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running2018.07.02

サブ4を大会で切る為にエントリーランナーが2カ月前に取り組むべき3つの切り口(メンタル編)

大会に向けて、自分なりの決心をして勢いよくランニングを始めた。勢いよく始めた分、出だしは良かった。楽しい。順調だ。目標達成出来るかもしれない。すべてが順調であり、簡単に目標達成が手に入りそうに思えた。ところがどっこい、、、続けてきたけど、どこか集中力が途切れた。突如として不安が襲ってきた。そして肉体的且つ精神的疲労感も共に降りかかる。

私は本当に、このままでこの目標を達成できるのか?自問自答が続く。答えはでないまま…月日が流れる。やっぱり駄目かもしれない、、、。そして、今回もいつもの如く、挫折。そんなことは今までなかっただろうか?

目標達成実現のためのターニングポイントでもある、大会2カ月前のメンタルの考え方について、日本で最も多くの足を速くしたプロ走コーチの荒川さん(株式会社スポーツクラウド代表取締役社長)と、元プロサッカー選手で完全プライベートジム【ボディゴールド】を経営する金宏明さんが対談形式で、その極意をお伝えいたします。

金:前回お話した大会3カ月前におこなうべき3つの切り口では、いくつかの解決策や準備、そしてヒントが見つかったのではないでしょうか。では次に、大会2カ月前に入り、ランナー達のメンタルはどのような状態にあることが多いと考えられますか?

荒川:この時期は一番気持ちが切れやすい時期だと思います。1カ月目はどちらかというと慣れるっていうスパンだったのですけど、2か月目からは純粋に走る量や負荷をかけて追い込むという時期に入っていくからです。

メンタル2ヶ月
金:そうですよね。この時期が内容も濃くなりますし、ある意味目標達成のターニングポイントの時期と言っても過言ではありませんね。では、荒川さんの場合、どうやって乗り越えていきますか?

荒川:私が気持ちを切らさないために工夫をしていることは、目標の立て方です。それはなにかというと、全て数値に落とし込むということです。ようするに見える化すること。タイムやトータルの走行距離はもちろんですし、今月何キロ走りましたっていうのを積み上げていく。できれば月に200キロを目標にして頂きたいです。

金:素晴らしい、明確ですね。見える化で、自分の現状が把握できる。そして、その数値によっては自信にも繋がる。また、修正箇所やプランの建て直しも可能になっていきますね。

荒川:そうなんです。金さんはいかがですか?

金:私が気持ちを切らさないために工夫している事といえば、ワクワク感を創る為の想像力と目標の再確認です。

例えば、休みが好きな方は仕事の日より、休みの日が嬉しかったりしますよね?休みの日はゆっくり寝れる!と思っていたはずなのに、休みの日になるといつもより早く起きてしまって、、、なんてこともあったり、または、一日は24時間と毎日変わらないはずなのに、休みの日や好きな事をしている時、好きな人といる時は時間が極端に短く感じる経験は誰しも一度はあるのではないでしょうか?

要するに、メンタルの部分で言うと時間を短縮することが我々はできるのです。それを引き出せる方法の中の一つがワクワク感に想像力をリンクさせ、目標達成に導くことです。目標は雲のように触ることができないので、その部分を形に変えて、よりリアルに想像しやすいものに代えてあげるとより効果が高いでしょう。例えば1位を目指しているとしたら、なるべくリアリティのある金メダルを身近に持っておく等々です。

どんなワクワクを感じるかによって乗り越えられる壁も決まってきます。ですので、想像力を鍛えること、根本的に好きになるという事はかなり重要になってきます。五感で感じる事ができればできるほど良いです。

後者の方は、なぜこの目標を達成したいのか、達成したらどうなるのか、達成した時の気持ちはどうか?を再確認した時に、気持ちのブレがなければ、気持ちが途中で切れるどころか、もう一段高いモチベーションで大会まで準備できることでしょう。

私は、いまこうやって話をしてるだけで、既にワクワクしてきちゃいましたよ(笑)

荒川:なるほど、素晴らしいです!(笑)ワクワクする感覚、大切にしていきたいですね。

メンタル2ヶ月
金:先ほど「2カ月目からは純粋に走る量や負荷をかけて追い込むという時期に入っていく」とおっしゃっていましたが、どのような目標の立て方が良いと思いますか?

荒川:2カ月目に立てた目標の延長戦上に目標を立てていただきたいです。ようするに、2カ月目も1カ月目と同様に、達成可能で且つ近いスパンで。できれば一週間スパンで目標を立てる事をおすすめします。

金:それは、なぜだとお考えですか?

荒川:もし、1カ月やっていただいた方は、かなり体も心も少し慣れがでてくると思うんですよね。そして、基本的に慣れてしまうとトレーニング効果が下がるのと、3カ月目からはまた追い込みの時期になりますから、このスパンでの目標の立て方が良いと思います。

金:最終目標は見失わず、手に届く目標を積み重ねていくことでモチベーション維持が可能になりますね。モチベーションはエネルギーに変わるので、その絶妙なコントロールが目標達成には不可欠になりますから、素晴らしい目標の立て方です。

さて、いかがでしたでしょうか?一人ひとりの目標や目標とする意味は様々です。目標の立て方も同じく様々です。その中で自分に合った目標の立て方を工夫してみると良いでしょう。

また、目標と現在地点を見えるようにすることで、自分の立ち位置がはっきりし、今までの不安が解消されたり、モチベーション維持や向上に役立つことがあるでしょう。

目標達成する為に、ひとつの参考として、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか?


※次回は、 大会2カ月前に前に取り組むべき3つの切り口コンディション編 をお届け致します。


【取材協力】
荒川優 プロ走コーチ、株式会社スポーツクラウド代表取締役社長
競技実績:100m、10秒56、ニュージーランド オタゴオープン 銀メダル
経歴:筑波大学(体育専門学群)→一橋大学大学院(経営学修士(MBA)コース)→プロコーチ兼社長就任
出身地:福井県坂井市
主な出演作品:NHKテレビスポーツ教室 ほか 福井県出身、筑波大学では100m選手として活躍し、ニュージーランド大会銀メダルなどの実績をあげる。その後は一橋大学大学院で経営を学び、日本では数少ないスポーツ選手のMBAホルダーとなる。スポーツ 経営によって、スポーツクラウドの社長となりFacebookのファンは42000人超。
現在はプロ走コーチとして、100mで10秒台選手や400mで50秒切りの選手を大量に輩出。国内外の科学的な知見や経験をもとに生み出されるオリジナルの”速くなる練習法”が話題となり、全国から生徒が指導を求めて殺到している。指導した生徒数はなんと30000人を超え、日本で最も多くの足を速くしたコーチとしても有名。オリンピック選手をはじめとしたトップ選手や、Jリーグ・プロ野球選手・ラグビー日本代表など競技を越えて数多くのアスリートを指導している。
NHKやラジオなどのメディア出演も多数。2017年からは全国の小学校を回る『スクールキャラバン』の走指導代表コーチにも任命。その他にもイベントや講演会など全国で幅広く活動している。代表的なイベントは「1時間で50mを1秒速くする特別レッスン」。主なDVDに「速く走るための6つの法則」ほか。

金 宏明(キム ガンミョン)GWANG MYONG KIM
Body Gold代表取締役社長
元プロサッカー選手。元フットサル韓国代表選手。1984年東京都生まれ。流通経済大学経済学部経営学科卒。サッカー選手時代は日本、韓国、タイでプレー。引退後パーソナルトレーニングジムを設立。2017年に渡米し、米国でプロ選手復帰を経て欧州、中東、東南アジアの11カ国18地域での世界一周の挑戦を終えた。趣味は銭湯と神社巡り。アジアの良さを世界に伝え、日本と各国の橋渡し的存在になることが目標。

完全プライベートジム【ボディゴールド】
http://www.bodygold.jp/company.html

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