ミズノ&アシックス 野球スパイクシューズ2022年モデルを徹底レビュー!【後編】
さて今回は前編に引き続き、試打会に参加しているスポーツデポスタッフの吉田さんと蟹江さんに、アシックスのスパイクシューズをレビューしていただきました!
後編は、アシックス ネオリバイブ4 / ゴールドステージ MA / ゴールドステージ I-PRO MA-S を比べてみます。
それぞれのシューズの特徴を掴みつつ、まず蟹江さんに金歯スパイクであるネオリバイブ4とゴールドステージ MAの違いを、また合成樹脂製のスタッドスパイクであるゴールドステージ I-PRO MA-Sは吉田さんにも加わっていただき、金歯とスタッドの違いやおすすめポイントなどをお伺いしました。
■アシックス ネオリバイブ 4
ネオリバイブ 4は、金歯のスパイクに加え前足の外側にスタッド(樹脂)を配置した「足に優しいスパイク」。
金歯でありながらも、外で踏ん張るところにスタッドを配置することで、体の負担を極力減らしているというところと、金歯の部分を一部スタッドにしていることで、軽さも出しているというところがポイントです。
なかでも最大の特徴は、中敷を外すと踵の部分にオレンジ色のクッション材があることです。中学生になると金歯のスパイクが使えるようになりますが、ポイントスパイクから金歯のスパイクに変えた時に、踵からガーンと躓いてしまったり踵を痛めてしまったりすることもあるので、そういった負担を軽減するためにクッション材を入れているスパイクになります。
また、金歯も適度に削れるようになっていることで、足の成長もどんどん変わっていく中学生などに履いていただきたいという狙いもあるそう。金歯の耐久性が持ちすぎると、足のサイズとシューズが合わなくなるため、そのあたりの配慮もされている作りになっています。
価格的にも、初めて金歯スパイクを履く人には大変おすすめの一足です。
■アシックス ゴールドステージ MA
ゴールドステージ MAの特徴は、金歯の配置がより推進力を生みやすい形になっていて、ネオリバイブ 4と比べると、より前へ進みやすいスパイクです。
また、スパイクが削れていると試合でのパフォーマンスが落ちてしまいがちですが、金歯の耐久性もネオリバイブ 4の約2倍ほど強いので、「削れにくい」という特徴があります。
アシックススパイクの全体の特徴ですが、スパイクが「逆Y」の形になっていて、それが見えなくなってくると買い替え時という目印になっています。
■アシックス ゴールドステージ I-PRO MA-S
ゴールドステージ I-PRO MA-Sはスタッド(樹脂)を採用したスパイクということで、体への負担が少ないのが最大の特徴です。
さらに金歯と比べても1本あたり4gほど軽くなるので、多く配置しても重さが出にくい、まさに「軽さに特化しているスパイク」。現状のアシックスのスパイクの中でトップクラスの軽さを誇っており、エントリーモデルのスパイクと比べると35〜40gほど軽くなっているので、スピードを求める選手、特に守備の一歩目であったり、盗塁のスタートを切る選手など、俊敏性を求める選手にもってこいのスパイクになります。
また、つま先には通常のp革と呼ばれる補強材よりも強い素材を使っています。そのためp革が不要の商品で、そのp革分の重さも加味したグラム数になっているのが注目ポイント。p革は通常片方にしか付けず、左右で重さが変わってしまうところですが、ゴールドステージ I-PRO MA-Sは両方付いているので、体のバランスも非常に良い状態でプレーできます。
アシックス ネオリバイブ4 / ゴールドステージ MA を蟹江さんがレビュー!
――アシックス ネオリバイブ 4とゴールドステージ MAのグリップの違いはどうでしたか?
ネオリバイブ 4は金歯+ポイントのサブスタッドで複合になっているので、突き上げ感がゴールドステージ MAに比べて少なく、足の負担が少なかったです。
ゴールドステージ MAは、全部金歯になっているためグラウンドを噛む力が強く、しっかり蹴ることができました。
――安定感に違いはありますか?
横方向の動きに対して、ネオリバイブ 4に比べればゴールドステージ MAの方がしっかり止まって姿勢をキープできるため、安定感はゴールドステージ MAの方が高いです。
――軽量性はどう感じましたか?
ネオリバイブ 4も従来のスパイクに比べてかなり軽く感じましたが、ゴールドステージ MAはさらに軽いです。履けばすぐに違いが分かりますね。
――疲れにくさに違いは感じられましたか?
ネオリバイブ 4も軽いので疲れにくいですが、さきほども言ったようにゴールドステージ MAはさらに軽いので、例えば野球で9イニング集中しないといけない、となった時に集中できる度合いとしてはゴールドステージ MAの方が長持ちするんじゃないかと思います。
――フィット感を比べると、どうでしたか?
フィット感は、そこまで違いは出なかった気がします。足型にもよりますし、自分は足が細いというのもあるかもしれませんが、個人的にはどちらかというとゴールドステージ MAの方がアッパーが柔らかいので、楽に履けると思いました。足幅が広くても馴染んでくる、といった感じです。
――ネオリバイブ 4と ゴールドステージ MAは、それぞれどんな人におすすめですか?
例えば誘われて野球をすることになった方や、久しぶりに始めようという方などは、ネオリバイブ 4を選んでいただければ金具が少なくポイントが多いので、足の負担は軽減できるかなと思います。足の負担が少ない=スタミナを維持できることにもつながっていきますし。スタミナが切れてしまうと、怪我の元にもなりかねませんから。
また、野球を続けていく方にはゴールドステージ MAでステップアップしていくというか、ちょっといいシューズを履いて差がつけられる、ワンステップ上のステージでプレーしていくためにもおすすめですね。
一言で言うと、ネオリバイブ 4は「価格も含めエントリーしやすいスパイク」、ゴールドステージ MAは「試合9回まで集中力を持たせるスパイク」といったところでしょうか。
スタッドスパイクのゴールドステージ I-PRO MA-Sと金歯スパイクとの違いを、蟹江さんと吉田さんがレビュー!
――合成樹脂製のスタッドを採用したゴールドステージ I-PRO MA-Sを履いてみて、率直な感想は?
蟹江さん:
野球のスパイクというと金歯のイメージがあって、スタッドのスパイクはどちらかというと小学生とか中学生のイメージでしたが、 ゴールドステージ I-PRO MA-Sはすごく安定していて、高いレベルでこれだけ金歯と似たパフォーマンスを出せるというのはびっくりしました。
吉田さん:
僕もイメージが先行してしまっていて、「金歯のほうが上級者」のような、パフォーマンスが良くなるイメージがあったのですが、実際に反復横跳びなどをしてみても、正直スタッドと金歯で回数が変わらず動きも良く、どちらでもいいパフォーマンスが出せたので、意外というか驚きました。
――練習で使う時と試合で使う時をイメージした際、違いは感じられますか?
蟹江さん:
金歯は中央に歯が寄っていますが、ゴールドステージ I-PRO MA-Sは外側にもスタッドがあり、小回りが効く=外回りしないので、余計な力がいらない感じがしました。全体を通して見ると、スタッドの方が楽になるという印象ですね。
吉田さん:
僕も似たような感じなんですけれど、やっぱりスタッドの配置をパッと見ただけでも安定感の違いが分かるし、履いた感じの突き上げ感も、スタッドの方が足の負担が少なかったと思います。
なので、1日を通して野球の練習をするのであれば、スタッドの方が疲労も溜まりづらいんじゃないかなと感じました。
――ピッチャーの観点から見た場合、どんな感触がありましたか?
蟹江さん:
ピッチャーだとプレートを踏みながら立つわけですが、外側にしっかりとスパイクを配置してくれていることですごく安定して立てるので、例えば右投げの場合は余分な力が右足に乗らなくて済みます。脱力していけるというか、無駄に力まずに済む=知らないうちに削られていくスタミナも少なく済む。ピッチャーとしてはこの安定感は素晴らしいです。
――ゴールドステージ I-PRO MA-Sは、どんな人に履いてもらいたいですか?
蟹江さん:
ピッチャーをやっていて、金歯にこだわりがないのであれば、スタッドのゴールドステージ I-PRO MA-Sを履いてもらった方が絶対に楽ですね。先ほども言いましたが、何より安定して立てますから。片足で立った時に、バランスをスタッドの方がサポートしてくれるので、本当に楽です。全然違いますね。
吉田さん:
僕は疲れにくさを感じたので、僕はけっこう扁平足で疲れやすいんですけれど、僕のようなタイプの人は練習時は金歯よりもスタッドの方がいいんじゃないかなと思います。蟹江さんも言っているように、ゴールドステージ I-PRO MA-Sは安定感があるため、立つ時、動く時に余分な力を入れずに地面にしっかり立てるので。
――逆に、ゴールドステージ MAのような金歯スパイクシューズはどんなメリットがありますか?
蟹江さん:
推進力は、金歯の方があります。蹴る土の量は金歯の方が多いのかな、と。つまり、しっかり蹴ることができているということなので。走力や脚力を最大限に活かしたい、スピードも求めるのであれば金歯がいいと思います。
逆に「脚力は自信があるから多少パフォーマンス落ちても大丈夫、それよりもスタミナを重視したい」という人であればスタッドソール、という印象です。
吉田さん:
僕も同じように思っていて、「一歩目の蹴り出しの時、力のかかり方がしっかり伝わっているな」というのは金歯の方が地面を掴めている感が感じられるので、内野手の人であれば試合では金歯を使って、練習では疲労を溜めないようにスタッドを使って…など、使い分けをしてもいいのかな、と思います。やっぱり膝や腰やふくらはぎへの疲労感が違うというか、1日ずっと金歯を使って練習をすると足がパンパンになってくるんですね。突き上げ感の違いは少なからずありますから。
以上、2回に渡ってお届けした、ミズノ&アシックス 野球スパイクシューズ2022年モデルのレビューでした。
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