谷川真理(マラソン)ミズノ ランニングクリニック開催!vol.2「マラソンには必ずゴールがある」
[vol.1は こちら ]
11月に開催されるランニングクリニック(応募は終了致しました)は、盛り沢山の内容となっている。谷川真理氏から、ランナーにとって大切なシューズ&ウェア選び、体の動かし方、走り方などのアドバイスを受けることができる。「おしゃれラン」の火付け役とも言える谷川氏は、ランで魅せることについて、どのように感じているのだろうか?興味深い答えが返ってきた。
――走ることに慣れてきたら、次にすることはありますか?
谷川:1時間走る際に、いつもと同じペースではなく徐々にペースを上げてみてほしいですね。例えば、15分ゆっくり走って15分速く走るなどの強弱をつけていくと、体が慣れてペースも上がるようになります。
速く走っていると、ランニングのフォームが大きくなって心肺機能も高まります。コツコツと積み重ねていけばスピードは上がるので、試してほしいです。GPS機能付きの腕時計やスマートフォンを利用して走り続けると、自分のペースをつかみやすくなりますよ。
――ランニングをするにあたって、どのような体型が理想となりますか?
谷川:マラソンを走る場合、体重が少ない方が足にかかる負担が減ります。車を例にすると、車体は軽くエンジンは大きくということになります。体はコンパクトだけど、エンジンは大きな物を積んでいるような体型となるのが理想ですよね。
トレーニング量が多い場合は、良質なタンパク質を摂ってほしいです。練習時間が増えていくと脂肪を削ることができます。現状よりも体重を減らしていくつもりでトレーニングするのが良いと思います。
私の場合ですが、夕食時に炭水化物の量を減らしています。お肉、お魚、野菜はしっかりと摂って、糖質をやや抑える食事にしてもらうとマラソンの体型になっていきます。糖質を摂り過ぎると脂肪となりやすいので、特に夜は気をつけると良いですね。
――モチベーションを上げる方法はありますか?
谷川:1番良いのは目標をコンスタントに持ち続けることだと思います。人によって差があると思いますが、気持ちの持ち方次第で変わりますよね。
また、走る仲間がいれば継続しやすく、モチベーションが上がると思います。同じ趣味を通じてできる仲間から共感できる部分が多いので、親しくなりやすいですよね。走った後に食事する楽しみもあるので素晴らしいと思います。
――マラソンを通じて、どのような時に喜びを感じますか?
谷川:やっぱり練習を積んで自分の目標を達成出来た時ですよね。東京国際女子やパリマラソンで優勝した時は達成感で一杯でした。苦しさから解放される喜びもいっぱいでしたが(笑)、ギリギリまで挑戦をして結果が出ると、皆さんも本当に嬉しいと思います。
――現役時代、どれだけ練習をしたのですか?
谷川:月間約1000km走りましたね(笑)。あの頃は、あまり休みがなく1日に30kmをよく走っていました。最高で80kmという時もありました。朝・夕方・夜の3部練をした時は、「走るか・食べるか・寝るか」で、常にお腹が減っていましたね。
今は食べる量が減りました。エネルギーをちょっと入れたいなという感じです。体って面白いですね(笑)。
――走ることで、伝えたいことはありますか?
谷川:好きな時に走ることができるのは幸せなこと。時にはキツいシーンもありますが、そのキツい状態が一生続くわけではありません。マラソンには必ずフィニッシュラインがあります。足を一歩一歩出し続けていれば必ず辿り着けます。
途上国や紛争地域を訪れると、自分が好きなことに挑戦出来る幸せや感謝の気持ちを忘れてはいけないと感じます。マラソンを走ることは苦しいですが、だからこそその瞬間を大切にしたいですよね。私も健康で平和な国にいられる大切さを日々感じながら、これからも走り続けたいと思います。
――「おしゃれラン」で日本のマラソン界に新風を吹き込んだことについて、どのように感じていますか?
谷川:ありがとうございます。おしゃれは凄く意識して走ってきました。皇居で走り始めた時に、「かっこよく走りたい」と思ったんですよね。当時、マラソンは忍耐や根性が必要とされる苦しいスポーツというイメージがありました。
おしゃれなウェアを着てシューズを履いて走ると、テンションが上がるじゃないですか。東京国際女子マラソンなどのレースに出る時は、3ヶ月くらいかけてトレーニングを積みます。体を鍛えて走り込んで自分を研ぎ澄ませていくので、芸術作品みたいですよね(笑)。
大会ではクリームやマニキュアを塗って、いかに「かっこよく演出するか」を意識していました。私の走る姿を見てもらうことによって、「自分も走りたい」と思ってもらえたらなと。
沿道にいる方々が私を目にするのは、ほんの一瞬となります。その一瞬に全てをかけて、「私の姿を感じてもらえたら」という気持ちで走っていましたね。
――最後に、アルペングループマガジンの読者へメッセージをお願いします。
谷川:人間の体は、鍛えれば鍛えるほど強くなります。自分の中で走りたいという気持ちを持ってトレーニングを積んで行けば、誰でもフルマラソンを楽しみながら走ることができると思います。
マラソンは確かにキツい競技ではありますが、クリニックは楽しいです。あまり気構えずに、気軽に来てほしいですね。皆さんと楽しく走りながら、ランニングの素晴らしさを分かち合いたいです。
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