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running2017.10.30

川内鴻輝(50kmマラソンランナー)が走り続けるワケvol.1「兄貴が自分に1番影響を与えた人物。」

物心付いた時から走り始めているマラソンランナー川内鴻輝氏(25歳)。ロンドン世界陸上男子フルマラソンに日本代表選手として出場した、あの川内優輝氏(30歳)の弟となる。

鴻輝氏は50kmマラソンランナーとして世界選手権を目指す傍ら、株式会社K・Kスポーツの経営者でもあり、多忙な日々を送っている。マラソンランナー川内鴻輝氏に、兄優輝氏への想い、マラソンを楽しむためのアドバイスや今後の目標なとについて、熱く語っていただいた。
 

――現在お仕事は何をされていますか。
川内:スポーツマネージメント業を営んでいまして、マラソンランナーの大会出場やイベント出演の交渉をしたり、「川内チャレンジ」と言うマラソンイベントを開催したり、スポンサー獲得など色々やっています。

不真面目だとか言われたりもしますが、色々やるからこそ視点と活動場が拡がると思ってやっています。

川内鴻輝

――変化が好きなのですね。

川内:そうですね。これから生きていく上で柔軟性がますます大事になってくると思っています。例えば、スマホが登場した時は、「何だこれは?」と思いましたが、実は使い易いと浸透していきましたよ。

変化に対応できないとこれからの社会で生きていけないのかなと思います。インターネットの出現により新しいことをやる機会が増えてきていますが、元気がなく殻に閉じこもっている若者が多い感じがするのが勿体ないです。

 ――マラソン界でも同じようなことが言えますか。

今のマラソン界は、上から教えられたものを下に落とし込むよな風潮があり、新しい試みをしようという感じがあまりしないのではないかと思います。兄貴(川内優輝氏)は、レースに沢山出たり、実業団に進む以外の選択肢を示したり、短期間でフルマラソンを何本も走ったり、根本から常識を覆してきた部分は尊敬します。東京オリンピックが過ぎれば外国人が増えグローバル化が進むでしょうし、時代が変われば考え方も変わるのではないかと思います。
 

川内鴻輝
――影響を受けた人物はいますか。

川内:兄貴が自分に1番影響を与えた人物となります。やっぱり、陸上界を変えているのをまざまざと間近で見てきましたし。色々批判をされても自分の信念を突き通して結果を残してきましたから。兄貴が異端児でいてくれてからこそ、自分は兄貴にできないことは何であるかを考えてやるようにしています。

――お兄さんは、自分が異端児であると思っていますか。

川内:そこは流石に分かっています。昔はプロランナーが生涯マラソンを走る回数が多くて15回位だったんですが、兄貴は現時点で74回ほど走っていまして、東京五輪の時には100回を超えているはずです。

市民ランナーが走るのとプロが走るのとでは意味が違いますから。プロであればスポンサーが付きますし、負ければ沢山のリスクが伴いますから。

兄は安定した成績を残してきているので凄いなと思います。だからこそ自分も負けてられないです。
 

――お兄さんとレースに出場したことはありますか。

川内:過去に数回だけありましたが、なかなか被らないんですよ。2018年の2月にある北九州マラソンで兄弟3人で初めてフルマラソンに出場する予定です。

――皆さん本気で走るんでしょうか。

川内:本気です。

――それは、かなり面白い対決となりますね。地元埼玉で大々的に開催(2017年11月12日(日))される「さいたま国際マラソン」に出場したことはありますか。

川内:昨年、次男が出て3位でした。今年は長男が出ると言ってました。私は、50km世界選手権の代表選考レースがその前日にあるので出られないんですよ。埼玉は地元ですし、出場してみたいです。

――川内さんはマラソン界では背が高い選手ですが、走っていて有利に感じますか。

川内:170cm位の人達が多い中、私は180cmとなります。基本的に有利だと思いますが、向かい風の時に風を受ける面積が大きいので、自分の後ろにいる小さい選手達に風除けとして利用されることが多いです(笑)。

――走る時に聴く音楽はありますか。

川内:リズムが良い曲を聴くようにしています。トップ選手のレース中の1分間の足の回転数は190~200位回なので、テンポが速い音楽を聴いてから走っています。例えば、失速をするとリズムが大きくなってくるので、その時に頭の中で音楽が流れると、そのテンポにリズムを戻そうとします。

疲れてくると顎が上がり肩に力が入り身体が宙に浮いてフォームが崩れてきます。そこで、なるべく元気な状態に戻すためにリズムを思い出す手段として音楽はありだなと思います。

川内鴻輝

――マラソンを楽しむためのアドバイスをいただけますか。

川内:まず、故障をしないでほしいです。痛みを抱えるとフォームが崩れますから。それと、自分と同じレベルや志を持つ仲間を持つことにより、走ることが楽しくなると思います。

辛さ、悔しさ、嬉しさなどの感情を共有できるのは仲間がいてからこそだと思います。仲間がいれば、何倍も嬉しいですし、苦しい時でも乗り越えることができますから。
 

――今後の目標を教えてください。

川内:まずは約1年後に中国雲南省で開催される世界選手権出場の切符を勝ち取って、しっかりとメダルを獲れるようにしたいです。

――その先の目標はありますか。

 川内:競技者としては1年後にメダルを獲ることを目標とし、その後は私の地元の久喜市をマラソンの街にしたいです。私がレースに出場するたびに久喜市にいる沢山の方々が応援してくれていますので、恩返しをできたらなと考えています。 



vol.2 へ続く。
 

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