テニスコートの種類ごとの特徴とは? 違いを知ってプレーにいかそう!
屋内で行うバスケットボールやバレーボールなどと異なり、テニスはいろいろな種類のコートで試合や大会が行われています。テニスコートごとの特徴を知っておくことは、試合の戦略を立てたり、プレー中の怪我を防いだりするうえで重要です。
この記事では、テニスコートの種類やそれぞれの特徴、コートごとに用意したいテニスシューズの種類についてご紹介します。
【目次】
■テニスコートの種類
テニスコートの大きさは規定で定められているため、世界中どこでも同じです。しかし、表面(サーフェス)の材質はコートごとに異なります。材質によって、ボールの弾み方や滑りやすさなどが変わるため、違いを知っておくことが重要です。
一般的なテニスコートの表面は、グラス・クレー・ハード・オムニ・カーペットの5種類に分けることができます。それぞれの特徴やプレー時の注意点などは、以下の通りです。
・グラスコート
グラス(Grass・芝)という名前の通り、コート表面が天然芝で覆われているのがグラスコートです。プロのシーンでは、四大大会(グランドスラム)のひとつ、ウィンブルドン(全英オープン)で使用されています。
芝がクッション性を持つため球速が出しやすい、バウンドが低くなりやすいというのが、グラスコートの特徴です。使われる芝の種類で足元の滑りやすさは異なり、芝が荒れるとイレギュラーバウンドが起こりやすくなります。
球速が出しやすいため、粘り強くラリーを続けるタイプよりも、力強く速いサーブを打てるビッグサーバーや、サーブ&ボレーが得意な選手に有利です。
芝の整備が難しい、限られた期間しか使えないなどのデメリットがあるため、日本ではあまり普及していません。
・クレーコート
クレー(Clay)とは「土」や「粘土」という意味の英語です。名前の通り、クレーコートは表面が土でできています。
四大大会では、フランスで行われる全仏オープンがクレーコートを採用しています。日本で一般的に使われているクレーコートと違い、欧米ではレンガを砕いて作った粉(アンツーカー)が使われていて、赤茶色をしているのが特徴です。
使用する土の質でボールのバウンドやスピード、足元の滑りやすさが変わりますが、一般的には球速が出にくいものの、スピンをかけやすくバウンドが低くなりやすい傾向にあります。ラリーが続きやすいため、打ち合いに強い選手に有利です。
また、雨や風といった天候に左右されやすいのもクレーコートの特徴です。地面が乾いているほど球速が出やすくなり、湿っていると球速が落ちやすくなります。
特に雨が降った後は地面が柔らかくなるため、プレーしにくさを感じるかもしれません。
・ハードコート
アスファルトなどの硬い素材を、ゴムやアクリルでコーティングしたのがハードコートです。世界中で主流となっているテニスコートで、全米オープンや全豪オープンなど、プロテニスでも多くの試合が行われています。
イレギュラーバウンドが少なく、球速はグラスコートとクレーコートの中間くらいになる傾向にあります。コーティングに使う素材で細かな点は異なりますが、弾むボールが速くなるのが特徴で、速いショットや低いスライス、ボレーといったショットが有利になりやすいです。
足元が滑りにくくプレーしやすいですが、クッション性に劣るコートは体に負担がかかりやすいというデメリットもあります。
・オムニコート
オムニコートとは、人工芝に砂を散りばめたコートのことです。コートの乾きが早く天候による影響が少ないため、全天候型と呼ばれることもあります。
ハードコートに比べると球速は遅くなり、バウンドも低いです。また、芝に混ぜる砂の量でバウンドが変化するのも特徴です。
クレーコートに近い特徴を持っているため、打ち合いを長く続けられる粘り強い選手に有利なコートといえます。
雨が多い日本では広く普及しているものの、世界的には珍しいコートで、世界大会でオムニコートが使用されることはありません。
・カーペットコート
カーペットコートとは、主に室内のテニススクールで採用されている屋内コートのことを指します。柔らかい素材でできているので、体への負担が少なく転んでも怪我をしにくいのが特徴です。
ボールのバウンドは低く安定していて、スピードは速くなりやすい傾向にあります。グラスコートに近い特徴を持つコートで、テンポの速いラリーが続きやすいです。
ただし、他のコートに比べて摩擦力が強く、足が引っ掛かりやすい点はデメリットといえます。
■ダブルスとシングルスでのコートの違い
テニスコートは、表面の素材の違いに加えて、シングルスとダブルスでコートの広さが異なる点に注意が必要です。
1vs1で試合を行うシングルスの場合、コートの広さは縦23.77m、横8.23mとなります。コートの外から2本目の「シングルスサイドライン」の内側を使用し、ラインよりも外側でボールがバウンドするとアウトです。
一方で、2vs2で試合を行うダブルスでは一番外側の「ダブルスサイドライン」までを使用し、コートの広さは縦23.77m、横10.97mと、シングルスよりも少し広くなります。
縦の長さやサーブを入れる範囲などはどちらも同じですが、横幅が2m以上変わるので、プレーする際は気をつけましょう。
■コートの種類に適したテニスシューズを用意しよう
グラスコートやクレーコートは滑りやすい、カーペットコートは滑りにくいなど、テニスコートは種類によって特徴が異なります。滑りやすいクレーコートで滑り止め機能がないシューズを履いたり、滑らないカーペットコートで摩擦力の強いシューズを履いたりした場合、転んだり体に負担がかかったりして怪我につながることもあるでしょう。
使用するコートの特性に合わせて、複数のテニスシューズを用意しておくことが重要です。
テニスシューズは、コートの種類に合わせてオールコート用、グラスコート用、ハードコート用など、複数の種類があります。
日本で主に使用されているのは、オールコート用、オムニ・クレーコート用、カーペットコート用の3種類です。それぞれのシューズごとの特徴は、以下の通りです。
【オールコート用】
ソールの溝が浅く、滑りにくいハードコートなどに適しています。クッション性が高いのも特徴です。滑りやすいクレーコートなどを除き、幅広いコートで使用できます。
【オムニ・クレーコート用】
グリップ力が強く、滑りにくいのが特徴です。オムニコートやクレーコートでプレーする際は、必ず用意しておきましょう。
【カーペットコート用】
ソールに溝がほとんどなく、シューズのグリップ力を弱めています。屋内コートでプレーすることが多い方は、用意しておくと便利です。
日本国内でテニスを楽しむ場合は、オールコート用とオムニ・クレーコート用の2種類を用意しておけば、多くのコートに対応できます。
■コートの特徴を理解してプレーにいかそう
テニスのコートは、表面に使われている素材で特徴が変わります。特定の大会で無類の強さを見せるプロ選手がいることからもわかるように、コートの特徴は有利なプレースタイルを左右する重要な要素です。
また、コートごとに適したテニスシューズが変わる点も見逃せません。シューズの種類が合っていないと、怪我やパフォーマンスの低下につながることも考えられます。さまざまな場所でテニスを楽しみたい場合は、コートに適したシューズを用意することが大切です。
テニスコートの種類と特徴を理解して、プレーにいかしてみてはいかがでしょうか。
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