【野球】ノックは守備力強化に重要! 種類や打ち方のコツ、練習方法を解説
野球の練習において、守備練習として最も代表的なのがノックではないでしょうか。守備が上手なチームはノックを打つノッカーも上手なものですが、ノックを正確に打つのは高い技術が必要です。どのようにすれば、質の高いノックを行えるようになるのでしょうか。
ここでは、ノックの重要性や種類、ノック練習でゴロやフライを上手に打てるようになる練習方法などについてご紹介します。
【目次】
■野球におけるノックの重要性
ノックは、野球における守備練習のひとつです。ノックを打つ人をノッカーと呼び、片手でバットを、もう一方の手でボールを持ちます。ノッカーは監督やコーチが務めるのが一般的です。
ボールをトスしたら選手に向けてゴロやフライを打ち、選手が打球を処理して送球する、というのがノックの一連の流れになります。
ノックの特徴は、実戦に近い感覚で練習できることです。ボール処理の方法やバウンドへの対処、送球を始め、走者がいることを想定してゲッツーや中継といった連係プレーを確認することもできます。
実戦的で質の高い練習ができる反面、多くの場面を想定してボールを打つ必要があるので、ノッカーには狙った所にボールを打ち切る高い技量が要求されます。
■ノックの種類
野球のノックは、練習方法や練習する守備位置に応じていくつかの種類に分けることができます。代表的なノックの種類と、それぞれの基本的な流れをご紹介します。
・内野ノック
内野手の守備練習のために行われるのが内野ノックです。ファースト・セカンド・サード・ショートと、ピッチャー、キャッチャーが練習に参加します。ただし、ピッチャーは練習内容によっては参加しない場合もあります。
内野手によるボール回し、ゴロ捕球から1塁への送球プレー、併殺プレー、バックホーム送球、キャッチャーフライの順に行われるのが、基本的な流れです。3塁手から順番に、時計回りでノックを行います。
・連続ノック
内野手を対象に行われるノックの一種で、少人数の選手に対して連続してノックを行います。送球を排除することでインターバルを短くしており、守備範囲の強化やショートバウンドのような球際の強化、体力の向上が見込める練習方法です。
・外野ノック
レフト・センター・ライトの外野手に対して行うノックです。ゴロやフライを捕球してから2塁への送球、3塁への送球、バックホームというのが基本的な流れになります。
この練習も、内野ノックと同じくレフト側から時計回りの順に行うのが一般的です。
・シートノック
シートノックは、内野手や外野手、ピッチャー、キャッチャーなど、各選手がそれぞれのポジションについて行われる、実戦を想定したノックです。プロ、アマチュア問わず、試合前のウォーミングアップ目的で行われています。
最初に、内野と外野がそれぞれ個別にノックを行います。それが終わったら外野手がレフトから順番に外野ノックを行い、次に内野がバックホーム練習を行うというのが基本的な流れです。
シートノックは、各ポジションの選手が守備位置について行う練習です。自分のプレーだけに集中しがちですが、連携やボールが飛んだ際の動き方の確認などを、1球ごとにチーム全体が行うことで、より効率的な練習にすることができます。
■ノックの打ち方のコツ
ノックを打つノッカーの良し悪しは、守備練習の質やチームの守備力そのものに直結します。ノッカーをする機会がある方は、ノックの打ち方のコツを覚えておくと良いでしょう。ノックは、トスを上げる、ステップを踏む、ボールを打つという3つの流れで行いますが、トスの高さやバットの軌道は、どのようなボールを打ちたいかに応じて異なります。
ゴロやフライ、キャッチャーフライなど、打ちたいボールに応じたノックのコツをご紹介します。
・ゴロの場合
ゴロを転がしたい場合は、ボールのやや上側をバットで叩くことを意識することが大切です。バットは水平方向にスイングするレベルスイングか、上から下に振り下ろすダウンスイングだとゴロを打ちやすくなります。
バウンドが高いゴロを打ちたい場合は、ボールの上部をダウンスイング気味に打つのがコツです。一方、ライナー気味の強いゴロを打つ時は、レベルスイングでボールの真ん中近くを打ち抜きます。通常のバッティングとは異なり、重心は前にかけるようにしましょう。
どちらのゴロも実戦ではよくあるパターンなので、必要に応じて打ち分けができるようになることをおすすめします。
また、トスを高く上げ過ぎると、ボールを打つ際に目線がズレやすくなるので、少し低めに上げるようにするのがおすすめです。
・フライの場合
外野フライの場合、バットの軌道は水平のレベルスイングになるように意識してください。アッパースイングの方がフライは上げやすくなりますが、ラインドライブ気味の回転がかかってしまいます。外野手の定位置まで飛ばすのが難しくなるうえ、飛ばせたとしても打球の質は良くありません。
最初にレベルスイングでボールのやや下を捉えるように打ち、ボールの上がり方を確認しましょう。上がり方が足りない場合は、更にボールの下を叩いて調整します。ボールを打つポイントを確認できれば、多少アッパースイング気味に出しても、しっかりと高いフライを打ち上げることができます。
外野フライの際は、トスは少し高めに上げるようにしましょう。また、フライは遠くに飛ばす必要があるので、ゴロよりも力が必要になります。しっかりと振り切る意識を持つのもコツのひとつです。
・キャッチャーフライの場合
ノッカーのほぼ真正面に上げる必要があるキャッチャーフライは、ノックの中でも特に打つのが難しいです。まず、トスは顔の高さくらいを目安に、しっかり真上に上げるようにしましょう。ボールの真下を打ちやすくなるため、フライを真上に上げやすくなります。
トスを上げて上体を真上に傾けたら、できるだけ高い位置でボールをアッパースイングですくい上げるように打ちます。上体の傾きが少ないと、バットコントロールのみでボールを打つことになってしまい難易度が上がるため、体を傾ける意識を持ちましょう。ただし、体を傾けすぎると体を痛める可能性があるので注意が必要です。
■ノックを上手に打つための練習方法
ノッカーは、ある程度正確にボールを打てなければいけません。ノックを打つ練習を繰り返し、狙ったコースにボールを打ち切れるようになることが大切です。まずは、ボールをバットの芯に当てることを意識して打つことを心がけてください。
ノックを上手く打つためには、ボールを上げるトスの位置を安定させることも重要です。トスを安定させることで、バットの出し方も安定するので、打球も狙った所に飛ばしやすくなります。
ネットに向けて打ち込み練習を行うなど、トスとバッティングの練習を繰り返して自分が打ちやすい位置を把握し、その位置にボールを上げられるようにすると、ノックも自ずと安定します。
また、トスを上げる手は、自身が打ちやすいと感じるなら右手・左手どちらでも構いません。ただし、どちらかに統一して練習を行った方が良いでしょう。
■ノックでチームの守備力を鍛えよう
上手にノックを打てるノッカーがいるチームは、高い質の守備練習が行えます。ノッカーが上手であるほど、チームの守備力向上につながると言い換えることも可能です。
上手にノックを打つためには、トスの上げ方やボールの打ち方といったコツを押さえて、練習を繰り返す必要があります。トスやバットの出し方を体に覚え込ませれば、難しいキャッチャーフライなども上げられるようになるでしょう。
コツを押さえて、上手なノックができるように準備し、チーム全体の守備力を向上させられるようにしましょう。
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