【バスケ】アンスポーツマンライクファウルとは? 反則を知って試合をさらに楽しもう
バスケットボールをはじめ、あらゆるスポーツはさまざまなルールを設けて反則行為(ファウル)を禁止することによって、競技として成り立っています。バスケットボールには「アンスポーツマンライクファウル」と呼ばれるファウルがありますが、具体的にはどのようなものなのでしょうか。
ここでは、バスケットボールのファウルのひとつである、アンスポーツマンライクファウルの概要をご紹介します。
【目次】
■アンスポーツマンライクファウルとは?
アンスポーツマンライクファウルとは、選手同士の体の接触がある悪質なファウルのことです。「アンスポ」や「UF」と略されることもあります。
具体的には、以下の4つの判定基準(クライテリア)のいずれかに抵触したファウルが、アンスポーツマンライクファウルとなります。
・クライテリア1:ボールに対するプレーではなく、正当なプレーとは認められない接触
・クライテリア2:ボールや相⼿にプレーしようとしていたとしても、過度に激しい接触
・クライテリア3:オフェンスの進⾏を妨げる⽬的の、ディフェンスによる不要な接触
・クライテリア4:ゴールに向かって独走する相手選手に対して、後ろや横から行う不当な接触
基本的には、ディフェンス側のプレーヤーに対して宣告されるファウルです。
■アンスポーツマンライクファウルがコールされるシーン
具体的に、アンスポーツマンライクファウルはどのようなシーンで判定されるのでしょうか。アンスポーツマンライクファウルの例や、ファウル判定を受けた場合の試合への影響は、以下のとおりです。
・アンスポーツマンライクファウルの例
前述のとおり、アンスポーツマンライクファウルは接触によって相手のプレーを妨害する反則の総称です。実際の試合でも見かけることが多いアンスポーツマンライクファウルの例としては、次のようなものが挙げられます。
・相手選手のユニフォームを引っ張る
・肘や足などを使って過度に相手に接触する
・ワンマン速攻をしかけた相手に対して、後ろまたは横から接触する
・シュートを防ぐために相手の腕をつかむ
・ジャンプしている相手選手の足の下に入る など
例えば、シュートを防ごうとして手が腕に当たってしまった場合は通常のファウルですが、シュートを防ぐために相手選手の腕を故意につかんだり、はたいたりした場合はアンスポーツマンライクファウルです。
・試合への影響は?
通常、バスケットボールでは1ピリオド中にチームのファウルが累計で5回以上になったり、シュートをしている選手にファウルをしたりすると、相手チームにフリースローの権利が与えられます。
一方で、アンスポーツマンライクファウルはチームファウルの数に関わらず、宣告された時点で相手チームに2回のフリースローが与えられます。フリースロー後は、ファウルを受けたチームのスローインで試合が再開する点にも注意が必要です。
シュートモーション中にアンスポーツマンライクファウルが発生した場合は、フリースローの回数が次のように変化します。
【シュートが入らなかった場合】
2ポイントエリア内(2ポイントシュート)なら2回、3ポイントエリア内なら3回のフリースローが与えられる
【シュートが決まった場合】
得点が認められたうえで、1本のフリースローが与えられる
また、1試合中に2回アンスポーツマンライクファウルを宣告された選手は退場処分となり、その試合中はコートに立つことができません。
試合が終わるまでは、会場の外またはロッカールームなどで待機することになります。
・ルール改定による変更点
試合終盤に、リードされているチームが「ゲームクロック(試合時間)を止めたい」などといった理由で、戦術的にファウルを行うことがあります。
従来は問題ないプレーでしたが、相手の攻撃を防ぎたい、試合の流れをコントロールしたいといった目的の反則行為はアンスポーツマンライクファウルになり得ると、2018年にルール改定されているため注意が必要です。
また、従来は第4クオーターの残り時間が2分を切った状態で、スローインを投げる前にディフェンス側がファウルをした場合はアンスポーツマンライクファウルとなっていました。
こちらも、2023年のルール改定によって、「スローインファウル」という別のファウルが与えられるように変わっています。
■アンスポ以外のバスケのファウル
バスケットボールには、アンスポーツマンライクファウル以外にもさまざまなファウルがあります。不用意に反則しないように、ルールを覚えておきましょう。
バスケットボールの主なファウルの種類と概要は、以下のとおりです。
・テクニカルファウル
テクニカルファウルは、相手選手や審判への暴言、審判の警告を無視、フェイク(ファウルされたフリをする行為)、試合の遅延行為、設備を殴る・蹴るといった言動に対してコールされる反則です。
テクニカルファウルと宣告された場合は、チームファウルの数に関わらず、相手チームにフリースロー1本が与えられたうえで、試合はスローインで再開となります。
選手同士の肉体的な接触を伴う反則がアンスポーツマンライクファウル、選手の振る舞いに関する反則がテクニカルファウルと覚えておくと、違いがわかりやすいでしょう。
また、試合に出場しているコート上の選手はもちろん、ベンチにいる控え選手やコーチ、チーム関係者にテクニカルファウルが宣告されることもあります。試合に出場していない選手やコーチも、言動には注意が必要です。
・ディスクォリファイングファウル
アンスポーツマンライクファウル以上に悪質性が高く、スポーツマンシップに反する行為に対しては「ディスクォリファイングファウル」が宣告される場合があります。暴力行為や破壊行為、暴言、アンスポーツマンライクファウルを超える危険な接触などが例です。
「ディスクォリファイ(Disqualify)」は「失格とする」「資格をはく奪する」といった意味の英語で、宣告された選手は文字通り一発で退場となります。サッカーのレッドカードに相当するファウルと考えるとわかりやすいです。
テクニカルファウルと同様に、コート上の選手だけでなく、ベンチにいる控え選手やコーチ、チーム関係者なども対象となります。
■反則の判断基準を知ってバスケをさらに楽しもう!
バスケットボールをはじめ、あらゆるスポーツは、さまざまなルールのもとで試合が行われています。プレーする際はもちろん、観戦する時もファウルの内容や判定基準を知っていれば、試合をより楽しめるようになるでしょう。
見かける頻度は少ないものの、アンスポーツマンライクファウルは試合に大きな影響を与えるファウルのひとつです。ご紹介した内容を参考に、バスケットボールをさらに楽しんでみてはいかがでしょうか。
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