Reebok ambassador AYA 「変容は、本来の自分でないものを手放すことから」
機能美な肉体の内側にストイックな精神を宿すAYA。その生き様に刺激を受け、彼女のようになりたいと憧れる女性が多い。AYA’s STYLEはどのように確立され、AYAという人間はどのように形成されたのか。クロスフィットとの出会いの裏側と、現在のライフスタイルに迫る。
自分を変えるための新しいチャレンジとは、厳しい逆境に立ち向かうことだけなのか。
「他人軸で生きたくない」そこには本質的な内面の変化があった。
――トレーニングを始められたきっかけ、トレーナーになられた経緯を教えてください。
クロスフィットに出会う前は一般的なジムのインストラクターをやっていました。初めてクロスフィットを体験したとき、インストラクターなのに一回も腕立て伏せや懸垂ができなかったんです。一体いままで何をしてきたんだろうと。クロスフィットにとって、スクワット・腕立て・腹筋は絶対にマストな種目。その3つができてこそ、動ける身体になるためのその他の種目にも取り組めるという前提があって。ちゃんとトレーニングをして、自分の身体で感じたことを伝えていくと決心し、本格的にトレーニングを始めました。もっと振り返ると、もともとずっと運動が大好きで育ってきたので、体育の先生になることを目指していたんです。運動することに目を輝かせている子供が初めて出会う、スポーツを仕事にしている立場のひとは体育の先生の場合が多いと思うのですが、わたしも例に漏れずそうでした。体育の先生になると決めて大学まで過ごしたのですが、大学の進路指導室にいくと、他にも運動に携われる仕事があることを知ったんです。体育教員は小中高で教える幅が決まっていますが、フィットネスというキーワードだと小さな子供からお年寄りの方まで幅広い年齢の方にトレーニングを伝授できるので、大学生の時にはフィットネスの道に進むと決めていましたね。大学生までは動くことを純粋に楽しんでいただけだったのが、本格的に解剖学や身体の仕組みを学ぶ中で、よりその気持ちが強くなったのを覚えています。
――AYAさんがクロスフィットに出会ったのはいつ頃ですか?
8~9年前くらいでしょうか。その頃のわたしは、インストラクターとモデルを両立していました。インストラクターという職業は口頭で指導するのではなく、見本となるようにお客様と共に動くので、自然と筋肉質な身体になります。でも、当時のモデル業界では筋肉は必要とされておらず、細ければ細いほど美しいという条件が求められていて。モデル事務所からも筋肉質であることを改善するために運動を止めることを勧められていたので、一度インストラクターとしての指導を口頭での指導に変えてみたことがあったんですね。そうすると、当時のお客様から見本を見せてくれなくなったと信頼を失ってしまいました。さらに、野菜しか食べずにガリガリになる努力もしましたね。自分なりにうまく両立できるように試行錯誤したものの、モデルの仕事はオーディションで仕事を勝ち取ってこそ。わたしという人間を形成する要素の半分は運動でできていたのに、動くことを無くしてしまっては自分の良さが出せない。外見は周囲が期待するとおりになったとしても、わたし自身は生きてるようで死んでる状態だったんです。自分が何者なのかわからなくなっていた時期でした。そんなときに、アメリカで爆発的に流行していたクロスフィットというメソッドを日本で展開するという機会がやってきたんです。女性を指導する女性トレーナーとして声をかけていただいた時、インストラクターとモデルの狭間でどっちつかずの自分を変えたくて、チャレンジすることを決意しました。クロスフィットを伝授していくメンバーたちとジムに集まり、クロスフィットのYouTube動画を観ながら一心不乱に動いていると、みるみるうちに身体に変化が現れ、できなかったことができるようになっていく。さらに、たまたま見つけたビクトリアズ・シークレットのショーの動画には、日本のモデル業界が求めている体型とはかけ離れた、フィットで美しいボディのモデルたちを目にしました。圧巻でしたね。いかに自分が小さな世界の中で、人に言われたとおりに生きていたのか、と。自分が求められていない世界でどんなにあがいても苦しいだけで、求められる世界で頑張ってみたい。ワールドワイドに物事をみればもっと視野が広がることに気付きました。そして、心身ともに強くなって自分らしく生きようと思った瞬間、全ての迷いが吹っ切れました。美に対する価値観を自分が変えていきたい。そのひとが自分にしかないものに気付いて、それを全面に引き出してあげられるトレーナーになりたい。それがいまのAYA’s STYLEの原点です。
コロナ渦で再確認した自分のミッション。
新しい生活様式の中で冷静に未来を見据えて、意識したこと。
――トレーナーとしての確固たる地位を確立されたAYAさんですが、コロナ禍でスタジオクローズなどの状況変化の中、どのようにご自身の身体を維持されていましたか?
ステイホームの二ヶ月半は、医療従事者の方などお仕事をされている方ももちろんいらっしゃいましたが、多くの方は一気に活動量が減少したんじゃないかなって思うんですね。お家にいる時間は基本座っているか寝転がっているかという体勢の日常生活で、“コロナ太り”という言葉どおり身体が緩んでしまった方が多いのではないかと。実はわたし自身もステイホームから一週間ほど経ったときに、身体を重く感じたりボディラインが緩んできたことを敏感に感じました。なので、わりと早いタイミングで何かの形で家の中で運動できる方法を見つけないと、自分も含め世の中のひとが肥満に陥ってしまうという危機感をもったんです。いまこそ自分のスキルを発揮すべきタイミングだと思い、水を満タンに入れたペットボトルをダンベル代わりに使う動きなど、お家でできるエクササイズを考案しました。それを影響力のある芸能人の友人たちとインスタライブをし、みんなで一緒に運動しようと呼びかけてSNSで発信したんです。いつものAYAのハードなワークアウトを自宅で再現することは難しくても、自分の身体にじっくり目を向ける時間がたくさんあったからこそ、いつもと違うトレーニングを実践していろんな気付きがありました。みんなが同じ状況であることをポジティブに捉えて発信し、どんどん参加してくださる方が増えるにつれて「AYAさんがいるから頑張ろう」と思ってほしいな、という願いを込めて発信するようになっていきましたね。食事に関しては、メニューは変えずとも普段の運動量とは差があったので、ボリュームは減らしました。お料理を盛るお皿を変えるとわかりやすいので、直径24cmだったのもを21cmにして、そのワンプレートにのる量だけ食べるとようにするとうまくコントロールできました。真似できないような凝った料理ではなく、パッと見れば何の料理かがわかるようなメニューであるものの、お野菜とタンパク質が摂れることをベースは考え方にしています。さらに、プレートという真っ白なキャンバスに絵を描くように、彩り良くすると自然と栄養バランスがとれる。このワンプレート方法、よかったらぜひ試してみてくださいね。
――自粛期間を楽しく過ごすために、工夫されていたことはありますか?
本来のわたしは忙しく動いていたいタイプなのですが、お家にいなきゃいけないとなるとそうもいかなくて。テレビやYouTubeばかり観ているとダメ人間になってしまいそうで、自粛期間が明けたらすぐにいつものAYAに戻りたいと思っていたんですね。なので、家の中でもわざと忙しくしていました。トレーニングのプログラミングの時間、料理のストックを作る時間、インスタライブをする時間、リモートでパーソナルトレーニングをする時間など、日常生活に近い忙しさを得られるように、いつも以上に細かくスケジュールを組んで過ごしていましたね。YouTubeを始めたタイミングでもあったので、少し時間が空いたら動画撮影を入れたり、ゆっくりストレッチをする時間を取ったり。どうしてかというと、ダラダラ癖はわりと短期間で身についてしまうということを、学生時代のGW明けや夏休み明けのダメな自分で認識していたから。なにより、仕事柄いつもいい波動でいることが大切だと思っているので、自粛期間明けに人に会ったときに「なんかいいね!」みたないポジティブな言葉をかけてもらえるためにはどうすればいいのか?というのを意識した結果ですね。
自己認識力が自分の人生を楽しむ源泉に。
毎日をエネルギッシュに生きるためのAYA流 HOW TOとは?
――美しいボディラインを保つために日々トレーニングをされていますが、AYAさん流のリカバリー方法やお肌のケア方法はありますか?
以前は派手なトレーニングで追い込んでやるだけだったのですが、自粛期間中に定着したストレッチを日々やるようになりました。自分の身体と向き合う時間を持つことで、硬くなっていたりなかなか伸びない筋肉の存在に気づけたりするので、いまはとても重要性を感じています。あとは、骨折をきっかけに以前から高濃度酸素カプセルに通っていたのですが、通うのが面倒なのと頻度高く取り入れたほうが効果が高いので、ついに吸うタイプの機械を買いました。リカバリーにも疲労回復にもよく、骨折が完治しても使えると思ったので、わたしにとってはとても良い自己投資です。高濃度酸素を吸いながら、酸素を隅々まで行き渡らせるイメージをすると、深い呼吸でストレッチできるんです。そうすると、心身共に緊張感が取れて落ち着いた気持ちで眠れる。思考が忙しいままベッドに入っても、いい睡眠がとれていなかったんだなと実感しています。あとは、トレーニングをして汗をかいてシャワーを浴びる頻度が多いので、肌が乾燥しないようにボディクリームは必ず持ち歩いていますね。こういった、どうしてもやらなければいけないことではないことを習慣化するには、まずその時間を確保するところからですよね。朝と夜両方で時間が作れたらいいとは思いますが、まずは夜の5分だけリカバリーのための時間をつくってみる。ストレッチなら、その5分の中でもまずは上半身だけやるでもいいと思うんです。その日はデスクワークが多かったから肩が凝っているのか、それとも外をたくさん歩いたから下半身が疲れているのか、自分の一日を振り返って身体と会話する時間があるとすごくいいですよね。5分くらいならやってみようかなと思えるし、その時間が心地いいものなら10分、15分と延びていくのではないでしょうか。習慣化のために、まずはスモールステップから、ですね。
――AYAさんの理想の24時間とはどんなものですか?
わたしの場合、まず午前中にしっかりトレーニングをすることです。そして午後は思いっきりスケジュールを埋めて忙しく過ごすことですね。とはいっても毎日それが続くと息切れを起こしてしまうので、3days1restくらいが理想です。24時間というスパンではなく、3日間思いっきり忙しくした後の1日にものすごく幸せを感じます。忙しくて平日の5日間をハードに駆け抜けた週末は、トレーニングをオフにして好きなものを食べて自分を甘やかしていますね。メリハリがあるからこそ、チートデイに食べる好きな食べ物やスイーツが本当においしい。このペースがあるからこそ、わたしは頑張れていると思います。平日の忙しさに身を任せてストイックになることってそんなに難しいことではないので、1週間の中でどう自分のライフスタイルをデザインするか?という考え方の参考にしていただけたらうれしいですね。
Instagram(
@aya_fitness
)より
――いつもおしゃれなAYAさんですが、お気に入りのスポーツアイテムや、コーディネートのポイントはありますか?
最近は、ブラトップとバイカーショーツという短いスパッツに、真っ白のシャツをサラッと羽織って、ゴツめのスニーカーを履くのがお気に入りです。バイカーショーツは半端な丈なので脚が少し短く見えてしまうところはあるのですが、あえてゴロンとしたスニーカーを履くことで足首が細く見えるんですね。その錯覚を利用しつつ、トップスをふわっとしたものにすることでメリハリが生まれて、キレイなバランスになります。これはわたしでなくても皆さん真似しやすいんじゃないかなと思いますね。お腹はいつも出すようにしていますが、これには理由があって。わたしを見てくださっている方に、このファッションをしたいからトレーニングしよう、してみようかなという気持ちになっていただきたいからなんです。食事も同じく、この食事内容は理想の体型になるためのものだと理解してもらえたらいいなと思っていて。自分の体型を隠すようなファッションではなく、自信を持って楽しんでほしいからこそ、そのひとらしさを引き出せるきっかけになるようなスタイルを考えていますね。もともとファッションが好きなのでわたし自身も楽しんでいるのですが、特に好きなアイテムがあります。カラーバリエーションや素材違いで本当にたくさん持っているのが、デニムのジャケット。これだけは、ちょっとした色の差でも欲しくて買っちゃうくらいです。レギンスもバイカーショーツも合うし、デニムにデニムを合わせるのもかわいい。ジャケットなのでブラトップなどのインナーのチラ見せもしやすくて、スポーツウエアとの相性がとにかくいいんです。メンズライクな大きめのものを持っておくととても使えるので、こんなにたくさん持っているんだろうなと思いますね。自宅でもレギンスやホットパンツにタンクトップを合わせたり、あまり締め付けがきつくない緩めのものを着ています。普段飛んだり跳ねたりの上下動や有酸素運動をしてたくさん動いているからこそ胸のケアには気を遣っていて、家にいるときもホールド力のあるものを身につけたり、ナイトブラはマストアイテム。寝ているときは締め付けを感じたくないという方もいらっしゃいますが、ちゃんとケアしておきたいという気持ちが少しでもあれば、嫌ならやめればいいというくらいの気持ちで試してみてもいいものだと思います。それ以外はわたしも布団のフカフカを感じながらリラックスして眠りたいので、気持ちいい格好が一番ですね。
誰でもすぐに日常に取り入れられるヒントやエッセンスがつまった今回のインタビュー。
「そのひとらしさを引き出してあげられるトレーナーでありたい」からこそ第三者視点を常に意識したAYAさんの生き方は、クロスフィットによって確立された強固な自分があるから。これからもAYAさんのライフスタイル注目したい。
Profile
AYA
Fitnessモデル・CrossFitトレーナー・Reebokブランドアンバサダー
著名人のボディープロデュースを手掛ける傍ら、Fitnessモデルとしても活躍。雑誌、広告などに多数出演している。
YouTube「AYA’sファンクショナルLIFE」:
https://www.youtube.com/channel/
UCAZBDPKDUzBVYoXxNa_zxiw
Instagram: https://www.instagram.com/aya_fitness/
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