岸本隆一選手(琉球ゴールデンキングス)が語る、B.LEAGUE初優勝の裏側とアンダーアーマーへのこだわり
琉球ゴールデンキングスの主力、岸本隆一選手がスポーツデポ豊崎店のスペシャルトークショーに登場。昨シーズンの初優勝の喜び、そして自身がこよなく愛用するアンダーアーマー商品についての熱い思いを語りました。今回はイベントレポートと独占インタビューの模様をお届けします。
スポーツデポ豊崎店は特別な熱気に包まれていた。ステージのセットアップはすでに完了しており、来場者の期待感溢れるざわめきが響き渡る。スポットライトが一か所に集まり、その中心に琉球ゴールデンキングスの岸本隆一選手が登場。観客からは一斉に歓声が上がった。
トークショーが始まると岸本選手は、昨シーズン琉球ゴールデンキングスのB.LEAGUE初優勝を振り返り、「優勝した時の気持ちっていうのは、人生でも感じたことのないぐらい嬉しさがあり達成感もあり、初めて味わう貴重な体験になりました。みんなで頑張ってきたことが正しかったのかなっていう思いもあったので、すごく誇らしい気持ちになりました」と心の内を明かしました。
その成功の背景には、岸本選手のプレーへの取り組みがありました。「チームとして上向いてきている時は、自分の手応えを感じながらプレーしています。昨シーズンは、スタメンで出ることも多く、それが楽しさだったり、そんな中でも難しさというか、責任感を強く感じていました」と、チームとともに成長することの大切さを語りました。
さらに、愛用するアンダーアーマー商品についての話題も。岸本選手はアンダーアーマーと10年間ともに歩んできたが、「シューズも下着も、アンダーアーマーの商品は基本的にめちゃくちゃいいものだと思っています」と絶賛。
特に注目したいのが、現在、履いている「UAフローフューチャーX3」。「このシューズのグリップは、バスケットしている時のフロアが摩擦する音がすくないのが特徴。特に沖縄アリーナとの相性が良く、パフォーマンス向上にすごく繋がっていると思っています」と、その特性を詳しく解説。
続いて行われたファンからの質問コーナでは、シュートを打つ際の心構えやテクニックについて語った。
「僕が意識しているのは、フォロースルー。リングの輪っかに手が入るイメージを持って打ちます。そして、シュートを打つ際の気持ちの準備がすごく大切。何回外したって、何本でもシュート打ってやるっていう気持ちがすごく大切」と、その情熱を熱く語ってくれました。
来シーズンに向けても岸本選手の勢いは止まらない。「昨シーズンは優勝できたけれど、それは過去のこと。今シーズンはまた違う挑戦になると思っています。優勝を見据えて日頃からハードに練習できたらいい」と意気込みを語り、再びの栄光を目指していることを感じさせました。
トークショーを通して、岸本選手のプロとしての姿勢や大切にしている思い、そしてアンダーアーマーへの愛情が伝わってきました。集まったファンも今後の活躍に期待を抱いた様子でした。
トークショーの後は、集まったファンのお待ちかねの時間へ。ステージ上に岸本選手のサイン入りバスケットボールが6つ並べられ、手に入れるチャンスが6名の幸運なファンに訪れることとなった。会場の中は歓声とともに期待が高まり、その緊張感が皆を包み込みました。
「じゃんけん大会、スタート!」の掛け声とともに、ファンが一斉に手を挙げ、グー、チョキ、パーと数回の熱戦を経て、6名の勝者がサイン入りバスケットボールを手にし、喜びの表情を見せてくれました。
しかし、そこで終わりではなく会場の興奮はさらに高まり、特別なアイテムが登場。岸本選手がチャンピオンシップで実際に履いてプレーしたバッシュ(サイン入り)が、一名の超ラッキーなファンにプレゼントされることとなりました。
じゃんけん大会が行われ、最後の勝者が決定。会場は大きな拍手と歓声で満たされ、勝者の幸せそうな笑顔と岸本選手の温かい眼差しが交差しました。
この一連のプレゼント企画は、岸本選手とファンとの特別な繋がりを築く素晴らしい機会となりました。その日、参加した全ての人々にとって、忘れられない思い出として心に刻まれることでしょう。
スペシャルトークイベント後に行われた、アルペングループマガジンによる岸本選手の独占インタビューをお届けします。
■岸本隆一インタビュー 『沖縄を背負いプレーする意義』
――スペシャルトークショーお疲れ様でした。イベントの感想をお聞かせください。
多くの方が来店してくださり、本当に感謝しています。スポーツデポ豊崎店では、バスケ熱が高まっているように感じました。
――スポーツデポ豊崎店のバスケットボールコーナーは、どんな印象を持ちましたか?
イベントしながら感じたのはバスケットボール用品全般を取り揃えていてデザイン性に優れたウェアやバスケットコートをイメージした店舗作りなど、ファッション性とスポーツの融合を強く感じましたね。
――沖縄はバスケットカルチャーが年々高まっていると思うんですけども、その背景ってどういうとこからきているのでしょうか?
沖縄は昔からバスケットボールが人気でした。特に外国人が多い地域では、米軍基地の電波を通じてNBAの試合が視聴でき、子どもたちが熱中していました。そのような影響が大きいと思いますね。
――今夏のワールドカップが沖縄にもたらすものとは?
ワールドカップを通じて、バスケに興味を持つ人が増えると思います。新たにバスケを楽しむ人が増えることで、バスケットボールの熱狂がさらに高まるでしょう。そして、その結果、プレイヤーのレベルアップが期待できます。
――琉球ゴールデンキングスで12シーズン目を迎えますが、最初の頃と現在での自身の変化や成長を感じる部分をお聞かせください。
一貫して持ってきた信念や特定の考えは、それほど多くはないかもしれません。ただ、スリーポイントシュートという技術は、チームからの期待としてずっとあるもので、それが自分の武器です。その点に関しては、チームへの貢献という視点から変わらず継続しています。
逆に試合に出るためには、常に変化や進化が求められます。プレイヤーとしても苦手な部分を完全には克服できていないものの、それがチームのマイナスとならないよう、日々取り組んでいます。
――アルペングループマガジンは、部活生も多く見るサイトです。例えば、岸本選手が部活生時代に戻れるとしたら、どんなトレーニングに重点を置きますか?
もし学生時代に戻れるのであれば、今よりも効率的なトレーニングを取り入れたいですよね。自分が学生だったころ、情報が今ほど手に入らなかったので、ジャンプを100回するようなトレーニングが主流でした。しかし、現代ならスクワットを10回行う方が効果的だと感じます。
実際に、中高生が上達するための一番の近道は、目標とする選手のプレーを見て真似することだと思います。自分も小学生や中学生の時には、好きな選手のプレーを模倣し、その中でできること、できないことを理解し、必要な練習をするスタイルでした。その意味で、模倣は上達の鍵だと考えています。
――部活生に大舞台でも平常心で緊張せずにプレーできる秘訣があればお聞かせください。
経験は大事ですが、真摯に準備をしていれば、基本的には平常心を保てると考えます。大切なのは、日頃の練習からその大舞台をしっかりとイメージし、そのイメージに沿って取り組むこと。そうすれば、いわゆる「大舞台」でも、普段通りのプレーができるはずです。当日になってから平常心を取り戻そうとしても、その時点では遅いと思います。日々の練習から、自分が目指す場所をしっかりとイメージして取り組むこと。これが最も良い準備だと感じます。
――沖縄出身ということで、地元を背負ってプレーすることの意義を教えていただけますか?
バスケットボールを通じて、次世代のプレイヤーたちに良い影響を与え、何か価値あるものを残していきたいと常に思っています。特にユースカテゴリーや若い世代の育成に貢献できたらと思っています。しかし、それを実現するためには、まず自分自身がコートの中で絶えず結果を出し続けることが大切だと感じています。現在の試合でしっかりと勝負することこそが、次世代にとっての最良の示範となり、自分の思いを実現する近道だと考えています
――まだバスケの楽しさに気づいてない人にその魅力を伝えるとしたら?
バスケットボールは、詳しくなくてもその速い展開から楽しむことができるスポーツです。その中で、選手たちの身長差は確かに存在します。大きな身体を持つ選手が有利に見えるかもしれませんが、実際には小さい選手も十分に活躍できる場面が多くあります。これは、誰もが日常で直面するさまざまな状況とも重なる部分。例えば、選手が自らのスタイルや強みでプレーする様子は、自分の道を探す過程にも似ている。観客の方々には、そういった選手たちの姿から何かを感じ取ってもらえれば嬉しいです。
――最後に選手としての目標をお聞かせください。
選手として目標は、一日でも長くチームで必要とされる選手でいたいなと思っています。そのためには試合で結果を出さなきゃいけないと思っていますし、試合で結果を出すためにいい準備をしなきゃいけない。チームの中でもベテランの方なので日頃から少なからず人に影響を与える年齢にもなってきているので、そこをしっかりやりながらできるだけ長く現役生活を送りたいですね。