【ショートアプローチ・左足下がりバンカー越え編】バンカーを超えてナイスオン!穴井詩プロ&川満陽香里プロのショットテクニック
ゴルフ5所属プロたちの宮古島での合同合宿。穴井詩プロと川満陽香理プロの練習ラウンドにゴルフ5マガジン取材班が密着していたところ、「これってどう打てばいいの?」という状況に遭遇した。ボールを前に、穴井プロ、川満プロがどうやって打ったらうまくいくか、お互いの意見を出し合いながら相談しつつ、アマチュア向けにアドバイスをくれたので、その内容を紹介しよう。
宮古島、エメラルドコーストゴルフリンクスのINコース、場所は12番パー3。
2人ともティショットをナイスオンさせてグリーンに向かう途中、グリーン左サイドをカートで通過したときのことだ。
穴井プロが、グリーン左のバンカーのさらに左のライを指し、「ここからだったら、どう打つかな?」と川満プロに投げかけた。
バンカー越えで、しかもボールのライは左足下がり。距離はピンまでは20ヤードほど、エッジまで15ヤードほどだが、縦長のグリーンの横方向から狙う形で、エッジからピンまでが近く、使えるグリーン面が狭い。
左足下がりのバンカー越え、グリーンの幅も狭い超難シチュエーションだ
「これってすごく難しいけど……考えられるのは2パターンだよね。球を上げてエッジギリギリくらいに落として高さで止める方法と、低めの球でグリーン手前に1~2クッションさせる方法。詩さんならどうします?」(川満プロ)
「試合なら、確実にバンカーを越えるように打つことだけ考えて、ワンクッションを選ぶかな。手前で食われて止まっちゃうリスクもあるし、それを嫌がってキャリーが大きいと止まらずオーバーしちゃう。でも大きなミスになるリスクはこっちが低いよね。だけど個人的には上げるアプローチのほうが好きなんだよなあ(笑)」(穴井プロ)
「私も悩むけど、やっぱり安全策でワンクッションかな」(川満プロ)
そう言って打った川満プロのアプローチは、グリーン手前にキャリーし、そこで球の勢いがうまく殺されてグリーンに乗り、トロトロとピンに寄っていった。
これは超ナイスアプローチ!
川満プロはSWで低く出し、グリーン手前にワンクッションさせる打ち方でベタピン!
「球を上げようとはせず、左足体重で、ボールは右寄りに置くのですが、あまり球が強くなるのもイヤなので、番手はロフトの多いSW。このロフトをこれ以上立てないように、でもフォローを低く出していくのがポイントです」(川満プロ)
球を上げようとせず、フォローを低く出す。バンカーだけは確実に越えることを考えよう
一方穴井プロは上げて止める打ち方にトライ。
「ロブショットのイメージですよね。うまくいけばベタピンも期待できますが、ショートはイヤなので、少しオーバーしても仕方ないと考えて打ちます。ダフッてバンカーに落とすのは最悪ですから、ゆるまないように注意して、覚悟を決めて振り抜きます」(穴井プロ)
「上げるほうが好み」という穴井プロは、ロブショットにトライ
スパッと振り抜いて上がった球は、ピンの少し手前に落ちたが、ライがラフだったせいもあり止まり切らず、ピンを4~5mオーバー。
「あれで合格点。ビビッてショートするよりいいです。球を上げるほうがしっかり振れるので、ここみたいに抵抗の大きいラフから打つ場合は、私はそのほうが安心なんです」(穴井プロ)
ボール位置はほぼ真ん中。フェースを開き、スタンスを広めにとって目標よりも左を向いて構える。そしてカット軌道というよりも、イン・トゥ・インのイメージで、大きなアークで思い切って左に振り抜くのがポイントだと穴井プロ。
手首のコックを使ってヘッドを走らせ、ロブショットのように振り抜いていく
「今回私はうまく寄せられましたが、こういう難しいシチュエーションは欲張っちゃダメです。ギリギリを狙うのではなく、マージンを取って『ボギーでも仕方ない、でもダボにはならないように』と考えて、割り切ることが大事。そのほうが後悔は少ないですよ」(川満プロ)
今回はプロならではのテクニックも見せてもらったが、アマチュアも普段から「こういう状況だったらどうやって寄せよう?」とイメージトレーニングをしておくのがアプローチ巧者への近道。つねに複数の選択肢を用意し、自分なら何ができるか、どうすればいちばん確率が高いかを考える習慣をつけよう。