【テニス】スピンサーブが上達する方法とは? コツや構え方なども併せて解説
スライスサーブやストレートなど、テニスのサーブにはいくつか種類があります。その中で、プロの試合でも見ることが多いのが「スピンサーブ」と呼ばれるサーブです。しかし、どのように打てば良いのかわからない、きれいに打つことができないと悩んでいるテニス初心者の方は多いかもしれません。上手にスピンサーブを決めるためには、どのような点に注意すれば良いのでしょうか。
ここでは、テニスのスピンサーブの特徴や打ち方のコツなどをご紹介します。
【目次】
■スピンサーブとは?
スピンサーブとは、ボールに縦回転をかけるサーブのことです。ボールは山なりの放物線を描き、進行方向側の回転(順回転)がかかっているので、サービスボックス(サーブを入れる枠)に入りやすくなります。
サーブの中でも特に安定性が高いため、1本目のサーブをミスして打ち直す「セカンドサーブ」として使われることが多いです。
また、回転がしっかりかかったスピンサーブは、バウンド後にボールが高く跳ねるのも特徴です。相手に高い打点で打たせることができるため、厳しい返球を受けにくくなります。
ただし、威力や回転が弱いと、相手から強いリターンが返って来る点には注意が必要です。
スピンサーブが安定すると、1本目のファーストサーブで思い切ってギリギリのコースを攻めたり、威力のあるボールを打ったりするなど、攻撃的な戦略を立てられるようになります。自分がサーブ権を持つサービスゲームを優位に進めるために、欠かせない技術のひとつといえるでしょう。
■スピンサーブを打つ際のコツ
効果的で安定したスピンサーブを打つためには、打ち方のコツを覚えておく必要があります。スピンサーブを打つ際に意識したいコツを、5つご紹介します。
練習などにも活用できるので、スピンサーブが苦手な方やテニス初心者の方は、ぜひ参考にしてみてください。
・ラケットの握り方
スピンサーブを打つ際は、「コンチネンタルグリップ」と呼ばれる方法でラケットを握ります。ラケット面が地面と垂直になるように持ち上げたら、包丁を持つイメージでグリップを握りましょう。人差し指と中指は少し間隔を空けておくのがポイントです。
コンチネンタルグリップだと、手首のプロネーション(回内)を使えるようになります。プロネーションとは、手首を体の内側方向に回す動きのことです。スピンサーブの際にプロネーションが使えないと、打球時にラケット面が上向きになってしまいます。
・トスの上げ方
スピンサーブは、打点よりもボールが上に進むように打つ必要がありますが、体の前側にトスを上げるとボールの上側を叩いてしまい、打球が下方向に飛んでいきます。
ボールの軌道を高くするために、頭の真上かボール1個分ほど後ろの辺りにトスを上げることも大切です。
ただし、体の後ろ側にトスを上げると、打点が目で確認できずサーブを打ちにくくなったり、体を傷めたりするので注意が必要です。また、トスの高さは個人の好みですが、打点の位置はあまり高くし過ぎない方が良いでしょう。肘が多少曲がるくらいの位置に設定した方が、体を上手に使えます。
上級者になると、トスの位置などを変えることなくサーブを打ち分けられるようになりますが、初心者の方はトスの位置を変え、回転をかけることに集中するのがおすすめです。
・腕の振り方
フラットサーブなどとは異なり、スピンサーブはボールを打ちたい方向にラケットを振るのではなく、上方向に降ります。外側にボールを振り出す感覚で、ラケット面を外側に向けて振り抜きましょう。右利きの方の場合は左から右にスイングし、ラケット面を使ってボールを転がすようなイメージです。
この時、手首とラケットの角度が固定するように意識するのも大切です。手首を使って回転をかけようとすると、ボールが上方向に飛びません。最初はゆっくりスイングして、腕の振り方を覚えるのも良いでしょう。
また、スピンサーブはネットの3倍くらいの高さを通すイメージで打つことも大切です。順回転がかかっているため、普通のサーブと同じ感覚で打球するとネットにかかってしまう恐れがあります。
ボールの描いた軌道の頂点が高いほどバウンド後の弾みも大きくなるので、まずは上方向にボールを打つことを強く意識しましょう。
スピードや回転量に優れたサーブを打つというよりは、ボールを打ち上げるイメージを持った方がわかりやすいかもしれません。
・構え方のコツ
スピンサーブに限らず、テニスのサーブは構え方もポイントです。スピンサーブの際は、ベースラインに沿って体を横向きにする必要があります。ボールがラケット面に当たるインパクトまで体を横向きにしておくことで、縦回転をかけやすくなります。
スピンサーブの構え方のコツや手順は、以下の通りです。
【スピンサーブの構え方】
1.ベースラインに沿って体を横向きに構える
2.トスを頭の上か、体の少し後ろ側に上げる
3.ラケットヘッドが背中の辺りで地面の方向を向くまで、ラケットを引く
4.上方向に向かってラケットを振り上げる
右利きの選手の場合、肩のラインが右斜め上方向になるように意識してみてください。
また、構えの段階で手首を手のひら側に少し曲げておくのもおすすめです。その状態を保ったままスイングを行えば、自然とラケット面が伏せ気味になり、回転とスピードのバランスが取れたスピンサーブになります。
・下半身の使い方
力強いサーブを打つためには、上半身だけでなく下半身の使い方も重要です。膝の曲げ伸ばしを活用することで、体の運動が生み出した力をボールにしっかり伝えられます。トスを上げる前から膝を曲げるのではなく、トスを上げてから膝を曲げるのがポイントです。
利き手側の胸を後ろに引く意識でトスを上げると、膝は自然と曲がり、背中も反るはずです。その後、落ちて来るトスに合わせてラケットを振り抜けば、膝は無意識のうちに伸びます。
この時、膝は少しでも曲げ伸ばしできれば問題ありません。必要以上に膝を曲げすぎるとインパクトのタイミングがズレやすくなるので、あくまで自然に膝を曲げるようにしましょう。
また、両足を向ける方向も重要です。後ろ脚は、内側の側面がボールを打ちたい方向に、前足はつま先が打球方向に向くようにスタンスを作りましょう。このスタンスを作ると、体を横向きにしたりインパクト時に重心移動を行ったりするのが簡単になります。
■スピンサーブを試合で有効活用しよう
テニス初心者の方だと、ボールに回転をかけるスピンサーブに苦手意識を持っている方が多いかもしれません。しかし、ポイントを踏まえて練習を行えば、必ずできるようになるはずです。難しく考えずに、体を自然に使うことを意識すれば、自ずとスピンサーブの打ち方を体が覚えていくでしょう。
確実性が高く安定感のあるスピンサーブは、セカンドサーブの決定率を高めてファーストサーブで攻めやすくなる、上手に決まれば相手の強いショットを防げるなど、メリットの多いサーブです。習得できれば、プレーの幅を大きく広げることができます。
スピンサーブを打てるように練習を繰り返し、試合の戦略の幅を広げましょう。
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