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running2021.05.26

アディダスのサステナブルな取り組み。スリーループから生まれるプロダクトと、『RUN FOR THE OCEANS』。

アディダス グローバルアンバサダー ローラ

■環境負荷の少ないサステナブルなカンパニー、アディダス

地球規模の気候変動による気温の上昇などが起こり、CO2の排出削減は、もはや国家・企業・個人どの分野にも求められるところになっています。

日本ではお買い物時のレジ袋が廃止されるなど、ようやくその手の話題が上ってきていますが、そういったマインドが実生活に浸透してきているのかどうかと言えば、まだまだな印象は否めません。

ここ数年は、季節感も、気候も、異常とも思える現象が各地で起きています。それでも、まだまだ日本では他人事のような印象を正直感じてしまいます。

しかし、この待ったなしの状況をもっと深刻かつ喫緊な問題と考えているのがヨーロッパ。

再生エネルギーやEVカーの普及度合い、炭素税導入など、そのサステナブルな社会構築に向けてのマインドや実行・行動力も遥かに進んでいると言っていいと思います。

そんなヨーロッパの中でも“環境先進国“であるドイツのスポーツブランド「アディダス」の取り組みについてはご存じでしょうか?


■エンド・プラスチック・ウェイスト

2024年には、アディダスのすべての製品で再生ポリエステルに移行するという大きなミッションを掲げています。

基本的には娯楽・嗜好品であるスポーツウェア・シューズは、その多くが樹脂(プラスチック)で構成されていますので、例えば、私が専門としているシューズも廃棄されて燃やせばCO2が排出されてしまうわけです。

ですから、アディダスでは、(1)ゴミから作り出してアップサイクルする、(2)捨てさせない、シューズをループ(循環)して使う、(3)天然素材で商品を作る、と言う、地球環境に対して矛盾のないプロダクト作りに向けて、それを現実化するプロセスを確実に歩んでいます。

今回はそれをご紹介していこうと思います。ご自身の持っているウェアやシューズが知らないうちに地球に優しいものであったら、なんだか嬉しいですもんね。


■世界海洋デーにおけるアディダスの画期的な取り組み

燃やしてCO2が排出されてしまう以前の問題として、海洋投棄されたプラスチックの問題があります。特に母なる大地、海に流れつくペットボトルなどの海洋投棄プラスチックは大きな社会問題になっています。

何しろプラスチックは完全に分解されません。地球に戻らないわけです。

細かくなったマイクロプラスチックは食物連鎖に影響を及ぼしており、クジラや魚、海鳥を含む約700種の生物の体内からプラスチックが見つかっています。間接的にそれを食べる人類にも直接的に影響を及ぼしていますし、相当大きな問題と言えるでしょう。

このまま放っておけば、2050年には魚の数より、ペットボトルの数が上回ってしまう、と言われています。地球がプラスチックで窒息してしまうわけです。

そこで、アディダスは環境保護団体「パーレイ・フォー・ジ・オーシャンズ(PARLEY FOR THE OCEANS)」と2015年からパートナーシップを締結、パーレイ・オーシャンスクール(Parley Oceans School)の活動を通して、環境問題について考えたり、体験する機会を提供したり、そして、また、海洋投棄され海を汚染しているペットボトルを回収して作られたパーレイ・オーシャン・プラスチックからアディダスの新しいプロダクトを作るという取り組みをしています。

2019年の6月8日の世界海洋デーに行われた『RUN FOR THE OCEANS』では、なんとランニングをすることで、地球を救う、イベントをアディダスは開催しました。



それは、ランニングアプリ“adidasランニングアプリ”を使ったイベントで、全国どこからでも参加できるのが特徴です。アプリからイベントに参加したランナーはとにかく走るだけ。

あとはアプリ上でイベントに参加して走った1km毎にアディダスがプラスチックゴミによる海洋環境汚染と戦う活動へと寄付するというものです(寄付総額上限は100万USD)※注1。

身近なランニングアプリを使って、いつものように走って、それが地球に優しいなんて、なんと素晴らしいことではないでしょうか。



このイベントですが、2017年以来、世界中の300万人以上のランナーが、合計で2,500万キロメートル以上を計測し、250万ドル以上を集め、海洋環境保護活動に活用されたということですよ。 

ランニングが地球を救う、なんて素晴らしいことでしょう。

そしてこのイベントは今年も開催されます。5月29日~6月8日間に走った距離が計測される予定です。このイベントに参加するにはアプリのダウンロードが必要ですので、まだダウンロードしていない方はダウンロードしてイベントが開催されるのを待ちましょう!

アプリのダウンロードはこちらから


■アディダスのリサイクル素材からできたプロダクトはすでに身近に

もちろん、アディダスは寄付しているだけ、ではなくて、海に投棄されたゴミ(海洋投棄プラスチック)をリサイクルし、さらにアップサイクルして付加価値を高めたプロダクトを作っています。

2018年だけで、プラスチック廃棄物を用いたシューズが500万足生産されたのです。

しかも、それらは、高いけど地球環境に優しいから、というエシカルな動機に頼るようなプロダクトではもはやありません。消費者のごくごく身近にある商品であり、且つそれはアスリートが使っても高性能でパフォーマンス性の高いものになっています。

リサイクル素材が40%以上使用されている素材を「プライムブルー」と呼び、バージンプラスチックを使用していない100%再生マテリアルで作られた素材が「プライムグリーン」です。

実はすでに多くの商品がそれらで構成されています。

つまり、全ての商品がこのプライムグリーンになれば、2024年の目標『アディダスのすべての製品で再生ポリエステルに移行』の達成を意味するわけです。

例えば、アディダス スーパーノヴァというブーストフォームが搭載されたシンプルなランニングシューズですが、これもズバリ「プライムグリーン」を使った商品で、アッパー素材にリサイクルマテリアルを使用しています。



アディダスはリサイクルというより、アップサイクル(元の製品よりも価値の高い製品を生み出すこと)を行い、それを現実化・実用化しているわけです。

それをすでに使っている人、ランナーも知らないうちに、実は100%リサイクル素材できた商品を使っているという状況はすでに次のフェーズに入った感覚です。

アディダスは、さらに先を見ていて、2050年には、完全にカーボンニュートラルな企業になることがミッションになっています。カーボンニュートラルとは温室効果ガスをゼロにすることに他なりません。


■スリーループにみるアディダスの商品

その意味でも、アディダスが考えるカーボンニュートラルへの次なる段階は廃棄物自体を出さないことです。

その中から生まれた「スリーループ」という考えは、リサイクルだけではなくて、プロダクトからプロダクトを作り出す「Made To Be Remade(メイド・トゥー・ビー・リメイド)」また、自然で作られた素材からプロダクトを作ることの3つを意味します。

プライムブルーやプライムグリーンはリサイクルですが、Made To Be Remade(メイド・トゥー・ビー・リメイド)は、まさに素材をループ(循環)することに他なりません。ランナーが履いたシューズを廃棄せず、それを集めて、洗浄・粉砕して、それをリサイクルした素材とピュアマテリアルを加えて、新しい商品にする取り組みです。

まさにゴミという概念をなくす、捨てなくていいプロダクト。自分の履いたシューズがループして、また自分のシューズになる、これは画期的なアイディアです。

そして、それを一歩推しすすめたアイディアが、オールバーズとの「フューチャークラフトフットプリント」です。

まさに、この同業同士の競争を超えたある意味異例のコラボレーションは、地球の未来のためのパートナーシップだと言えます。

 一般的なランニングシューズがライフサイクル、製造・廃棄はもちろんのこと、配送や使用といったあらゆる工程で発生させてしまうカーボンフットプリントが約13.6kg CO2e、それがたったの2.94kg CO2eに抑えられたランニングシューズがフューチャークラフトフットプリントなのです。

これは、カーボンニュートラルへとまた、一歩近づく取り組みであるとともに、大事なことは、『環境負荷は低く、パフォーマンスは高く』、史上最も低いカーボンフットプリントランニングシューズは、スポーツパフォーマンス性の高いランニングシューズであることです。

そうでなくては広くランナーに受け入れてもらえないですからね。

しかし、わざわざ選んで履くのではなくて、履いていたものが地球に優しい1足であること、はアディダスでは当たり前になりつつあるのは素晴らしいことだと思います。


■メイドウィズネイチャー、キノコからシューズ?!

そして、自然にある素材からプロダクトを作ることも、環境負荷を考えたときには大事なテーマです。アディダスは、リネンや天然ゴムもそうですが、すでに再生可能な菌糸体、キノコからできた「Mylo(TM)素材」で作ったスタンスミスを発表しました。

キノコからスタンススミス?すごいことです!

この技術は今後パフォーマンス性の高いプロダクトにも応用されることが期待されている技術です。自然からできた素材で作ることは、リサイクルとかループとは違った地球への優しさですよね。

そして、そういったリサイクル素材、Made To Be Remade(メイド・トゥー・ビー・リメイド)やイノベイティブな素材も、アディダスがすでに構築したモノ作りの未来技術というバックグランドが、2050年カーボンニュートラルへの道筋をリアリティーのあるものへと押し上げ、推進させくれることでしょう。

すでに一部の商品で使われている、光と酸素で液体樹脂から3Dプリントされたソールと機械で編み込まれたニットアッパーで構成されたランニングシューズの技術は、工場のスペース・人員のいらない未来のファクトリーそのものです。

アディダスが掲げる2050年カーボンニュートラルという大きなミッションは、モノ造りのアディダスだからこそ達成し得るミッションだと、そう感じます。


■サステイナブルな商品を意識的に選ぶ時代へ

アディダスが様々な取り組みを行う中、アルペングループでも「その時代に生きるすべての人がスポーツをもっと身近に楽しむことのできる社会」を実現することを目標にサステイナビリティ・CSRに関する取り組みを行っています。

「アルペンの考えるサステイナビリティとは」紹介ページはこちら


例えば環境に配慮した商品を紹介するページを別途開設するなど、お客様に対して新しい価値観での商品選択の可能性を提示しています。

アルペングループオンラインストア「サステイナビリティ特集ページ」はこちら


そして今回この記事で取り上げたアディダスのサステイナビリティ関連商品も取り扱っています。

アディダス「サステイナブル商品」一覧はこちら


また5/31からゴルフ5全店でアパレル回収にご参加頂いたお客様を対象に、今回の記事でも紹介されているアディダスのサステイナブル商品(プライムブルー、プライムグリーン)が割引になるキャンペーンを実施予定です。

⇒キャンペーン詳細はこちら(~2021年6月27日)


最後にこの記事をきっかけに環境保護への意識や、地球環境にやさしい素材の商品を選択するという行為について今一度考えてみるのもいいのかもしれません。そして環境保護に関するイベントにも積極的に参加してみてはいかがでしょうか?


※注1:2021年より参加者が1km走るごとにペットボトル10本分相当の海洋プラスチック廃棄物をアディダスとパーレイが、離島や海岸、海沿いの地域で回収となった。
*上限500,000ポンド

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