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baseball2019.04.10

八木将康(劇団EXILE)│駒大苫小牧高野球部での3年間が、自分を強くしてくれた【後編】

劇団EXILEのメンバーとして、舞台、映画、TVドラマへの出演や歌手としての活動など、活躍の場を広げている八木将康さん。駒大苫小牧高校野球部で甲子園に出場した経験を持つ彼に、これまでの野球人生を伺った本インタビュー。後編では、野球で得たことが、俳優としての活動にどんなことをもたらしてくれたか、そして今後野球とどのように関わっていきたいか、話を聞いた。

八木将康(劇団EXILE)│駒大苫小牧高野球部での3年間が、自分を強くしてくれた【前編】はこちら


■「はい」「いいえ」だけじゃなく、意見を言える大人に

──高校卒業後は、野球を続けようとは思わなかったのですか?

 
思わなかったですね。もう高校3年間で燃え尽きたというか……。高校でもレギュラーとして試合に出ていたら、大学でもやっていたのかもしれないですけど。もし大学で野球を続けていたら、きっと東京に出てこなかっただろうし、今の仕事もしてなかったと思います。
 
──もともとは歌手を目指して東京に出たとのことですが、歌手を目指すようになったのはどうしてだったのでしょう?
 
それも、兄(EXILE SHOKICHI)が先に東京に出て……もともと僕のほうがEXILEを好きだったはずが、気づけば兄がEXILEになっていたんですよ(笑)。一方で、僕は野球をやめてからやりたいことも見つからず、なんとなく大学生活を送っていた。テレビで兄の姿を見るうちに「俺にも何かできないのかな」と思うようになったんです。それで、東京に出ることにしました。小さいころから、本当に兄の真似ばっかりしてますね(笑)。その後、僕は役者の道を進むことになったので、ようやく独り立ちしました(笑)。兄は昔から常に人の中心に立っていたようなタイプなので、人前に立つと泣いちゃっていたような僕とは対照的な存在。だからこそ、憧れていたんでしょうね。
でも、じつは僕、高校生のとき雑誌『甲子園の星』に載ったとき、将来の夢に「俳優」って書いてたんですよ。そのときはただ漠然と、テレビに出ている俳優さんたちが格好いいなという憧れの気持ちで書いたと思うんですけど。今は自分が本当に役者をやっているなんて、なんだか不思議です(笑)。
 
──今のお仕事で、野球の経験が活きていると感じることはありますか?
 
そもそも、人前に立つことに慣れたのは、野球をやっていたおかげです。オーディションのときにも、野球部時代に培った度胸が絶対に役立っていたと思いますね。それから、高校3年間の野球生活が本当にハードだったので、今は多少のことではつらいと感じないんですよ。当時は肉体的にきつかったのはもちろん、プレッシャーもすごくて、気持ちの面もかなり鍛えられました。今でも、もちろんミスが許されない場面はありますし、緊張もします。でも、それはそれで楽しめるくらいの余裕を持てるようになったと思います。
それから、挨拶だったり敬語だったり、「当たり前を当たり前にやる」っていうことが身についたのも、かなり大きいです。それに加えて、高校では自分の意見をきちんと言えなければならない環境でした。監督は「社会に出たら『はい』『いいえ』だけじゃ通用しない。ちゃんと自分の意見を言えるような人間になれよ」とよく言っていたんです。HIROさんも、「『はい』だけじゃなくて、何かあるだろう」とおっしゃるので、大人になって改めて、すごく良いことを教わってきたんだなと感じています。

■大人になったからこそ味わえる、野球の面白さ

──最近、また野球をやりたいなと思うことはありますか?

 
こないだ、劇団の先輩の青柳翔さんと小澤雄太さん、それから同期の小野塚勇人の4人で、広場で野球をしたんですよ。青柳さんがグローブとボールを買ってきてくれて、みんなでキャッチボールから始めて、ノックもして。久しぶりにやってみて、すごく楽しかった。キャッチボールって、心が通じ合うんですよね。相手を思いやってボールを投げ合うと、なんだか心が通じた気になるというか。すごく素晴らしいスポーツだなって改めて感じました。だから、将来いつか自分が父親になったら、子どもとキャッチボールをするのも僕の夢のひとつです。
それと、今でもたまにバッティングセンターへ行ったり、素振りもしますよ。長いセリフを覚えないといけないときとか、ずーっと台本と向き合っていてもなかなか入ってこないことがあって。そんなとき、気分転換も兼ねて「素振りでもするか」ってなりますね。高校のときにルーティーンにしてたスイングをしてみたり、トレーニングがてら、連続振りもやってみたり。やり始めるとちゃんとやるっていうところが、野球が染み付いてる証拠ですよね。
あとは、いつか始球式もやってみたい! 以前、兄はファイターズの始球式をやっていて、僕も本当にやってみたいなと思ってます。やると決まったら、絶対にきちんと鍛えて練習しますよ。
 
──いつか草野球のようにチームでプレーしたい、みたいな思いはありますか?
 
ありますね。今、LDH TV(EXILE TRIBEファンクラブ会員専用の動画配信サービス)の企画で、野球部を作ろうっていうアイディアが上がっているんです。LDHには野球経験者が多いので、チームを作って試合をしてみたいなと思います。バッティングセンターや素振りもいいけれど、やっぱり試合ならではの緊張感を少しでも味わいたいな、と思うときがあるんですよね。高校時代はきつかったけれど、大人になったからこそ、失敗しても笑えるだろうし、そのほうが思い切りのいいプレーができるっていうこともあるはず。失敗を恐れずに、野球本来の楽しさを味わえるんじゃないかなと思います。
 
──チームができたら、どんな活躍をしたいですか?
 
ピッチャーをやりたいですね。エースで4番を目指したい。多分、高校まで真面目に野球をやってきたからこそ、遊びでやるとはいえ、絶対努力すると思うんですよ。やるからには活躍したいですね。……でも、うちには始球式で133km/hを記録したメンディー君がいますから、僕は技巧派投手を目指したいと思います(笑)。



[プロフィール]

八木将康
俳優。1987年生まれ。北海道苫小牧市出身。劇団EXILEメンバー。2012年、舞台「あたっくNo.1」をきっかけに、劇団EXILEに加入。2018年には「CRAZY四角形」名義で歌手デビューも果たした。駒大苫小牧高校時代は2005年選抜高等学校野球大会(春のセンバツ)に出場。

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