進化が止まらない!ASICS MAGIC SPEED 4(アシックス マジックスピード 4)
前作3で最強コスパカーボンシューズの地位を確立しながらも、またもやすごいアップデートをしてきましたよ、今回のMAGIC SPEED 4。
今回のキャッチコピーは、前回の「自己記録への挑戦。」からこちらに。
出会おう、より速い自分に。
こちらが進化のまとめですが、この3点がまさにポイント。
わかりやすく3と比較してみましょう。
まずソールの厚みですが、3が36mmだったところ、4は43.5mmと大幅に増しました 。並べてみた時に、もう一目瞭然ですね。
40mmオーバーという、いわゆる規格外まで盛られたシューズになっているため、こうなると同シリーズのカーボンシューズと言えど、もうフィーリングは別物です。なのでここで好みは若干分かれてくるかもですが、さらにソール厚み増と共にドロップも7から8になり、より転がる感覚が強くなりました。
そして厚みが増した分、それなりに重くもなっています。約245gとなるとトレーニングシューズの領域に入りますが、それを補って余りある反発力のおかげで、実際の走りの方は数値ほど重たさを感じません。
その要因はアップデートされたソールの構造にあります。
FF BLAST PLUSは、NOVABLAST 4 にも採用されているフォーム。
内蔵されたFF TURBOは、METASPEED+シリーズに使用されている高性能反発フォーム。それをプレート直下のフォアフット部分に内蔵することで、プレート下にフォームを多めに敷いた、METASPEED SKYと同様のフィーリングを味わうことができます。
前回のモーションラップアッパーから、エンジニアードメッシュ に変更。
足の形に合わせて、編み方を変えている デザインで、通気性と柔らかさを確保しながら、最適なフィット感を実現しています。
前回同様、シュータンとアッパーがシューズ内部で一体化された構造(シュータンウィング構造) が、抜群のフィット感を演出。
この二つのコンビで、アッパーの安定感と通気性を両立しています。
カーボンを挟んだミッドソールと、最高のグリップ力を誇るアウトソール。
このカーボンが覗くディテールが、実に興味深い。
コンセプトも変わらず、
初めてのカーボンプレートシューズから、METASPEEDシリーズレースに使っている方のトレーニング用と、レベルの高い走行シーンにおすすめです。
ちなみに個人的なフィーリングだと、
クッションに関しては、MAGIC SPEED 3やS4よりはありますが、同じフォーム 材のNOVABLAST ほどは柔らかくありません。それはソール形状やプレートの存在によるところだと思いますが、クッションがあるあると聞いていると、そこまで柔らかさは感じないのかなと思います。
走行感も、キロ5〜6分だと硬さと重さを感じますが、キロ4付近だと反発と足回りの良さが勝ちます。内蔵されたFF TURBOとドロップ8mm がその要因かと思いますが、用途としてはコンセプト通りの、レース〜テンポ走が最もポテンシャルを引き出せると思いました。
キーカラーのセーフティーイエローも、ここまで来ると潔くて良いです。
このようにブラック多めのソックスと合わせると色目が締まりますので、ぜひご参考までに。
それにしても最近のアシックスラインナップの細分化たるや、ほんと隙がありません。
例えばアシックスで履き分けラインナップを揃えた場合だと、
ジョグ=GEL-KAYANO、GEL-NIMBUS
テンポ走=NOVABLAST、SUPERBLAST
ペース走=MAGIC SPEED
レース=METASPEED
という配置になるかと思いますが、レースでMETASPEEDまで必要ないという場合では、先ほども言いましたが、MAGIC SPEED 4で十分勝負できます。
そして最後に値段の話。
前作3の税込16,500円からはさすがにアップしましたが、それでも今回も税込18,700円と、許容の範囲で収められているところがほんとすごいです。
カーボン厚底レースシューズの平均値段帯が3〜4万のところ、アシックス METASPEEDはワンマーク低い税込27,500円としているところでの、このMAGIC SPEEDの価格設定の優秀さたるや、ほんと無双状態かなと。
我々ユーザーはこの状況を喜んで、大いに迷いましょう。
とにかくMAGIC SPEED 4、要チェックです。
<著者プロフィール>
牧野 英明
BEAMS所属。キャリア約20年の中で、店頭とECスタッフを15年、2020年よりTIGORA by BEAMS DESIGNのディレクターを務め、Alpen TOKYOオープンを機にアルペン ランニング ディヴィジョンアドバイザーに就任。
自身も熱心なランナーであり、フルマラソンベストは2時間47分44秒(東京マラソン2023)。ロード以外にもトラックレースやトレイルランにも積極的に取り組む全方位ランナー。
「走るに快適なファッション日常着」を体現する#いつでも10km走れるコーディネート は業界でも有名。
ファッション目線を取り入れた独自のシューズレビューをぜひお楽しみください。
Instagram: @makinohideaki