。
HOKAに代表されるような5mm前後のドロップのシューズが、ランニングシューズの中でトレンド化して、低ドロップスタイルのブランド・モデルが増える中、かえってその存在感、そしてランナーへの貢献が増しているのがライダーシリーズというわけです。
ということで、今回はミズノの定番モデル、ウエーブライダー27がみなさんのランニングシューズラインナップに何故、どうして必要か、それを解説していきましょう。
■今回ウエーブライダー27の変更点を解説
さて、今回の27代目は主にアッパーの変更のマイナーチェンジですが、この新アッパーは、通気性、そして軽量化に大きく貢献したファインチューナップになっています。
わたしのサイズ25.0cmで片足251gと、前回より微量ですが軽量化。まあ今の重量でも十分軽いのですが、それ以上に軽量感を感じるのはフィット感の良さでしょうね。
ヒールカウンターと言って踵を包みこむパーツの形状をフィット感アップのため再考して変更したこと、そして、同時にアッパー全体を覆うジャガードメッシュアッパーは通気性とフィット感も貢献しているでしょう。シュータン(ベロ)とソールが一体となったガセット状の構造ももちろんプラスです。
“波の進む力“からインスパイヤされたPUプリント補強は、波しぶきのように細かいドットデザインを採用することで、柔軟性を損なわないカタチでフィット感やアッパー剛性に貢献すべく計算されて配置されたもの。全体としてフィット感にこだわった作りなっていますね。
また、今回、アッパー、そしてその裏地、インソール表面のテキスタイル生地は90%以上がリサイクル素材を使用していてサステナブルなテーマにも配慮は怠りません。
奥からミズノウエーブライダー24→25→26→27
■MIZUNO ENERZY&MIZUNO WAVEは健在
25代目から踵の下部の小規模面積でミッドソールに採用されて以来、前作26代目からはフルレングスで採用されたミズノ独自素材のMIZUNO ENERZYは、もともと使用していたEVAスポンジ由来のものより、素材の柔らかさ、エナジーリターンを高めたものです。今回もフルレングスで採用されています。
ミズノと言えばの、まさにアイデンティティ、MIZUNO WAVEも踵に搭載されて、MIZUNO ENERZY+MIZUNO WAVEは、クッションと安定感を両者がコラボレーションして快適な走り心地に貢献しているわけですね。
そして、樹脂プレートの素材自体の特性であり宿命、「硬いだからこそ安定する」わけですが、25代目のソールからそれ自体を少し前方へ移動するという工夫により、着地時の印象が、よりソフトフィーリングになりました。
また、今回もMIZUNO WAVEは植物由来のプレートになっています。ここにも地球環境への配慮がありました。
■ライダーは履く人を選ばないデイリートレーナースタイル
ライダーは、クッション・安定感・ガイド機能を標準装備した12mmドロップ、ランナーなら誰もが持っていてほしい、DO IT ALL(何でもできる)の定番デイリートレーナーモデルです。
レースデイシューズのような速く走るモデルは、「あったほうがいい」シューズで、一方、ライダーのようなデイリートレーナーモデルは「なくてはならない」シューズと言っていいでしょう。初心者からエリートランナーまでランナーを選ばないシューズというわけです。
そして、全てのランナーにとってゆっくり走ることが基本であることも同じ。トップランナーとて、毎日速いペースでハードワークしているわけではなくて、ジョグである有酸素トレーニングがメインなわけですよね。
ですから、まず1足目という方はもちろんですが、少しでも速く走りたいというランナーの方も含めて、このライダーのようなデイリートレーナーモデルが必要なのです。
■ライダーをハキワケのお供にしましょう
2015年のとある研究で違う要素を持つランニングシューズのハキワケは、怪我を減らすことが報告されていて、HOKAやOnといった低ドロップのロッカータイプのモデルを持っているランナーが、例えば、ライダー27のような定番トラディショナルスタイルのデイリートレーナーモデルとローテーションすれば、怪我はもちろん、トレーニング効果、シューズの耐久面から言ってもとても有効なことになると言えます。
27年間、時代の変化に合わせて、徐々に変わってきたシンプルな定番モデルだからこそ、トレンドスタイルともうまく共鳴して、そのハキワケ効果も高くなると言うわけです。
原材料費の高騰、為替相場などプライス設定にアゲインストな環境下、各メーカー苦慮していると思いますが、同モデルが前モデルと同様の14,850円(税込)は奇跡のプライスです。
本当はミズノも同じ事情だとは思いますが、このライダーはミズノが誇るベースモデルです、より多くのランナーに手にしてほしい、まずは1足目はこちらを履いてほしい、ミズノの思いを強く感じるプライスだと感じますね。
是非ローテーションのカンパニーとして、次はこれ、というより、今持っているシューズと一緒にハキワケてほしいモデル、それがウエーブライダーですね。
<著者プロフィール>
ランニングシューズフィッティングアドバイザー
藤原岳久( FS☆RUNNING(旧 藤原商会)代表)
日本フットウエア技術協会理事
JAFTスポーツシューフィッターBasic/Advance/Master講座講師
足と靴の健康協議会シューフィッター保持
・ハーフ1時間9分52秒(1993)
・フルマラソン2時間34分28秒(2018年別府大分毎日マラソン)
・富士登山競走5合目の部 準優勝 (2005)
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