【初心者】富士登山を楽しむためのコツって? 持ち物や注意事項をチェックしよう
日本を象徴する山で、国内外問わず高い人気を誇る富士山。登山シーズンに入ると、たくさんの登山者が山頂を目指します。「いつか富士登山にチャレンジしてみたい」と考えている登山者の方も、多くいらっしゃるでしょう。
しかし、富士山は標高が非常に高いため、安全に登山を楽しむには事前に知識を得たり、持ち物を準備したりすることが大切です。
ここでは、富士登山の魅力や楽しむために初心者が覚えておきたいコツ、準備したい持ち物などをご紹介します。
【目次】
■富士登山の魅力
山梨県と静岡県にまたがる富士山は、日本一高い山(標高3,776m)として有名です。古くから芸術作品のモチーフとして国内外問わず親しまれており、2013年には世界文化遺産に登録されました。
富士登山のどのような点に魅力を感じるかは人それぞれですが、自然の雄大な景観を楽しめる点は大きな魅力のひとつといえるでしょう。
山頂から日の出を眺める「ご来光」や、眼下に広がる雲海、満点の星空など、日常生活ではなかなか目にすることができない景色を楽しめます。
また、富士山は日本有数の活火山でもあります。山頂の火口を一周する「お鉢巡り」も、富士登山ならではの魅力です。
■富士登山を楽しむためのコツ
富士登山を安全に楽しむには、登山の知識や万全の装備を整えることが大切です。富士登山初心者の方は、最初にコツを覚えておきましょう。
・事故や遭難のリスクを心得る
富士登山では、霧で視界が悪く道に迷った、高山病になってしまった、落石や転落でけがをしたなど、毎年多くの事故・遭難が発生しています。死亡事故につながるケースもあるため、万全の準備をして臨むことが大切です。
特に、夏よりも過酷な環境の冬場は、多くの事故が発生しています。山開きの時期以外でも富士登山はできますが、山小屋が閉鎖されていたり、気象条件が悪かったりして、事故や遭難のリスクが高まります。初心者の方は、シーズン以外の富士登山は厳禁です。
初心者の方は、登山シーズン中も登山計画書を提出して万が一の遭難に備えたり、1人での登山は控えてガイド付きのツアーに参加したりすることをおすすめします。
・事前に登山に慣れておくことも重要
富士登山にチャレンジする場合は、事前に登山に慣れておくことも大切です。難易度が低く挑戦しやすい低山登山を行って、トレーニングを積んでおきましょう。
長時間山道を歩き続けることになるため、ジョギングやウォーキングで体力向上に努めたり、足腰を鍛えたりするのもおすすめです。
また、ゴミは必ず持ち帰る、石や花などを持ち帰らない、登りが優先、無理な追い越しをしない、落石が起きたら周囲の人に知らせるなど、基本的な登山のマナーも覚えておく必要があります。
・ロープの内側を歩く
富士山の登山道には、ルートを示すロープが張られています。ロープの外を歩くと落石や滑落につながるリスクもあるため、必ずロープの内側を歩くようにしてください。すれ違うのが難しい場合もロープの外に出るのではなく、登る人優先を基本に譲り合うのがマナーです。
また、登山道のロープはルートから外れないために設置されたものです。転落の危険性があるため、ロープを引っ張って岩場を登るのは避けてください。
・体調が悪い場合の無理は厳禁
体調が悪くなった場合は山頂を目指すのではなく、すぐに下山しましょう。体調が悪いまま無理に登山を続けると、事故や遭難につながる恐れがあります。
症状が悪化して動けなくなることも考えられるので、早めの判断を心がけてください。
また、富士山は標高が高いため、高山病に注意しなければいけません。高山病は、高地で酸素が欠乏することで起こります。5合目や途中の山小屋などで休憩時間を取り、高地順応することもポイントです。
高山病は一気に高度を上げると起こりやすいため、夜通し歩き続けて山頂を目指す弾丸登山や日帰り登山は避けることをおすすめします。
・山小屋を予約しておこう
高山病のリスクを下げるために、富士登山は1泊2日の余裕があるスケジュールで楽しむのがポイントです。
ただし、富士山ではテントを張ることができません。休憩や宿泊は、基本的には山小屋で行うことになります。
土日の山小屋は混雑するため、予約しておくと安心です。登山ルートごとに複数の山小屋があるので、事前に調べておきましょう。
■初心者におすすめのルートは?
富士山には、吉田ルート、富士宮ルート、須走ルート、御殿場ルートの登山ルートがあります。それぞれの簡単な特徴は、以下のとおりです。
【吉田ルート】
山梨県側から富士山に登るルートです。アクセスが良く登山道が整備されているうえに、施設も充実しているため、高い人気を誇ります。登山道と下山道が別になっていますが、シーズン中は混雑しやすい点に注意しましょう。
初心者の方にもおすすめのルートです。
【富士宮ルート】
山頂までの距離が最も短く、標高差も少ないのが特徴です。静岡県側から山頂を目指します。
登山道と下山道が同じで道を間違える心配は少なく、吉田ルートの次に人気のルートです。
【須走ルート】
静岡側からスタートします。樹林帯が広がっているのが特徴です。
ただし、急な斜面が多く高低差がある、夜間は視界が悪くなりやすいなど、初心者にはおすすめできません。
【御殿場ルート】
静岡県側から山頂を目指すルートで、最も長い距離を歩きます。山小屋やトイレが少なく、標高差も大きいため、登山経験が豊富な方におすすめです。
登山シーズンはルートや年によって異なりますが、基本的には7月上旬から9月上旬の2ヶ月です。それ以外の期間は登山道が閉鎖されていて、山小屋などは使用できません。
■初心者が用意したい富士登山用の装備
安全かつ快適に富士登山を楽しむには、万全な装備を整えることも大切です。富士登山の際に用意したい服装や装備をご紹介するので、初心者の方は参考にしてみてください。
・服装
富士山に限った話ではありませんが、登山では重ね着(レイヤリング)を行うのが基本です。富士山山頂の気温は、夏場でも5℃程度しかありません。Tシャツ(ベースレイヤー)やフリース(ミドルレイヤー)、防寒用ウェア(アウター)の3層で重ね着を行い、気温や体温に応じて脱ぎ着できるようにしてください。
Tシャツやインナー・タイツといった肌に直接触れる衣類は、汗冷えによる低体温症を防ぐために、吸汗速乾性に優れた化繊ウェアを着用するのがポイントです。
岩場でのけがを防ぐために、パンツはロングパンツを着用することをおすすめします。動きにくく乾きにくいジーンズは避け、トレッキングパンツを用意しましょう。
また、雨で濡れることを防ぐために、上下が分かれているセパレートタイプの登山用レインウェアの用意も必要です。
⇒トレッキングウェアを探す(メンズ)
⇒トレッキングウェアを探す(レディス)
・必須の持ち物
富士登山の際は、以下の持ち物も用意しておきましょう。
ザック(トレッキングバッグ)、レインカバー・防水ポーチ、ヘッドライト、ボトル(水分)、サプリ・補給食、サングラス、ハット・キャップ、トレッキンググローブ、日焼け止め、ゴミ袋、地図、現金(小銭)、保険証 など
高山病対策や万が一の遭難に備えて、酸素缶やエマージェンシーブランケット(緊急対応用品)の用意も必須です。
また、一般的なスニーカーだと登山中に穴があいたり、異物が靴の中に入ったりする恐れがあります。ミッドカット以上のトレッキングシューズを履くこともポイントです。
・あると便利な持ち物
必須の持ち物以外にも、以下の持ち物を用意しておくと、快適に富士登山を楽しみやすくなります。
スパッツ・ゲイター、トレッキングポール、ウェットティッシュ、使い捨てカイロ、タオル、トイレットペーパー、時計 など
山小屋泊では周囲の雑音などが気になることも考えられます。眠れるか不安な方は、耳栓やアイマスクなどを用意しておくと便利です。
■準備をしっかり整えて富士登山を楽しもう
標高が高く上級者向けのイメージのある富士山ですが、初心者の方でも登山を楽しむことはできます。複数のルートがありますが、まずは登りやすい吉田ルートからチャレンジするのがおすすめです。
ただし、事前準備なしに富士登山にチャレンジすると、最悪の場合は死亡事故につながりかねません。体力作りに努めたり、必要な持ち物を用意したりして、しっかりと準備を整えることが大切です。
富士登山にチャレンジしたい初心者の方は、ご紹介した内容を参考にしてみてください。
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