テント泊で登山をより楽しもう! テント泊の魅力や必要なアイテムなどをご紹介
日帰り登山の経験を積み、テント泊を伴う登山に挑戦してみたいという方はいらっしゃるはずです。しかし、宿泊を伴う登山は、テントやシュラフ(寝袋)、数日分の食料といった装備を背負わなければいけません。荷物の重量が増えるため、事前準備をしっかりと整えてから挑戦することが大切です。では、テント泊登山の際はどのようなアイテムや準備が必要なのでしょうか。
ここでは、テント泊登山の魅力や必要なアイテム、事故防止のために注意したいポイントなどをご紹介します。
【目次】
■テント泊を伴う登山の魅力
テント泊登山は、用意する荷物が増えるため、日帰り登山よりも準備が大変です。しかし、時間の関係で日帰りでは行けない山にも挑戦できるようになります。行動範囲が広がり、遠くの山やコースタイムが長い山も楽しめるようになるのは、テント泊登山の大きな魅力です。
宿泊を伴う登山は山小屋泊でも行えますが、山小屋泊は周囲の人に合わせて行動することが多くなるはずです。一方で、テント泊なら自分のペースで行動しやすくなります。少し疲れているから睡眠時間を長めに取る、長い距離を歩きたいから早めに出発するなど、体調や目的に応じて予定を調整できる点も、魅力のひとつといえるでしょう。
また、視界を遮るものが少ない稜線上にテントを張って一夜を過ごすのであれば、星空や朝日といった美しい景色を眺めることもできるはずです。
山小屋泊や日帰り登山に比べると苦労は多いですが、自身の力ですべてを行う達成感を楽しめるのも、テント泊登山ならではの魅力といえます。
■テント泊で必要なアイテム
テント泊を伴う登山を快適に過ごすためには、日帰り登山とは異なるアイテムが必要になります。まずは、テント泊で必ず用意しておきたいアイテムを確認しておきましょう。
・テント
当たり前ですが、テント泊を行うにはテントが欠かせません。一般的なキャンプなら自動車で荷物を運べますが、登山の場合は自分で背負って持ち運ぶ必要があります。できるだけ軽くコンパクトかつ、耐久性に優れたテントを選ぶのがおすすめです。
また、テントには自立式や非自立式、シングルウォール、ダブルウォールなどの種類があります。初心者の方は、居住性が高いダブルウォールで、設営が簡単な自立式のテントを選ぶと良いでしょう。寒い時期に挑戦する場合は、冬用のものを選ぶと安心です。
・シュラフ
アウトドアシーンの夜では、天候や気温の変化、地面からの冷気など、普段とは異なる環境にさらされます。テント泊で快適に眠るためには、シュラフも欠かすことができません。
シュラフは、形状から布団に近い感覚で眠れる「レクタングラー型(封筒型)」と、体への密着性が高い「マミー型(人形型)」の2種類に大きく分けられます。登山シーンでは、携帯性や保温性に優れたマミー型のシュラフを用意するのがおすすめです。
シュラフを選ぶ際は、使用できる気温の目安も確認しておく必要があります。商品によって保温力は異なりますが、迷ったら保温力の高い商品を選ぶのがポイントです。保温力が高いシュラフを用意しておけば、寒くて寝られないという事態を防げます。
ただし、保温力が高いものほど中綿が多く、重量が増す点に注意が必要です。シーズンや登る山に合わせて、保温力の異なるシュラフを使い分けるのも良いでしょう。
また、シュラフ単体だと地面の凹凸や底冷えを感じて寝付けないことも考えられます。敷布団の役割を果たす、マットも用意しておくと便利です。
・燃料やバーナー
テント泊登山では、多くの場合焚き火を行えません。お湯を沸かしたり調理に使ったりする燃料やバーナーの用意は必須です。燃料不足に陥るのを防ぐために、慣れないうちは少し多めに燃料を持って行き、徐々に量を調整していくことをおすすめします。
グループ登山の場合は、大きめの鍋なども使える五徳が大きいバーナーを用意しておくと便利です。一方、ソロ登山や調理に手間をかけないのであれば、五徳が小さく持ち運びに便利な一体型のバーナーを用意すると良いでしょう。
燃料はバーナーに適したものを用意する必要がありますが、登山ではパワーや扱いやすさに優れる「OD缶(アウトドア缶)」タイプの燃料が使われることが多いです。
■テント泊を伴う登山の注意点
テント泊を伴う登山は、日帰り登山にはない危険も多くあります。怪我や事故を防ぎ、安全に登山を楽しむためには、注意点も確認しておきましょう。テント泊登山の際に注意したいマナーやポイントをご紹介します。
・指定地以外でテントを張らない
主要な山岳エリアでは、テントを張れる「キャンプ指定地」が定められています。原則として、テントはキャンプ指定地に張りましょう。予約は基本的に不要で、管理している山小屋で受付を済ませてから設営を行うのが一般的な流れです。
また、キャンプ指定地のスペースは限られています。混雑が予想される登山シーズンは、間隔を詰めてテントを設営することを心がけましょう。グループ登山の場合は、一人ひとりがバラバラのテントで寝泊りする行為もマナー違反です。少しでもスペースを確保できるように、できるだけ1つのテントを使うようにしてください。
・荷物が重くなる点に注意
テントやシュラフ、数日分の食料や燃料など、テント泊登山は日帰り登山よりも荷物が重くなります。荷物が重くなる分歩行ペースが遅くなったり、疲れやすくなったりするはずです。
重たい荷物を運びながら、山を登り切るための体作りは欠かせません。荷物を背負ってみて、近場の低い山などを日帰りで登ってみるのも良いでしょう。
ただし、荷物が重くなるのを嫌ってむやみに軽量化にこだわると、食料や燃料が足りない、快適に寝られないなど、行動に支障をきたす恐れがあります。まずは一度アイテムを揃えて、徐々に必要なアイテムを見極めていくのがおすすめです。
また、重たい荷物を背負うと足元がふらつきやすくなります。しっかりした作りの登山靴の用意も大切です。
・テント設営の練習も必須
テントの設営に手間取ってしまうと、調理や食事、休憩時間などが減ってしまいます。アウトドア初心者の方は、事前に自宅などでテント設営を行っておき、手順やコツを確認しておきましょう。
また、テントの設営に加えて、基本的な登山の技術を身につけておくことも大切です。軽登山などで必要な知識や技術を蓄えてから、テント泊登山に挑戦してみてください。
■初めてのテント泊はどの山で行うべき?
テント泊登山は、自分の体力やレベルを把握したうえで登る山を選ぶことが大切です。初心者の方がテント泊登山で登る山を選ぶ際は、以下の点を確認しておきましょう。
【初心者におすすめの山やキャンプ指定地の選び方】
・登山口までのアクセスが良く、キャンプ指定地までの距離も短い
・キャンプ指定地に荷物を置いたまま山頂を目指せる
・キャンプ指定地の近くに山小屋や水場などが整備されている
以上のポイントを踏まえてテント泊を行う山を決めれば、荷物を長時間背負ったり水が使えず不便に感じたりすることは少ないはずです。
■テント泊でいつもと違う登山を楽しもう
日帰り登山よりも多くの山に挑戦できるのがテント泊登山の魅力です。しかし、前提として登山の経験を積んだり、必要なアイテムを揃えたりと、準備を万全に済ませておく必要があります。
テント泊にチャレンジしてみたいと考えている方は、今回ご紹介したコツや注意点を参考に、アイテムを揃えてみてはいかがでしょうか。
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