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running2018.10.09

葛西紀明(スキージャンプ) レジェンドが語るランニングvol.2「ランニングによって体もメンタルも健康に」

[vol.1は こちら ]

35年間スキージャンプを続ける葛西紀明選手は、2020年の北京オリンピックを目指し、突き進んでいる。ある部分を鍛えるために、ランニング以外のスポーツも積極的に行うとのことだが、それは一体何なのか?レジェンドが長年積み重ねてきたからこそと思える、意外な答えが返ってきた。
 

――プレッシャーの乗り越え方はありますか?

葛西:優勝が懸かった時、調子が良い時にプレッシャーを感じますね。緊張しますけど、最終的に僕が発見したのは、脈の鼓動がリラックスした状態を邪魔しているということだったんですよね。今までずっとメンタルトレーニングなどをやってきて、でも試合で失敗をしていたので原因が何であるかをずっと考えてきました。

競技のワンピースを着ると首元が苦しくて動脈がドンドン鼓動しているのが耳にまで響き渡ります。鼓動が凄く速い時に緊張しているというのが分かるじゃないですか。それで、鼓動のスピードを下げれば平常心になるということを発見したんです。緊張は脈であり、呼吸法が分かるようになってから、そんなに失敗しなくなりましたね。

――葛西さんに座右の銘はありますか?

葛西:「自分の夢は努力で叶える」ということですね。人1倍トレーニングをしたり、人よりも頑張るということです。最近、「座右の銘は何なのか?」と聞かれたことがあり、この言葉は自分に当てはまると思い、たどり着きました。

――どのようにしてリラックスしていますか?

葛西:普段ジャンプのことを考えないようにすることで、リラックスしています。シーズン中でも、なるべく考えないようにして温泉に入ると気が休まりますね。北海道や全国各地の温泉に行きます。登別温泉の宿については、ほぼ制覇していますよ(笑)。

――ジャンプ以外のスポーツに興味・関心はありますか?

葛西:色々なスポーツを見ますし、自分でもやりますね。球技が多く、サッカー、バレーボール、バトミントン、テニス、ゴルフなどを、合宿中になるべくやるようにしています。反応や判断を瞬時に考えるのを鍛えるために、1番手っ取り早いと思っています。

――そこまで多くのスポーツを取り入れているのですね。上手くできるものですか?

葛西:僕は、パッと見ただけで、すぐにできるタイプなんですよね。そこが自慢です(笑)。反応や判断が人よりも数十倍凄いと思っています。皆からも「そんな動きできないですし、凄い!」と言われます。ジャンプは、瞬時に色々なことを考える競技です。一瞬の反応や判断が、若い選手にはまだまだ足りませんね。

――葛西さんにとって、ジャンプの魅力とは何でしょうか?

葛西:ジャンプについて考えていますね。ランニングやトレーニングは簡単にできます。ジャンプは難し過ぎて思うようになかなか跳べないんですよね。今まで色んなスポーツをやってきましたが、ジャンプが1番難しいです。だから、辞めることができないんですよね。

今まで自分の納得いくパーフェクトなジャンプができたことは全然ありません。何万本も跳んできて、5本あるかないかです。その時に大体最長記録などを作っています。跳び始めると一瞬意識が消えて、着地した時に「完璧なジャンプだった」ということがありました。

――アルペングループマガジンの読者へメッセージをお願いします。

葛西:ランニングは最高です!小学生の時から走っていますが、ランニングにハマルと一生走り続けていけると思っています。ランニングによって体もメンタルも健康になれます。ここまで一石二鳥なスポーツは、他にはないと思いますね。無理な目標は作らずに、楽しく健康的に走っていってほしいです。

――最後に、2020年の東京五輪について何を思いますか?

葛西:ズルイです(笑)。夏に東京でオリンピックに出れるなんて。

自国開催の東京だと相当盛り上がり、色んな効果が絶大になり、活気が出てくるでしょうね。

スポーツをする人も増えるでしょうし、羨ましいです(笑)。

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