タイトリスト「TSi」シリーズを全部打ち比べ!4兄弟はどこが違う?誰に合う?を、伊藤元気プロが徹底解説!
今年3月、タイトリストから2021年モデルのドライバー「TSi1」と「TSi4」が発売されました。これによってタイトリストのドライバー「TSi」シリーズは、「TSi1」から「TSi4」までの4モデルがフルラインアップで出揃ったことになります。
昨年発売された「TSi2」「TSi3」は、フェースに採用された新素材「ATI425チタン」の効果で、ソフトな打感と高い初速性能を両立させ話題となりましたが、ニューモデルの「TSi1」「TSi4」も同様にフェースに「ATI425チタン」を用いており、「飛んで打感がいい」という最大の特徴を引き継いでいます。
「TSi」シリーズ通して新素材「ATI425」というチタン合金をフェースに採用
オーソドックスなアスリートモデルながら、投影面積が大きくオートマチックで直進性の高い「TSi2」と、引き締まったシャープなヘッドに高い操作性を備えた「TSi3」に加え、「TSi1」は軽量モデル、「TSi4」は430ccの小ぶりヘッドモデルということで、強い個性を持った2モデルが加わった「TSi」シリーズ。今回はその個性派4モデルを伊藤元気プロに試打してもらい、率直なインプレッションを語ってもらいました。
まず最初は、新発売の「TSi1」。ワッグルするなり「これは軽い!」と驚く伊藤プロ。
「これはヘッドもシャフトも軽いですね。これならヘッドスピードが落ちてきたシニア層や、あまりパワーのないアベレージゴルファーでも問題なく使えそうです。タイトリストというとアスリートモデルという印象が強いと思いますが、これなら誰でも扱えます。いい意味で『タイトっぽくない』ドライバーですね」(伊藤プロ)
軽量モデルの「TSi1」は深重心で重心角が大きく、つかまりの良い設計
シャフトは40g台のS、ロフトは10度のモデルだが、総重量は273gとかなり軽量。
早速打ってみると、高弾道のつかまった球が出ました。
「すごい!球がつかまるし上がる!50m/sを超えちゃう僕のヘッドスピードだとさすがにシャフトが負けちゃうしスピンも増えすぎますけど、40~43m/sくらいの人ならつかまった高弾道が打てると思います。打感はキンキンしていなくてやわらかいし、顔もよくて構えやすい。こういったところにはちゃんとアスリートが喜ぶポイントがあるのもいいですね」(伊藤プロ)
空気抵抗が減少するヘッドシェイプも、振り抜きの良さを実現する要因のひとつ
軽さの効果はヘッドスピードアップに大きな効果が期待できそうです。実際、伊藤プロが適正ヘッドスピードに抑えてしてスイングしようとしても、意図した以上にスピードが出てしまっていました。飛距離が落ちてきている人は、試す価値があるでしょう。
続いて打ったのが「TSi2」。昨年発売された2モデルのうち、弾道直進性が高いほうのモデルです。
「『TSi1』よりは明らかに重いですが、それほどハードそうな印象はなく、構えてヘッドが大きく見えるし、ほどよくつかまりそうですごくいい顔をしています。僕はこういう顔、好きだなあ」(伊藤プロ)
ミスヒットの許容性が高い「TSi2」は、投影面積が大きく安心感のあるヘッド形状に
伊藤プロが打つと、曲がらないまっすぐの弾道で、300Y越えのビッグドライブを連発。やや芯を外した球もパワーロスせずにボールが前に進み、飛距離の低下がなかったのが印象的でした。
「構えた顔どおり、球がほどよくつかまって、しかも前に行く強い球。打感もしっかりしていて、何より曲がらないですね。タイトリストにしては、かなりオートマチックなドライバーだと思います。『TSi1』よりは少しヘッドスピードがほしいですが、42~43m/sくらいの方なら問題なく打ちこなせそうです」(伊藤プロ)
ストレートな弾道を実現する直進性と、ほど良い操作性を両立したモデル
続いて打った「TSi3」も昨年発売されたモデル。ヘッド体積は460ccながら構えた印象が「TSi2」よりも小ぶりに見えてシャープな印象です。
「これは打感が最高にいいですね!構えた顔のシャープさどおりヘッドの操作性も高いし、プロや上級者が好みそうなドライバーです。シャフトは純正だと僕にはちょっとやわらかいですが、しっかりしたシャフトを入れたらかなり飛ばせそうです」(伊藤プロ)
「TSi2」よりさらに操作性が高められた設計の「TSi3」
伊藤プロはそう言いながらも、純正シャフトで318Yのビッグドライブを出しており、ヘッドのポテンシャルの高さが発揮されています。
「ヘッド後方のウェイトを調節することで重心位置も変えられるんですね。そういった意味でも、オートマチックな『TSi2』に対して、『TSi3』は自分で操って飛ばすドライバーということは言えると思います」(伊藤プロ)
重心位置が調節可能な可変ウェイトを、ヘッド後方に搭載
最後に手にしたのは、今年新発売の「TSi4」。こちらはヘッドサイズ自体が430ccと他モデルよりもひと回り小さく、明らかに小ぶりに見えます。
「ヘッドが小さい!いまどきこういうドライバーはめずらしいですね。少しリーディングエッジが出っ張っているような顔で、左には一切行かなさそうな顔。すごく構えやすいです」(伊藤プロ)
430ccと小ぶりなヘッドサイズで、超ロースピン設計の「TSi4」
実際に打ってみると、トータルで322Yという最長不倒距離が出ました。バックスピン量が2000rpmを下回るほどの低スピン弾道で、力強いボールでした。
「これは、ソールのウェイトが前(フェース側)にあることからも、完全に低スピンヘッドですよね。いまので1800rpmくらいかな。僕の好きな強い球で、すごく飛んでる。つかまらないヘッドなのかなと思ったら、小ぶりで操作性が高いせいか、自分でしっかり球をつかまえられるので、つかまらないわけではない。自分の技術で飛ばせるドライバーって感じですね」(伊藤プロ)
浅重心&低スピンのヘッド設計で、叩けるパワーヒッターに最適
ヘッドサイズは小さいながら、慣性モーメントはある程度確保されており、オフセンターヒットに弱いということもありません。いまどきのドライバーにしっくり来るモデルがないと言う人は、ぜひ試してみてほしい個性派ドライバーと言えそうです。
「ひと通り打ってみましたが、『TSi1』と『TSi2』はつかまりがよく、『TSi3』と『TSi4』は左に行かないという特徴はハッキリ出ていました。まずつかまるヘッドを好む人で、ヘッドスピードが遅めの人や高弾道を求める人は『TSi1』、しっかり振っていきたければ『TSi2』というチョイスがいいでしょうね」(伊藤プロ)
「重量的に重めがいい人は『TSi2』『TSi3』をベースに、つかまりとオートマチック性を求めるなら『TSi2』、左に行かない安心感とコントロール性を求めるなら『TSi3』。そしてとにかく低スピンを求める方や、小ぶりヘッドが好きな方は『TSi4』ということになると思います。4モデル、どれも個性的で、誰にも必ず1本は、ベストマッチのドライバーが見つかると思います」(伊藤プロ)
ゴルフ5の店舗
では、今回登場した4モデルの試打クラブを取り揃えています。「TSi1」と「TSi4」は「タイトリストセレクトストア」限定商品ですが、対象のゴルフ5なら試打・購入できます。ぜひ、ゴルフ5に試打にいらしてください!
<伊藤元気プロのタイトリスト「TSi」シリーズ試打動画はこちら>