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running2021.06.28

『トレーニングの負荷見直しについて考える』Think on the RUN ―走りながら考える― vol.7

市民ランナーの皆さんの多くのトレーニングは、決まったコースを決まったペースで走り、調子が上がってきた後半にペースを上げ、今日はよく走ったな、と満足されている方がとても多いように感じます。体とランニングの調子を確認しながらビルドアップするトレーニング自体、決して悪い訳ではありませんが、それがパフォーマンスアップをするためのトレーニングだとしたら再検討する必要があるかもしれません。とくにこの数年間、継続的にトレーニングを行っているにもかかわらず、パフォーマンアップに繋がっていない方は要注意です。そんな方は「漸進性(ぜんしんせい)の原則」に基づいて、トレーニングメニューの見直しをしてみてはいかがでしょうか?

そもそも漸進性という言葉自体、耳慣れない言葉ですが「いつも同じ負荷でトレーニングをするのではなく、徐々に負荷を上げて行きましょう」という原則になります。前述の通り、いつも同じようなトレーニングではその効果をあまり期待できないですし、定期的に負荷の見直しをする必要があります。ランニングの場合、屋外で走るケースが多く、自然環境などの外的要因でパフォーマンスが左右されるため、ウエイトトレーニングのように徐々に重りを重くすればいい訳でもなく、初心者の方にはとても難しいと思います。そこで私がよく行う方法をご紹介させていただきます。普段よく走る18kmほどのロードでのタイムトライアルです。タイムトライアルといってもレースペースのようなトップスピードで走るのではなく、次の2つの方法で行います。



負荷の見直しとコンディションの確認をするためのタイムトライアル

1. ペースを一定に保ったタイムトライアル

2. 心拍数の上限を決めて行うタイムトライアル

(注意)それぞれ必ず一人で行い、少し余裕があるな、と感じられるペース及び心拍数で実施してみて下さい


私は1.の場合、4’30”/キロのペースで行い、トレーニング後に心拍数の変化を分析します。2.の場合、心拍数を150拍/分を超えないように心拍計を設定し、合計タイムを計測します。どちらかを必ず月2回以上行い、常に自分のコンディションを確認・分析するようにしています。レースに向けて継続的にトレーニングを積んでいるような時期は、それぞれいいスコアになりますので、トレーニングの強度を週単位で上げていきます。また、ケガ等であまりいいトレーニングが積めていないような時期は、いいスコアが出ませんので、低負荷のトレーニングを一定期間継続的に行います。このようにいつも走っているコースで簡単且つストレスがかからない方法で、ご自身のコンディションが分析できるのでお勧めの測定方法ですし、タイムトライアル以外の日のトレーニングにも意味を持たすことができるようになります。

いまどきの小学生がタブレットで学習するように、ランニングも最先端の機器や道具を使うことでメリハリの効いたトレーニングを行うことができるようになりました。人それぞれランニングの目的や目標が違うように、トレーニングの内容や負荷の見直しも人それぞれ違って当然なのです。他人の走行距離やトレーニング内容と比較するのではなく、ご自身の目的や目標に合った効果的なトレーニング内容を見つけ、是非この夏から効果的なトレーニングを行ってみて下さい。

 


■Profile

横山 順一

年齢: 51歳

ランニング歴: 39年

國學院大學卒業(1992年)

#junike0708


略歴

中学より陸上競技を始める。800m, 1,500m, 4×400mRを専門とする一方、大学では箱根駅伝予選会にも4年連続出場。マラソンは社会人になった20歳代後半から現在に至る。

外資系スポーツメーカーなどに勤務後、現在はコンサルティング会社にてターンアラウンドスペシャリストとして経営コンサルティング、企業・ブランドのブランディングなどを従事。


自己ベスト

フルマラソン: 2時間26分55秒

ハーフマラソン: 1時間08分50秒


主な出場レース

東京マラソン、福岡国際マラソン、びわ湖毎日マラソン、別府大分毎日マラソン

ニューヨークシティマラソン、ゴールドコーストマラソン、ホノルルマラソン、バンクーバーマラソン

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