マッスルバックが難しいとは限らない!「ヒールヒッターにおすすめ」なんてどこにも書いてなかった!【グッと深掘りゴルフギアVol.1・ミズノプロ221編】
ゴルフ5プレステージの腕利きフィッターたちがフィッティングの現場で気づいたギアの“深~い話”をお届けする連載【グッと深堀りゴルフギア】。第1回で取り上げるのはミズノのマッスルバックアイアン「ミズノプロ221」だ。
ミズノの軟鉄鍛造アイアンといえば、上級者好みの美しい顔と他のメーカーには真似できない抜群の打感で高い評価を得ており、中嶋常幸や岡本綾子、若き日のタイガー・ウッズをはじめ、長年にわたって多くの名手たちに愛されてきた。
その最新モデル「ミズノプロ」のシリーズのなかでも、マッスルバックの「ミズノプロ221」は顔、打感、そして操作性においてその最高峰といえるモデルだ。これらは上級者が求める機能を満たしたアイアンだけに、一般的なアマチュアにとっては「難しくて到底使えない」と思われがちだが、実はそうとは限らないのだ。
ミズノ独自の「グレインフローフォージド」によって抜群の打感を誇る
というのも、スライスに悩むアマチュアは、打点がヒール寄りにズレがち。そういうヒールヒッターが、「やさしい」といわれる大型ヘッドを使っても、そのやさしさを十分に生かし切れていないケースも多いのだ。
大型ヘッドのアイアンは重心距離が長いぶん、ヒール側に当たったときに芯と実際の打点が大きく離れてしまい、いかに大慣性モーメントといえどもカバーしきれないことがある。
それならば、むしろヘッドが小さめで重心距離の短いマッスルバックのほうがヒールヒット時の結果がいいこともあり得るというわけだ。重心距離の短さがフェースターンを促進してくれるので、(スイングのタイプにもよるが)「やさしい」といわれるアイアンよりもマッスルバックのほうが球のつかまりがいいと感じる場合もある。これはスライサーにとって、お助け要因にもなり得るのだ。
マッスルバックは重心距離が短いぶん、ヒールヒットに強いのは意外に知られていない
加えて言うならば、「ミズノプロ221」はマッスルバックにしては低重心設計でバウンスも少なめ。ロフトの大さと相まって、決して上がりにくいわけではないこともあり、ダウンブローに打ち込めない人にとっても、決して「使えない」アイアンではないのだ。
「ミズノプロ221」はマッスルバックにしては低重心でバウンスも少なめ
もちろん、大慣性モーメントの大型ヘッドアイアンと比べれば芯は狭く、打点を側やトゥ下に外した場合の寛容性は圧倒的に低い。しかしいつもヒールで打っているという人にとっては、「使ってみると意外にやさしい」ということがあるのがこの「ミズノプロ221」なのだ。
「ミズノのマッスルはヒールヒッターにもおすすめ」などとはどこにも書いていないが、打点をアイアン選びの重要な基準の1つと考えているプレステージのフィッターならではの意外な発見といえるだろう。
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