【フィッティング・ルポ】Vol.5 その曲がり、ライ角のせいかも?アイアンのライ角調整フィッティング事例を紹介
フィッティングというとドライバーの話と思っている人が多いが、ゴルフ5の本格フィッティングはアイアンも充実している。
アイアンの場合は、モデルのチョイスだけでなくライ角の調整も重要なポイント。プロや上級者が軟鉄のアイアンを選ぶのは、ネックを曲げられるためライ角調整が容易だからという要因もあるくらいで、ライ角が自分に合っていないせいで球が曲がっているアマチュアは意外に多く、疎かにはできない。
そんななか最近、テーラーメイドのアイアンがライ角調整をして購入することができるようになった。ライ角調整可能なのは、SIMグローレ、P770、P790、P7MC、P7MBの5モデルで、ゴルフ5各店舗に±2度の範囲でアップライト・フラットに変更可能な試打用のヘッドが揃ったことで、実際にライ角違いを試打して選ぶことができるようになった。(※P7MBに限りライ角違いの試打用は無し)
そこで今回はアイアンのライ角調整事例を2つ紹介する。
SIMグローレ、P770、P790、P7MC、P7MBの5モデルがライ角調整に対応。±2度の違いを実際に打って比較することが出来る。(※P7MBに限りライ角違いの試打用クラブは無し)
1件目はゴルフ5プレステージ広尾店での豊田世菜フィッターの事例。「SIMグローレ」のライ角を2度アップライトにして提案したケースだ。
「このお客さまは、重心距離短めのセミキャビアイアンをお使いで、平均で80台くらいの腕前でしたので自分で球をつかまえて打てる方だったのですが、不調時には左に低く引っかけるミスが出ていたそうです。今回、アイアンを新調されるにあたりある程度飛距離もほしいし少しやさしめのものがいいとのことで、SIMグローレをご提案しました」(豊田さん)
このお客さまの引っかけは、強めのフェースターンのタイミングが合わずフェースが返りすぎてしまったときに出るミス。豊田さんがSIMグローレを提案したのは、それを解消する意図もあったという。
(写真上は未調整)あえてライ角を2度アップライトに調整することで自然に球がつかまり、フェースを無理に返す動作が消え引っかけのミスが出なくなったという(写真下)。
「SIMグローレは、もともとつかまりがいいので、あまり自分で積極的にフェースターンをしなくても球がつかまります。それに慣れていただければ、少しフェースターンを抑えたスイングでもしっかりつかまった球で、しかも従来のアイアンよりも飛距離も出せるはずで、お悩みの引っかけは出なくなるはずです。また従来のスイングがアップライトでしたので、ライ角をそれに合わせることで気持ちよくスイングできるクラブをご提案できたと思います」(豊田さん)
ゴルフ5プレステージ広尾店の豊田世菜さん。女性らしい細かな気づきと高いコミュニケーションスキルでお客さまの悩みに真摯に向き合う接客が人気。
2件目はゴルフ5プレステージ日本橋店の鶴田慶一フィッターの事例。「P770」を1度フラットにして提案したケースだ。
最近練習量が増えて上達しスコアもよくなってきているので、それに合わせてアイアンを買い替えたいと来店。飛び系のポケットキャビティアイアンからセミキャビティアイアンのP770の買い換えだったが、フラットなライ角を提案した鶴田さんの意見に、最初は疑心暗鬼だったという。
(写真上は未調整)ライ角をあえてフラットにしてフェースが返りすぎない状態にすることで、フェースローテーションが促進されプッシュアウトも解消されたという(写真下)。
「お客さま自身は、プッシュが出ているのにフラットにしたらもっとつかまらなくなるのではないかと不安だったようですが、実際に一度フラットなものを試打していただいたら納得していただけました。このお客さまは、もともとアップライトなアイアンをフラットに振っているせいで、引っかけを嫌がってフェースが開き、プッシュアウトが出ていたんです。ライ角を軌道なりのフラットに合わせることでこの動きを消したら、プッシュアウトが出なくなりました」(鶴田さん)
ゴルフ5プレステージ日本橋店勤務の鶴田慶一さん。圧倒的なクラブの知識とフィッティング経験が生み出すセッティングは、お客さまの悩みを魔法のように解消すると評判
ライ角調整はアイアン選びの基本だが、左に行くからフラットに、右に行くからアップライトにという単純な話ではない。お客さまのスイングをしっかり見て適正なライ角で提案できる
ゴルフ5
の本格フィッティングに、テーラーメイドの新しいライ角フィッティングシステムがうまくハマった好事例と言えるだろう。