ボディドリルでスイング中の体の動きを知ろう!【チーフ稗田のレッスン・俺にまかせろ!】Vol.7
ゴルフ5アカデミーのチーフインストラクター稗田猛プロとスイングの基本を見直すレッスン。シリーズ第7回目はスイング中の体の動きにフォーカスした、ボディドリルを教えてもらう。
ゴルフ5アカデミーのチーフインストラクター稗田猛プロ。一般アマチュアへの指導に加えジュニアの育成にも力を入れている
ゴルフスイングは複雑なので、どんな動きをすべきなのか全体像がつかみにくい。そのためまずは、体の動かし方とクラブの動かし方を分けて考えるのがおすすめだと稗田プロは言う。今回は、その体の動きに注目する。
体の動きを学ぶには、右手を左肩、左手を右肩に当てるように腕を胸の前で交差させた状態でシャドースイングをするのがおすすめだ。まずはこれで下半身と胴体の動きだけを考えていこう。
「バックスイングはとくに体をしっかり動かすことが重要です。手だけでひょいとクラブを担ぎあげてもそれっぽいバックスイングになりますが、これこそが“手打ち”の元凶。上体を右方向にしっかり回転させてバックスイングしましょう」
ポイントはお尻や骨盤を右に回すイメージ、もしくは右肩を後ろに引くようなイメージでバックスイングすること。そしてトップでは左肩が右ひざの真上に来るくらいまで回転させよう。
【OK】左肩が右ひざの上に来るまで上体をしっかり右に回す
【NG】動きすぎると必要以上に体を揺さぶる「スウェー」という動きになってしまい、動きが不足すると逆体重になりやすい
「トップでは、下半身の回転量よりも上半身の回転量のほうが大きくなるので、上下にねん転差ができます。ダウンスイングでは、このねん転差をほどかずに保つイメージでお尻から左回転を始めましょう。上半身や腕からダウンスイングを始めてしまうとねん転差がほどけてしまうのでエネルギーロスになりますし、カット軌道になってスライスの原因にもなります。ダウンスイングの左方向への回転をおへそが引っ張ってくるイメージを持つといいかもしれません。ただし、おへそが上を向くと前傾姿勢がほどけてしまうので、お腹を下に向けたまま回転するように注意してください」
おへそがダウンスイングをリードするイメージ
そしてフィニッシュはしっかり左足に乗ってバランスよく立てるところまで回転し切ることが大事。フィニッシュでは左足に90%以上の体重が乗っている状態まで持っていきたいと稗田プロは言う。
「フィニッシュは右足がめくれて足の裏が見えるところまで十分に体を回し、左かかとで体を支える感じです。スイングを正面から撮影しても背中がしっかり見えるところまで、ベルトのバックルが目標方向を向くところまで回転してください」
左足かかとに乗って背中が見えるところまで回り切ることが大事
スイング中は、かかと側に体重が乗ってしまうとバランスが崩れて前傾がほどけやすいし、かといってつま先側に乗りすぎてもスムーズに回転できない。足の裏の前側、母指球あたりにバランスよく乗って余計な前後動を抑えることが重要だと稗田プロ。
「前後の体重のバランスは、練習場のゴムマットの段差などを利用して素振りをするとイメージしやすいと思います。下の写真のように、マットの段差からかかとが出るように立って、そのままスイングします。とくに前側に強く体重をかける必要はありませんが、かかとに乗ると段差から落ちてしまいます」
練習場のマットや自宅の玄関マットなど、厚みのある敷物の段差などを利用するとよい
「腕を振らないボディドリルは、スイングを身につけるための基本中の基本です。自宅でも安全にできる練習ですので、ぜひやってみてください。ポイントはまずちゃんと体を回して大きく左右に動くこと。バックスイングで右に乗り、ダウンスイングで左に乗るという体重移動を感じてください。その感覚がわかったら、軸を安定させてスウェ―を抑え、スムーズに回転できるように。そして動きのタイミングへと段階的に意識を広げていくことが上達のカギですよ。