ピーター・スタッペン(プーマ開発担当者)が語る『次世代のサッカーシューズの進化論』
一瞬でゲームの流れを変えることができるプレーヤーのために、ピッチ上でまさかを生みだすことができるために開発されたスパイク「FUTURE(フューチャー)」。これまでにないパーフェクトなスパイクを目指して “俊敏な動作(FAST)”“完璧な履き心地(FIT)”“極上のコントロール(FEEL)”をコンセプトに作られた「PUMA ONE(プーマワン)」。それぞれの最新スパイクが発表された。
開発を担ったピーター氏にインタビューを敢行し“次世代のサッカーシューズ”の特徴について語っていただいた。
ピーター・スタッペン
チームスポーツ フットウェア プロダクトライン マネージャー
――FUTUREの商品特徴 、 開発のポイント 、 どういったプレーヤーに向いているか?
ピーター:FUTUREが向いているのは、アントワーヌ・グリーズマンやマルコ・ロイスのように試合の流れを変えられる選手や誰にも真似のできないプレーをする選手です。フィット感ですが、PUMA ONEより少し幅が広くなっていて、アッパーはevoKNIT PROという素材で全体がネット状に編まれています。進化したNETFITテクノロジーによりフィット感のカスタマイズが可能です。さらに3D立体フレームが内蔵されていることにより極上のボールタッチを生み出すことができます。
――ONEの商品特徴 、 開発のポイント 、 どういったプレーヤーに向いているか?
ピーター:PUMA ONEが向いているのはダビド・シルバやアクセル・ヴィツェルのような試合をコントロールできる選手や中盤のマエストロです。彼らはPUMA ONEを象徴するような選手たちです。PUMA ONEはモダンなハイブリットスパイクで、つま先エリアには非常に柔らかいカンガルーレザーを採用しています。そしてそのレザーの下はシリコンで補強されていて、さらにevoKNITソックとFUSEFITを組み合わせて足首周りのフィット感を実現しています。
アウトソールには日本のグラウンドのような固いグラウンドでのプレーに適した素材を使用しています。またFUTURE同様、軽さと柔軟性と耐久性を実現する素材を採用しています。フィット感についてはFUTUREより少し幅が狭くタイトになっています。
――グローバルな視点で日本のサッカースパイクについてどう思いますか?
ピーター:日本の市場は世界的に見て、とても重要だと思います。ヨーロッパに続いて、世界で2番目に大きな市場だと考えています。私たちもそこを真剣に狙っていこうと思っています。さらに、ニーズがとてもはっきりしています。日本には、スパイクに(機能性などを)求める土のグラウンドが数多く存在します。これが他のマーケットにはない日本のマーケットの特徴(明瞭性)です。
――人気のあるスパイクとそうでないスパイクの決定的な違いは何ですか?
ピーター:それは難しい究極的な質問ですね。スパイクの人気度を定義することは、顧客の需要を満たしているか、しっかり足に合うかどうかにより、人によって異なると思います。そのため、私の足にとって良いが、あなたの足には合わないということもあり、この靴は良い・悪いとは言い切ることはできません。
――重要なことはフィットですね。
ピーター:そうですね、買うと決める前に試しに履いてみることです。そこから自分にあったスパイクを探して、それがプーマのスパイクだということを願っています。
――近年、ほとんどのスパイクはソックス型の靴ですが、このスタイルは好みですか?
ピーター:そうですね、(そのスタイルは)市場で生まれて、仮に他のブランドのものを見ても、同じようなニット構造をしています。私たちもここにあるフューチャーのように素晴らしいニット・ソック構造を搭載したプロダクトがあります。これはとても創造的で、伸縮性によるフィット感は良く、正しいくるぶしの位置にフィットします。アウトソールには固いグラウンドでのプレーに適した素材を使用しています。軽く、柔軟性があると同時に耐久性もある素材です。
――これまでの中で、どのスパイクやシリーズがお気に入りですか?
ピーター:その時の最新作は、いつでも私のお気に入りですね。なぜなら、その商品には目標に対する沢山の改善が詰まっているからです。そのため、私たちは悪いところと良いところを、かなり分析し調べています。良い部分は残し、悪い部分は改善する。できる限りベストな製品を提案しようと努めています。
――アルペングループとのプロジェクトや取り組みについて教えてください。
ピーター:プーマにとって、アルペンはキーパートナーとして、とても重要で、かなり前から世界的なレベルで、良い影響を与え合っています。そのため、アルペンとプーマはとても強い関係を築いています。
――スポーツデポ 小牧店に伺った時の印象はどうでしたか?
ピーター:とても良い印象を受けました。まず、商品の品揃えが豊富で、地域に密着したお店つくりが良かったです。また店員さんがとても有能で、親しみのある方たちでした。それがとても印象に残っています。
――将来的に、アルペングループに期待することはなんですか?
ピーター:私たちはアルペンが上手くいくことを願っていますし、アルペンがプーマの手助けをしてくれることも願っています。なぜなら、アルペンとマーケットシェア含め成長したいですし、アルペンの中でプーマブランドをしっかりと確立したいと考えています。
――ヨーロッパサッカーの視点から日本人選手の評価はどうですか?
ピーター:日本人選手はよくなってきていると思います。彼らはとても戦術的、技術的に優れていると言われています。日本のサッカー選手の未来は明るいと思いますし、たくさんの選手がヨーロッパやレベルの高いリーグに行くことになるでしょう。そこから日本のサッカー界は利益を得ることができると思います。長谷部選手はブンデスリーガに10年以上在籍していて、特別だと思います。日本代表でもキャプテンを務めてワールドカップに3大会出場したので、特別な選手です。
――今後の PUMA Football Boots の進化について教えてください。
ピーター:PUMAの未来は明るいと思います。さらに素晴らしい商品を、今も多数開発中ですし契約チームや選手も増えています。今後もPUMAから目を離さないでいてください、PUMAなしではサッカーの発展はないでしょう。