【ゴルフ5レディス2024レポート】試合の見どころPart1 伊藤元気プロ編 球の高さがそろっている選手が上位に来る!
明日から開幕する「ゴルフ5レディス」。会場となる「ゴルフ5カントリーみずなみコース」は、コース全体にアップダウンがあって砲台グリーンも多いレイアウト。こんなコースを攻略するためにはどんな技術が求められるのか。ゴルフ5所属でコースをよく知る伊藤元気プロに聞いてみました。
『YouTube「ゴルフ5チャンネル」でもおなじみの伊藤元気プロに解説してもらった』
「アップダウンのあるコースを攻略するうえでは、平坦なコース以上に『タテの距離感』がカギになります。しかも、ただ正確に距離を打ち分けられるというだけではダメで、高低差によって受ける距離の増減やランの変化をしっかりと計算して、どんなライからでも意図した距離をしっかり打てる技術が必要です。これができないと打ち上げの傾斜に影響されてショートしたり、打ち下ろしで飛びすぎてしまったりというミスが出て、スコアをまとめられません」(伊藤プロ)
『「ゴルフ5カントリーみずなみコース」はアップダウンのあるコース』
こういった高低差による距離の加減を正確に行うには、「高さのそろった球」が打てることが重要だと伊藤プロは言います。
たとえば同じ距離を打つ場合でも、平坦な場所なら低い球でも高い球でもトータルの距離にそれほど大きな差は出ません。低い球はキャリーが減ってもランが多めに出ますし、高い球はキャリーが出るぶんランが減るので、なんとなくトータルではまとまってくれます。
しかし傾斜や高低差がある場合は、平地のようにはいきません。打ち上げを低い球で狙ったら、ボールは早く着地してキャリーがさらに減るうえ、上っているのでランも出ず、大きく飛距離が落ちます。逆に高い球はキャリーの変化が小さく、多少ランが減っても低い球ほど飛距離は落ちません。
球の高さが安定しないと、こういった誤差がショットごとに出て、タテの距離感がバラバラになってしまうのです。
高さがそろえばキャリーもそろう。結果的に高低差に対する距離の増減の計算が立ちやすいのです。
これはアイアンやウェッジだけでなく、ドライバーショットにも求められると伊藤プロは言います。
「とくに今大会は、傾斜に加えて雨の影響で地面がゆるく、ランが出にくいコンディションです。そのためドライバーでもアイアンのように『ここまでキャリーさせる』という明確なイメージを持って距離をコントロールできないと戦えないでしょう。ドライバーからウェッジまで、全番手で高さをそろえ、タテの距離感をそろえられる選手が、上位に入ってくると思います」(伊藤プロ)
『ドライバーショットでも高さをそろえて距離をコントロールすることが大事』
さらに今大会は、雨の影響でグリーンもやわらかくなっています。これは「グリーンに球を止めやすい」という見方もできますが、逆に考えればつねにピンをデッドに狙って奥まで突っ込んでいくショットが求められます。その意味でも、ランまで含めた漠然とした距離感ではなく、正確なキャリーコントロールと、それを可能にする高さのコントロールが重要になってくるというわけです。
『キャリーでピンまで運ぶ距離感が求められる』
伊藤プロは、球の高さがそろう条件は「スイングリズムが一定であること」だと言います。減速はもちろん急加速もなく、静かな力感で始動からフィニッシュまでよどみなく振り切れるスイングの選手。傾向としては、スイングテンポがゆっくりなタイプの選手に多いと言います。
「これは調子のいい選手とも共通するポイント。練習場では、球の高さや選手のスイングリズムに注目してみると面白いと思います」(伊藤プロ)
『練習場で選手の「スイングリズム」も注目』
明日から開催の「ゴルフ5レディス」。
選手一人ひとりが、どのような攻め方をするのかに注目するとより楽しめるかもしれません。