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baseball2022.06.24

【野球】クロスファイヤーの特徴とは? 投げるメリットや注意点も解説

野球中継を観たり、野球関連のニュースを読んだりしている際に、「クロスファイヤー(クロスファイア)」という言葉を見聞きしたことがあるかもしれません。特に左投げのピッチャーと右打ちのバッターが対戦した際に聞かれる言葉ですが、具体的にはどのような意味なのでしょうか。また、クロスファイヤーを投げるには、どのような点に注意すれば良いのでしょうか。
ここでは、野球におけるクロスファイヤーの特徴やメリット、投げる際のポイントなどをご紹介します。

 

【目次】

■野球のクロスファイヤーとは?

■クロスファイヤーのメリット

■クロスファイヤーを投げる際のポイント

・インコースに投げ切る

・体の開きを抑える

・速いボールを投げる

■クロスファイヤーを強力な武器にしよう

 

■野球のクロスファイヤーとは?

野球のクロスファイヤーとは?

 

野球のクロスファイヤーとは、ピッチャーが利き腕とは対角線上のコースに投げ込む投球のことです。ホームベースの上をボールが斜めに横切る軌道を描き、ボールの軌道が十字に交差(クロス)する投球術と言い換えることもできます。
左投手の場合は右バッターのインコース(内角)に、右投手の場合は左バッターのインコースにボールを投げる投球術で、球種としてはストレートなどの球速が出るボールを使います。

本来は右投手が対角線上にボールを投げるのもクロスファイヤーといえますが、一般的には「左投手が右バッターの内角にストレートを投げること」を指すことが多いです。
左投手の場合、クロスファイヤーを使えるようになると投球の幅が大きく広がります。特に、ボールに角度をつけやすいスリークォーターやサイドスローといった投球フォームのピッチャーは、クロスファイヤーを取り入れてみるのも良いかもしれません。

 

■クロスファイヤーのメリット

クロスファイヤーには、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。左投げのピッチャーがクロスファイヤーを活用するメリットとしては、以下のような点が考えられます。

1.ボールに角度をつけられる
クロスファイヤーで投げたボールは、打者の体に向かって食い込むような軌道を描きます。右投げの投手が内角に投げるストレートよりもボールに角度がつき、打者がのけ反るような格好になってもストライクを取れる可能性があります。
仮に打者が打ちに来たとしても、ボールに威力があれば差し込んで凡打にできる確率が高いです。

また、クロスファイヤーによる内角攻めを上手に使えば、バッターはインコースを意識するはずです。アウトコース(外角)側のボールもいきるようになるなど、ストライクゾーンを広く使うことにもつながるでしょう。

2.バッターがあまり慣れていない
右投手に比べると、左投手は絶対的な数が少ないです。左投手からの内角をえぐるボールを見慣れていないバッターが多く、打ちにくさを感じやすいことも、クロスファイヤーのメリットといえます。

 

■クロスファイヤーを投げる際のポイント

クロスファイヤーを投げる際のポイント

 

左投手にとって、クロスファイヤーは非常に大きな武器になる投球術のひとつです。しかし、使い方を間違えるとバッターに長打を打たれる危険性もあります。クロスファイヤーを有効活用したい場合は、投げ方のポイントを知っておくことが重要です。
ここからは、左投手が右バッターに対してクロスファイヤーを投げる際のポイントを3つご紹介します。左投げのピッチャーの方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

・インコースに投げ切る

クロスファイヤーは、角度をつけたボールでバッターの内角をえぐることで効果を発揮します。デッドボールを恐れず、思い切ってボールを投げることが重要です。
正確なコントロールは必要ですが、「ストライクを取ろう」と思ってストライクゾーンの四隅を狙いすぎるのではなく、腕を振ってインコースに投げ切ることを意識しましょう。

また、クロスファイヤーで投げたボールは、ホームベースに到達する手前でストライクゾーンの真ん中付近を通ります。中途半端な角度のボールだと、バッターは少し早めにスイングしただけで長打にできてしまう可能性があるのです。
「ボールになっても良いからバッターの内角をえぐる」という意識を持って、ホームベースの角を狙うようにしましょう。

この時、プレートの立ち位置を一塁側に寄せると、さらに角度をつけたボールを投げやすくなります。

 

・体の開きを抑える

効果的なクロスファイヤーを投げる際は、体の開きを抑えることも重要です。ボールに角度がつく分、体の開きが早いとボールの出所がバッターから見やすくなり、打たれる可能性が上がります。
ギリギリまで体を横向きのままにして、ボールの出所を見づらくするのが、効果的にクロスファイヤーを使うコツです。

また、体の開きが早いとリリースポイント(ボールを放す位置)も早くなり、ボールがシュート回転したりコントロールが定まらなかったりする原因になります。シュート回転したボールは球威が落ち、内角に投げたつもりでも真ん中に変化してしまうなど、長打を打たれる危険性が高いです。

利き腕とは反対の、グローブを着けている側の肩の回転を抑えることを意識しましょう。左投げの場合、右足が着地した段階で右肩の前がキャッチャーから見える場合は、体の開きが早いです。
自分ではわからない場合は、チームメイトなどに確認してもらうと良いでしょう。

 

・速いボールを投げる

クロスファイヤーは、ピッチャーなら誰でも投げられるわけではありません。バッターの内角にボールを投げるため、回転数や球威のない中途半端なボールだと、長打を打たれるリスクが高まります。
コントロールが悪く狙った場所に投げ切れない場合は、真ん中に甘く入って長打を打たれたり、相手選手にぶつけてデッドボールになったりすることもあるでしょう。
球威やスピードのあるストレートを投げられることに加え、インコースを確実に狙えるコントロールや度胸が重要です。

また、クロスファイヤーを多用し過ぎると、相手チームにコースの傾向がばれたり、バッターの目が慣れたりして効果が薄くなってしまいます。例えば、野球では「迷ったらアウトロー(外角低め)を攻めろ」などといわれることもありますが、アウトローだけ投げ続けていたら必ず相手選手も狙いを絞って来るはずです。
確実にアウトを取りたい場面で使用する、見せ球としてクロスファイヤーを活用して最後はアウトコースで勝負するなど、使い方を工夫することも大切です。

 

■クロスファイヤーを強力な武器にしよう

相手バッターの内角をえぐれるクロスファイヤーは、ストライクゾーンを左右に大きく使えるようになる投球術です。投球の幅を増やせたり、威力のあるボールで凡打にできたりと、使いこなせれば非常に強力な武器になりえます。
一方で、デッドボールや長打につながる恐れがあるため、内角に投げ切れるだけの正確なコントロールや度胸、威力のあるボールが欠かせません。また、通常の投げ方に比べて肩に負担がかかるといわれることもあります。体に無理のない範囲で練習を始めると良いでしょう。

スリークォーターやサイドスローといった角度をつけやすい投球フォームの選手は、クロスファイヤーが絶大な威力を発揮することも考えられます。投球のバリエーションを増やしたい方は、クロスファイヤーに挑戦してみてはいかがでしょうか。

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