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baseball2021.02.05

柳田悠岐、吉田正尚、高橋由伸の3名が「UNDER ARMOUR ATHLETE SUMMIT」に登場!メンタルの重要性や「ルーティーン」について語る

株式会社ドームは、1月16日と17日の2日間にわたり、「UNDER ARMOUR ATHLETE SUMMIT」(アンダーアーマー アスリートサミット)をオンラインで開催した。

1日目の第2部には、柳田悠岐選手(福岡ソフトバンクホークス外野手)、吉田正尚選手(オリックス・バファローズ外野手)、高橋由伸氏(野球解説者・評論家、前読売ジャイアンツ監督)の3名が登場。「トップアスリートのマインドセットについて」というテーマで、トークセッションを行った。

この日のMCは、ラグビー選手(ラグビー日本代表、7人制日本代表、NTTコミュニケーションズシャイニングアークス)の山田章仁氏。同じアスリートの目線から繰り出されるさまざまな質問や、テンポの良い進行が印象的だった。


山田:素晴らしいキャリアを形成されてこられたお三方にお聞きしたいのですが、成績を残すためには、パフォーマンスや技術だけでなくメンタルも重要だと思います。皆さんはどのように捉えて、いらっしゃるのでしょうか?

柳田:もう技術云々ではなく、メンタルのみでここまでやってきました。

吉田:野球のなかでも特にバッティングは、失敗の方が多い。「ダメな時はダメ」、「良いときは良い」と割り切り、メンタルを切り替えながらプレーしています。


山田:続いて選手としてのご活躍はもちろん、監督や評論家としての経験もお持ちに高橋さんにも、「メンタルの重要性」をお聞きしたいのですが、どのようなお考えをお持ちですか?



高橋:もちろん「メンタル」も大切だと思いますが、それに加えて心と身体、技術のバランスを整えることが大事だと思うんですよね。技術が自分に身に付いてきているという達成感や感触、身体のコンディション良さなどが揃ってこそ、気持ちも落ち着くのではないでしょうか。僕はバランスも非常に大事だと思いますね。


山田:皆さんの「メンタルがプレーに与えた影響」についてお聞きしたいです。まずは、昨シーズンのMVPを受賞された柳田選手からお願い致します。メンタル面で「もう少し改善すべきだった」という点、「緊張しすぎたけれども、もう少し楽しめたら良かったなぁ」と感じられている場面はありますか?



柳田:あまり「緊張」することは無いんですけど、これまでの経験のおかげで、ダメだった時の気持ちの切り替えが出来ているのかなと思います。いろいろな失敗をすればするほど、「失敗して当たり前」という捉え方になってきているような気がしますね。プロ選手でも失敗はあります。中高生とかだと、もっと失敗することが多いと思うので、失敗自体を恐れるよりも、「失敗をどうやってこれからに活かすか?」という意識を持つことが、一番大事なのかなと思います。

山田:皆さん、失敗を恐れがちだと思うんですが、気持ちの切り替えや経験が大事ということですね。深いコメントありがとうございます。



続けて吉田選手にお伺いします。パワーヒッターでありながらも、高い打率を残されていらっしゃいます。打率を残せた背景に、打席での「切り替え」があったりはしませんか?「メンタル」の切り替えが、成績に繋がったエピソードがございましたら教えてください。

吉田:そうですね。打率は、日々変動していくんですよ。なので、打てない時には、次の日が不安になることもありますね。「なるべくネガティブにならないように…」と思ってプレーしていますけど、それでも毎日のように不安が襲ってきて、消えることはありません。なので、何とかして結果を出すために、まずはコンディションをしっかり整えるとか、万全の準備をしてから試合に向かうようにしています。


山田:ありがとうございます。吉田選手は、準備とポジティブな感情を大切にされていらっしゃるんですね。最後に高橋さんには、指導者という立場で、「上手くいかなかった時のメンタルの調整方法」についてお話していただけたら嬉しいです。



高橋:プレーヤーだった時は、「自分自身の問題」で立ち止まることが多いと思いますが、これらは自分で考えながら、解決していく方法がたくさんあるんですよ。

3年間ほど監督を経験させてもらって感じたのは、選手それぞれの考え方が違うなかで、他人をコントロールする難しさですね。

監督や指導者というのは、自分のことだけではなく、選手の成長やチーム成績などのような、自分以外の悩みも絶えない。選手の成長や、チームが勝利を収めるという部分では、選手の時よりも達成感がありましたけれども、指導者としてのメンタルの保つのはとても難しかったなと感じました。

選手をしている時は、「監督やコーチは見ているだけで良いなぁ」と感じることもあるんですけども、実際に管理する立場になると、「選手が活躍してくれてこそ」の仕事になるので現役時代とは異なる悩みも多かったですね。


トークショーは、質問コーナーに突入。視聴者からお三方へのさまざまな悩みが寄せられた。

山田:柳田さんにお聞きします。緊張でドキドキしない方法があったら教えてください。



柳田:昔は本当に緊張して、良い結果が出なかったこともありましたが、色々と失敗しすぎたこともあり、ある時からどうでも良くなりましたね。緊張のせいで結果が出ない日々が続けば、「もう失敗してもええや!」という感じになります。

野球はチームのスポーツなので、「誰かが打ってくれるだろう」とか、「誰かが失敗したときには、それを自分がカバーして勝ちたい」といった気持ちで日々プレーしています。」

山田:チームスポーツの良い所ですね。

柳田:そうですね。僕は個人種目をやっていたらダメでしたね。ゴルフが大好きなんですけど、「ばり下手」なんですよ。個人スポーツは誰も助けてくれないので、酷いことになっています。

山田:僕も北九州出身で、「ばり」っていうワードを久しぶりに聞きましたね。ちなみに(ゴルフは)僕も「ばり」下手です。色々とお話いただいてありがとうございます。


山田:続けて吉田さんにお聞きします。緊張を和らげるために「ルーティーン」はありますか?

吉田:僕の場合は、あえて言うならお風呂に入ってストレッチをする流れくらいでしょうか。「ルーティーン」は、あまり作らないようにしています。「ルーティーン」と言って毎日同じ下着や、服を着ていたりするのも「どうかな?」と思うので…。

山田:選手は色々な「ルーティーン」をお持ちですよね。高橋さんにはあのどうしても、指導者の目線からの「ルーティーン」についてお伺いしたいです。これまでに行っていたものは何かありますか?



高橋:現役選手だった時は、夜の食事は好きなものを食べていましたが、体調面を気にすることが多かったので、試合前はなるべく軽い物を食べるようにして、身体に変化が出ないように気をつけていました。監督や指導者になってからは、ルーティーンはあまりに気にしなくなりましたね。1つ、2つと作ると、キリがなくなってしまうので…。

山田:例えば、「家には必ず右足から入る」と言ったようなルーティーンということですよね?

高橋:そうです。もし、逆に入ってしまった時に気になってしまうので…。指導者になってからは、あまり気にしないようにしましたね。

山田:「気にしないのも1つの考え」ということですね。


山田:チームの中に、「なかなかヒットが打てない」とか、「怪我が治らない」といった悩みや苦しみを抱えている選手が周りにいたとき、その選手はどんな悩みを抱えていますか?共通点はあったりしますか?



吉田:僕は高校と大学で、寮生活をしていました。なので、日頃の生活を通じ、チームメイトのいろいろな性格が分かってくるんですよ。凄く神経質で、荷物を整理整頓している人もいれば、僕みたいに整理が苦手なタイプもいる。そのような環境で生活していて、何でも完璧主義にやりすぎると、「疲れちゃう」というか、「凄く大変そうやなぁ」とは見ていたんですけど…。

山田:先ほど高橋さんがお話されていた「ルーティーン」とも、ちょっと関連しますね。

高橋:「ルーティーン」っていうのは、本人がそれをやって落ち着けば良いわけですから、正解は無い。人それぞれだと思うんですよ。

何もしない事が落ち着く人もいれば、きっちり毎日同じという人もいる。同じ時間に起き、同じもの食べ、同じものを着るとか…。でも、どんな「ルーティーン」であっても、それで気持ちが落ち着いて、結果が良ければ良い。それがすべてだと思いますね。

山田:そうですね。柳田選手はどうですか?

柳田:そうですね。気にしすぎは良くない。


山田: 昨年は新型コロナウイルスの影響に伴い、開幕は3ヶ月ほど延期になり、今年も緊急事態宣言が再び発令されています。メンタルの調整が難しかった状況の昨シーズンを振り返って、いかがでしたか?

吉田:プロ野球は、およそ3ヶ月遅れで開幕することになりましたが、皆さん協力のおかげで無事にシーズンを完走することができました。このことについては「感謝の想い」でいっぱいですし、今年もその気持ちを忘れずにシーズンに臨みたいと思っています。


山田:チームで練習ができない子供たちも多いと思うのですが、柳田選手が考える、「野球少年や
ちびっ子がやった方が良いトレーニング」などはありますか?



柳田:やっぱり、「素振り」じゃないですか。(緊急事態宣言中の)今でも、家の外に出るくらいならば、問題ないと思いますし、バッターは素振りですね。ピッチャーはやったことがないですけど、
小さい頃は、走ったりとか、素振りをするだけでもうまくなると思います。

山田:高橋さんには、学校の先生や野球チームの監督と言った指導者の目線から、モチベーションを維持する方法をお聞きしたいです。

高橋:こういった苦しい環境にあるのは、スポーツだけではないと思うんですけど…。誰かが何かをやったからといって急激に変わることではないですし、変わらないことを悩んでいても前に進めないので、今の状況で出来ることを探していくしかないかなぁと思います。

山田:僕がプレーするラグビーでは、進学や就職に向けて自分のPR動画を送ったら、良い結果につながったと言う話も聞きますし、今まではなかった事が生まれてきたりもしています。「新しい発見」をする方向性に、気持ちをもっていくしかないのかなと思いますね。


山田:そして最後になりましたが、本日のイベントの感想をお願い致します。



吉田:(オンライントークショーは)初めての体験でした。「集まれない」という状況のなか、オンライン
環境を生かしながら、コミュニケーションを取りましたが、慣れない部分もありました。

これからキャンプも始まりますが、今シーズンは、お客さんがいる球場で、たくさんの良いプレーをしていきたいと思っているので、今までの日常が戻る日々が来ることを祈っています。



柳田:プロ野球が無事に開幕できるように、(シーズンへの熱い)気持ちをずっと持って、練習に励んでいきたいなぁと思います。ありがとうございます」



高橋:オンラインは、まだ慣れない部分もあります。吉田くんが言ったように「今まで通りの生活や、環境が戻ってくるのが一番」ではあるのですが、今までの生活の有り難みや、考えるきっかけになったとは思います。

さまざまなことを考え、新しい発見をしながら前に進んでいきたいですし、これからも努力を積み重ねながら、スポーツ界に貢献していきたいと思います。


山田:ゲストの皆さん、本日は本当にありがとうございました。

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