9シーズン目のBリーグが開幕間近!!過去最高の熱戦が繰り広げられる!!
10月3日の開幕に先駆けて、りそなグループ Bリーグ 2024-25シーズンのティップオフカンファレンスが9月24日に開催された。
冒頭で島田慎二チェアマンから、シーズンテーマが発表された。『WE ARE UNSTOPPABLE!』が、今シーズンの指針となる。
「歩みを止めずに、つねに進化を遂げていくというメッセージを込めさせていただきました」
チェアマンは新シーズンへの期待も語った。
「パリ五輪で活躍したような各国の代表選手、代表に資するNBAに届きそうなハイレベルな外国人選手が、たくさん日本に来てプレーすることになります。日本代表選手もそうですが、全般的にレベルアップしていると思います。おそらくは過去イチ、コート上のクオリティが高いシーズンをみなさまにお見せできるのでは、と思います」
会場にはB1所属の全24チームから、選手1名ずつが登場した。トークセッションで自チームの見どころをそれぞれが解説し、カンファレンス後には開幕カードごとの取材が実施された。
群馬・辻直人(左)、広島・山崎稜(右)
10月3日に「先出し開幕カード」として対戦するのは、昨シーズン王者の広島ドラゴンフライズと群馬クレインサンダーズだ。群馬のカイル・ミリングHCは、昨シーズンまで広島を率いていたという因縁もある。
ホームアリーナに広島を迎える群馬の辻直人は、「今シーズンはチームスローガンの『THE ONE』のもとで、ファンのみなさん、チーム、クラブスタッフのみんなが一丸となって戦い抜きたい。シーズンの初戦となる開幕戦で、そのスローガンのような戦いができれば」と話した。さらに、「初戦なのでお互いに気負う部分もあると思うし、うまくいかない時間帯のほうが長いかもしれないけれど、カイルHCが来て新しいバスケットをみんながやろうと努力している。我慢比べのような試合になるかな、と思います」と続けた。
対する広島の山崎稜は、「他のチームよりも先に試合をするということで、全チームの選手やファンのみなさんが注目してくれると思うので、いいスタートを切りたいです」と意気込みを表わした。
広島は現役から退いたばかりの朝山正悟HCのもとで、他チームから追われる立場となる。昨シーズンのチャンピオンシップ(CS)でMVPに輝いた山崎は、「朝山さんのもとで、昨シーズンとはまた違うバスケットになっています。そのスタイルをどれぐらい出せるのかがカギになると思います」と、勝利へのポイントをあげた。
琉球・脇真大(左)、三遠・吉井裕鷹(右)
その広島と昨シーズンのCSでファイナルを争った琉球ゴールデンキングスは、中地区優勝でCS準々決勝敗退の三遠ネオフェニックスと対戦する。
若き有望株として知られる琉球の脇真大は、昨シーズンのファイナルを受けて「CSで優勝したい。昨シーズンの悔しさを晴らしたいです」と強い思いを口にした。今シーズンのチームについては、「昨シーズンと違って、一人ひとりの役割が明確になっている」と話す。「自分がハンドラーをやらなきゃいけないのは分かっている。ペイントアタックも得意なので、そこも出していきたい」と、自らのタスクも自覚する。
対する三遠の吉井裕鷹は、今オフにアルバルク東京から加入した。新天地で迎える初めてのシーズンとなる。
「チームはフィジカルなバスケをする。チーム全員でどんどん身体をぶつける」とし、パリ五輪に出場した自身の思いを問われると、「五輪の悔しさをぶつけたい。優勝したいです」と言葉に力を込めた。
千葉・金近廉(左)、宇都宮・高島紳司(右)
琉球に昨シーズンのCSセミファイナルで敗退した千葉ジェッツは、23-24シーズン新人賞の金近廉がカンファレンスに出席した。チームは今年4月に完成した『LaLa arena TOKYO-BAY』を、新たなホームアリーナとして戦っていく。
「新しいアリーナでのホーム開幕戦は、すごく楽しみです。いいスタートが切れるように、しっかり準備したい」
チームにはNBAから凱旋した日本代表の渡邊雄太が加入している。金近は言葉を弾ませた。
「ここまで数試合一緒にやっていますけど、ホントにすごい選手だなと改めて感じます。あれだけNBAで活躍しているのに、変わらずに泥くさいプレー、ディフェンスやリバウンドを誰よりも率先してやろうとしているところがすごい。同じチームでホントに良かったです」
千葉のホームアリーナへ乗り込むのは、宇都宮ブレックスだ。昨シーズンのCSクォーターファイナルで敗れた相手との対戦に、高島紳司の声に自然と熱がこもる。
「HCが変わってそれまでのいいところを継続しつつ、足りないところや細かいところを修正しながらやっています。CSで悔しい思いをして、シーズン最初にリベンジの機会が来ました。千葉さんの新アリーナでの最初のリーグ戦になりますが、臆することなく自分たちのスタイルでやっていけばいい試合になる」と怯むことはない。「新しいアリーナにはまだ行ったことがないので、どういう環境になるのかは分かりませんが、前のアリーナも真っ赤に染まっていた。雰囲気にのまれないようにしたい」とも語り、すでに戦いのイメージも膨らませている。
長崎・川真田紘也(左)、渋谷・ジョシュ・ホーキンソン(右)
長崎ヴェルカも新アリーナでシーズンを迎える。
今オフに滋賀レイクスから長崎へ移籍した川真田紘也は、「アリーナはコートと観客席の距離が近い。プレシーズンで使わせてもらって、本当に素晴らしいアリーナでプレーさせてもらえていると感じるので、なおさら勝利を届けようという気持ちになります。シーズンに入っても勝利できるように頑張りたい」と、開幕を待ちわびている。
自身のプレーについて問われると、「移籍してチャレンジのシーズンです。いまの自分がどれだけできるのか、コートで表現したい。できるプレーを精いっぱいやって、チームを勝利に導きたい」と、ここでも言葉に力感が溢れた。
長崎の新アリーナへ乗り込むのは、サンロッカーズ渋谷だ。
取材に応じた日本代表ジョシュ・ホーキンソンは、「昨シーズンは1勝差でCS進出を逃した。まずはCS進出を目ざす。これは絶対に成し遂げないと」と、餓えた思いを言葉にした。そのためにどんなプレーをしたいのかを問われると、迷うことなくこう答えた。
「ハードワークを常に心がけたい。勝利に貢献できることはなんでもやりたい。コートにこけても全力で取り組むよ」
日本代表の一員として出場したパリ五輪での経験も、新たなシーズンへ向かうモチベーションとなっている。
「チームとしての目標は達成できなかったけれど、世界のベストチーム、ベストプレーヤーとマッチアップできました。その経験をBリーグに還元したい」
FE名古屋・笹山貴哉(左)、名古屋D・佐藤卓磨(右)
昨シーズン西地区優勝の名古屋ダイヤモンドドルフィンズは、同中地区5位のファイティングイーグルス名古屋とのダービーが開幕カードだ。名古屋Dは中地区で今シーズンを戦うこととなり、三遠やアルバルク東京などの強豪と同居することとなった。
それでも、カンファレンスに出席した佐藤卓磨は力みのない表情で話す。
「手ごわいチームがたくさんいますけど、どんな状況でも自分たちのバスケットを貫きたい。それができれば、結果はついてくると思う。いままでチームの文化を作ってきた選手がいて、実力のある選手が入ってきたので、中地区は手強いけれどいける、という手ごたえはあります」
ダービーについて聞かれると、表情を引き締めた。
「ダービーは会場のボルテージが違う。緊張感があるなかで、お互いのベストを尽くしたい」
対するFE名古屋の笹山貴哉も、静かに闘志を燃やす。
「自分たちはホームなので、しっかり勝てるようにしたい。愛知県を盛り上げていきたい」
川崎・篠山竜青(左)、秋田・赤穂雷太(右)
昨シーズン中地区4位に終わった川崎ブレイブサンダースは、新HCのもとでチームを再構築している。主将を務める篠山竜青は、「まだまだ時間がかかる印象です」と切り出しつつも、「スピーディーで楽しいと思ってもらえるバスケットができたら」と明るい表情で話す。
7月に36歳になった。それでも、「まだまだ成長できています」と胸を張る。新HCがチームに課すハードな練習を、しっかりと消化できているからだ。
「ゲーム展開が速くなったぶん、走る距離や強度を求められる。年齢に関係なく、まだまだやれるところを見せなければならない。これまでにない感触を得られていて、ワクワクとか喜びを感じながらプレーできています」
川崎と対する秋田ノーザンハピネッツの赤穂雷太は、「昨シーズン以上の激しいディフェンスがテーマ」と語る。昨シーズンの東地区5位から順位を上げていくには、「オフェンスが伸びていかないと、上位チームに勝っていけない。タレントがいるわけではないので、チーム全体で戦っていく」と続けた。その表情には、闘志がはっきりと映し出されていた。
来年5月末のファイナルへ向けて。
国内最高峰の頂を目ざして。
9シーズン目のBリーグが、もうすぐ幕を開ける。
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