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golf2020.08.28

【生声をお届け! Salon de 女子プロ】Vol.2 渡邉彩香プロ・「ゴルフ5レディスへの意気込みを語る」

ツアー会場から、女子プロたちの生声を不定期でお届けする「Salon de 女子プロ」。今季の女子ツアー初戦となる「アース・モンダミンカップ」で約5年ぶりに優勝した渡邉彩香プロへのインタビューの2回目は、試合の無い日の過ごし方や、4戦目の「ゴルフ5レディス プロゴルフトーナメント」への意気込みなどを語ってもらった。

――今回の新型コロナによる自粛の期間を含めて、試合が無かった日は、どのように過していたのですか。

自粛中はだいたい実家に居て、練習をやっていました。トレーニングジムは自粛中は休みだったのですが、お願いして午前中にトレーニングを続けさせてもらっていました。午後はゴルフ場(函南ゴルフ倶楽部)で、一般のお客さんが居なくなったタイミングでコースに出てラウンドしたりとか、ゴルフ場の練習場でショットやアプローチ、パッティングの練習をしていましたね。

――以前はスクワットで100~120キロという、女子アスリートとしてはトップクラスの重さを上げていたと聞きましたが、今は?

今は100キロを越える重さではやっていません。80キロくらいで、回数を多くする方向でやっています。

――スイング面では昨年から中島規雅コーチの指導を受けていますよね。

はい。キャディの川口淳さんの紹介で、去年のアース・モンダミンカップから見てもらっています。

――デビュー直後から数年間は好成績を挙げ「世界で戦える大器」と言われていましたが、その後、スイング的にどのような問題が起こっていたのですか。

デビュー直後は思いきりも良く、自分の持ち味である飛距離も活かせていたので、結果(成績)も良かったのかなと思います。でもその後、全米女子オープンなど世界のメジャーに出た時に、向こうでは自分の距離のアドバンテージもそんなに感じることがなかったし、セッティングも厳しくてショットにより正確性を求められましたから、ショットの技術をもう一段、二段、レベルアップしないとダメだなと感じていました。

――具体的に、ショットをどうしたいと思ったのですか。

自分の持ち球であるフェードの幅が大きかったので、ドライバーショットはもっとコントロールができるようにしたり、アイアンショットはストレートっぽい球種も打てるようにしていかないといけないと思っていました。それでも、スイングを変えるということはせずに、自分の中で、ちょっと球をつかまえようとイメージをすることでそういう球が打てていたので、ちょっとアレンジをしながら打っていたというのが2016年くらいです。

――それが徐々に悪い方向に行ってしまったのですか。

2016年の前半はオリンピックを目指して頑張っていたので成績は悪くなかったけど、ゴルフの調子自体は良くなくて、2016年の後半から17年あたりからはティショットで右にも左にも曲がる球が出るようになっていました。でもその時は、「もう一度、フェード打ちをやり直そう」というくらいにしか思っていなかったのですが、試合でフェードを打とうとすると左に飛ぶイメージが強く、それが嫌だという拒絶反応が起きてしまい、球を左に出せなくなっていたんです。


中島規雅コーチの指導を受け、本来の強いフェードボールが復活した渡邉彩香

――去年の6月から中島コーチの元で、自分の本来のフェードを取り戻すために、どのようなことをしたわけですか。

主にやったことは、『バックスイングでクラブをアウトサイドに上げること』。『ダウンスイングで上体を突っ込ませないこと』。『インパクトはオープンフェースで振り抜くこと』の3つです。それまでは、インサイドにクラブを引いて、リストを使い無理にフェードを打っていたのを、真っ直ぐに構えてアウトサイドにクラブを上げ、肩のタテ回転でクラブを下ろし、左に振り抜けるようになったので、強いフェードが戻ってきました。

――今年のオフは、ショットの調子が凄く良くなっていたそうですね。

はい。凄く良い状態だったので、この状態を(3月の開幕戦まで)しっかりとキープできるようにしようということを考えていました。

――しかし、思わぬコロナ禍で試合の開催中止が続きました。上向きだった調子が下がってしまうという心配はなかったですか。

自分自身、そんなに調子の波というものは気にしないタイプなので、自分の今の良い感触を消さないように、試合が無い間はそれだけを意識していました。

――自粛期間に、何か息抜きはやっていましたか?

好きなサップ(スタンドアップサドルボード)も出来なかったし…。でも家で犬とずっと一緒に過ごせたし、犬とチラッと散歩に行ったりはしていました。息抜きというのは、それくらいですね。あと、自粛期間で試合が無い時に家族でゴルフをよくやりました。私たち(プロ)は試合の時にはスタート前にティペッグが置いてあるのを持って出るのですが、試合の中止が続きティペッグが無くなってしまったので、ゴルフ5に買いに行きました(笑)。

――数試合終わった段階で、新たに課題とかはでてきましたか。

アースモンダミンでは振り感がどんどんアップして、ショットの距離が試合中に伸びていたので距離のコントロールをしきれなくて、特にショートアイアンのミスがちょっと多かったんです。今後は、自分の振り感のイメージと距離やラインを合わせていくことを課題に調整していきます。

――今シーズン、始まる前と始まった後ではシーズンの目標が変わりましたか。

シーズンに入る前は、まず一つ勝ちたいというのが目標だったんですけど、第一戦で勝つことができたので、またここから新たに目標を設定して頑張りたいと思っています。とりあえず、シーズンが長いので年内に、もう一回勝って、来年の続きのシーズンに繋げていきたいと思っています。

――昨年の「ゴルフ5レディス プロゴルフトーナメント」は、スイングの矯正に取り組み始めて3か月後の大会で、初日はノーボギーで『68』でしたが、何か手応えを感じたりしましたか。

久しぶりの良いスコアだったので、すごく嬉しかったですね。あと、ゴルフ5レディスあたりから中島コーチに教わっていたことが、試合で少しずつ出来るようになり始めたので、「今、やっていることは間違っていないんだな」と思えるようになった試合だったかなと思います。


「ゴルフ5レディスでは、バーディ合戦になってもしっかりついていきたい」と意気込みを語る渡邉。今シーズン、さらなる活躍が期待される

――ゴルフ5レディス プロゴルフトーナメントには、どういう印象をもっていますか。

暑い時期の大会で、開催コースの「みずなみ」はけっこうアップダウンもあるので、体力勝負になるというイメージがありますね。

――印象に残るホールはありますか。

インコースのスタートホールの10番は、打ち下ろしで2オンも狙える短いロングホール(471ヤード)なんです。もちろん簡単に乗せることは出来ないと思うけれど、ロングホールを大事にして、バーディを狙っていきたいと思います。

――試合で思い出すシーンなどはありますか。

毎年、開催コースが変わる形式の大会で、そういう意味で凄く愉しみですし、勉強になる試合です。特に覚えているコースは、北海道の美唄コースです。コースは樹がほとんど無くフラットな丘陵コースで、浮島のショートホールがあったりとか、日本にはあまり無いような雰囲気のコースだったので、すごく印象に残っていますね。

――今回のゴルフ5レディス出場にあたっての意気込みをお願いします。

「みずなみ」は距離的にはそんなに長いという印象は無いので、多分、バーディ合戦になると思います。今のドライバーの調子をキープして、バーディ合戦にもしっかりついていけるようにしたいです。


新型コロナウィルスの影響で開幕が大幅に遅れた2020年シーズンだが、初戦は渡邉彩香の5年ぶりの復活Vで幕を開け、2戦目はツアー参戦2試合目にしての初Vを19歳の笹生優花が達成した。厳しい状況の中スタートした女子ツアーだったが、蓋を開けてみれば話題に事欠かない内容で、今後の展開に大きな期待が寄せられる。

そしていよいよ『ゴルフ5レディスプロゴルフトーナメント』が9月4日から6日まで開催される。晩夏から初秋にかけるこの時期はトーナメントが熱くなる時期でもあるが、世にたくさんのニュークラブがお目見えする時期でもある。ひょっとすると女子プロ達がニューギアを武器に熱い戦いが繰り広げられるかもしれない。ゴルフ5レディスと今期2勝目を狙う渡邉彩香に要注目だ。


■ゴルフ5チャンネルでライブ配信実施
9月2日の練習日から9月6日の大会最終日まで、YouTube『ゴルフ5チャンネル』でライブ配信を実施。スタート前・ホールアウト後の選手インタビュー、練習場からのリポートに加えゴルフ5所属プロの練習ラウンドにも密着する。さらに、出場プロによる人気クラブメーカの秋の新作モデル試打もお届けする予定。是非、チャンネル登録を!


■ニューギア情報
渡邉彩香プロが信頼を寄せるギアメーカー、プリヂストンスポーツよりTOUR B X。
ドライバーがこの秋発売される。8月28日より全国のゴルフ5で試打が可能となった。こちらも要チェックだ。

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