フリーワード検索

golf2024.09.02

【ゴルフ5レディス2024レポート】大会総括。天候に左右された3日間を振り返る

今年の「ゴルフ5レディス」は、4年ぶりに岐阜県瑞浪市の「ゴルフ5カントリーみずなみコース」での開催となりました。コースは川田太三氏設計の18ホールで、今大会は6559ヤード、パー72で争われました。

本戦は8月30日から9月1日の3日間。かねてより九州地方に接近していた大型の台風10号の影響で、指定練習日からコースは雨模様。しかも予報よりも動きが遅いうえ進路が迷走していたため、天気の予測がつかずに開催が危ぶまれるほどでした。

 

『「ゴルフ5カントリーみずなみコース」での開催は4年ぶり』


しかし大会初日は天気予報を裏切る晴れ模様。湿度が高く蒸し暑い気候でしたが、ほとんど雨に降られることなく競技を進められました。

今週は、前週の全英女子オープンに出場した選手や、沖縄での日本女子プロ選手権の予選会に出場している選手などの欠場が目立ちましたが、メルセデスランキングトップの竹田麗央選手や、同じく3位の小祝さくら選手、昨年のチャンピオン櫻井心那選手らの実力者が出場。ここに新人や未勝利選手らが挑むという図式でした。

 

『昨年の優勝者櫻井心那選手も出場』


雨の影響でグリーンはやわらかく、スティンプメーター8・3/4フィートとスピードも遅め。フェアウェイもやわらかく、ランが出にくいコンディションでした。一方でラフは長く伸ばされているうえ水を含んで重く、いかにフェアウェイをキープし、ピンをデッドに狙うかという戦いになりました。

初日5アンダーのトップに立ったのは、ささきしょうこ選手、ウー・チャイェン選手、村田歩香選手の3人。

ささき選手は1996年生まれ。ツアー3勝の実績を持つテクニシャン。ウー選手は2004年生まれの台湾出身。昨年のステップアップツアーで3勝を挙げ賞金女王に輝いた若手のホープです。村田選手はさらに若い2005年生まれの18歳で、昨年プロテストに合格したばかり。レギュラーツアーではまだ予選突破の経験もないツアールーキーです。

初日はこの3人を筆頭に、2打差以内に24人がひしめく大混戦となりました。

 

『村田歩香選手は初日トップタイの5アンダーをマーク』


2日目の天気は予報どおりの雨。さらに朝から雷雲が立ち込めたことで、スタート時間を1時間遅らせて、トップスタートが8:00に変更となりました。

どんどん雨脚が強くなるなか選手たちはスタートしていきましたが、9:34、再びの雷雲接近により中断。この中断の間に雨はさらに強くなり、再開予定を延期。結局12:05にサスペンデッドが決定しました。

この日スタートできたのはアウトコース10組、インコース9組。トップスタートの吉本ひかる選手が2、3、7番でバーディを奪い3つスコアを伸ばして4アンダーとしたほか、小林夢果選手、岡山絵里選手が2つ伸ばして3アンダー、仲村果乃選手、神谷そら選手も2つ伸ばし1アンダーなど、追撃態勢に入ったところでの中断でした。

2日目がサスペンデッドで36ホールに短縮が決まったことで、翌最終日はすでにスタートした選手はその続きから、まだスタートしていない選手はそこから18ホールでの短期決戦と言うこととなりました。

 

『2日目は悪天候。雷雲接近による1時間延期してのスタートとなった』

 

『悪天候のなか、吉本ひかる選手は3つスコアを伸ばして4アンダー』

 

『降雨のためサスペンデッド。短縮となり勝負の最終日へ』


そして迎えた最終日。土曜日とは打って変わって秋晴れです。

早朝からのコースメンテナンスの甲斐あってグリーンやバンカーの状態も回復し、最終日の決戦にふさわしいコンディションとなりました。

午前7:02に試合再開のホーンが鳴ると、各ホールで前日の続きからプレーが再開され、その後アウトコースは第11組から、インコースは第28組からティーオフしていきます。

 

『前日の中断地点からプレーが再開』


スタートダッシュをかけたのは、仲宗根澄香選手。初日を1アンダーで終えたところから、中断前に1つスコアを伸ばしていましたが、この日は再開直後からバーディラッシュ。4、5、6、7番と4連続バーディ発進すると、11、12番でもバーディを奪い、最終日7バーディノーボギーの65でプレーし、ゲームを引っぱりました。

仲宗根選手は1992年生まれ、千葉県出身の32歳。ステップアップツアー4勝の実績を持ちますが、今年はQT上位でレギュラーツアーに参戦。後半戦に入って予選突破の回数も増えており、今大会は今季初のベスト10フィニッシュとなりました。

このほか3アンダースタートの安田祐香選手も5バーディノーボギーで8アンダーまで伸ばしたほか、佐藤心結選手と後藤未有選手も4アンダースタートからさらに4つ伸ばし8アンダーで、3位タイまで上がってきました。

3アンダーからスタートした森田遥選手は、前半5バーディで一時トップタイに並びましたが、15番でダブルボギーを叩き、最終的には6アンダーの16位タイに後退してしまいました。

 

『一時は首位に立ち、最終日前半をリードした仲宗根澄香選手は8アンダーで3位タイ』


森田選手はじめ、前半で大きくスコアを伸ばした選手の多くがインコースでは伸び悩んでいたなか、山内日菜子選手はインコースでも好調を維持。前半4つ、後半でも3つバーディを奪い一時単独首位に立ちます。しかし難関17番でボギーを打って後退。最終的には2位にとどまりました。

山内選手は1996年生まれ。昨年「アクサレディス」で初優勝を遂げ、シード権を獲得して今年はレギュラーツアーで戦っていましたが上位進出はなく、苦しんでいたなかでの2位。健闘ではありますが、勝ち切れなかった悔しさは残るでしょう。

 

『山内日菜子選手は最終日に大きくスコアを伸ばしたが17番ホールのボギーが大きく響き2位』


結局この混戦を制したのは、初日4アンダーで4位タイからスタートした竹田麗央選手でした。

アウトコースを5バーディ1ボギーの4アンダーで回り、10番でももう1つ伸ばしてトップタイに並ぶと、後半は10番のバーディ以後7連続パー。いくつものピンチをアプローチでしのぎ、耐え続けた末、18番で今日7つめのバーディを奪って単独首位でフィニッシュしました。

竹田選手は2003年生まれの21歳。ツアー2年目の今年、6月の「KTT杯バンテリンレディス」で初優勝すると翌週の「フジサンケイレディス」でも勝って2週連続優勝。その後「ブリヂストンレディス」「北海道meijiカップ」と4勝を挙げてメルセデスランキング首位を走り、この「ゴルフ5レディス」で今季5つめの勝利でした。

上位選手の多くが後半スコアを伸ばせず苦しむなか、パーを重ねて耐え、最終ホールでバーディフィニッシュ。実力の高さを見せつけるような勝ち方でした。

 

『今季大飛躍の竹田麗央選手。今後の活躍にも注目』


天候に左右されながらも大混戦模様の中、竹田選手の優勝で幕を閉じた2024年の「ゴルフ5レディス」。

来年は一体どんなドラマが生まれるのでしょうか。

SEARCH フリーワード検索