『走るためのウォーキングを考える』Think on the RUN ―走りながら考える― vol.15
ランニングフォームを改善するために日常生活やウォーキングが大事である、ということは理解しているものの、どこに注意や意識をしなければならないのかはあまり知られていないような気がします。トップアスリートのフォームを見様見真似でフォアフットだけで走行すれば効率的なフォームになる訳ではないことは、試してみた方であればおわかりだと思います。ランナーの多くはランニングシューズにはこだわりがあるものの、日常生活で着用するシューズにはあまり関心がない方がほとんどだと思います。今回は足の機能を改めて確認し、ランニングに活かすウォーキングについて考えてみたいと思います。
ご存知の通り、足裏には3つのアーチがあり、2つの重要な機能があります。足の内側(親指側)にある「内側縦アーチ」、足の外側(小指側)にある「外側縦アーチ」、そして母指球から小趾球にかけての「横アーチ」。これらが互いのバランスを保ちながら身体を支え、歩行(ランニング)の際、地面からの衝撃を吸収してくれる役割を担っています。これを「トラス構造」と呼び、アーチの1つ目の機能となります。そして2つ目が、蹴り出し時の推進力を生み出す「ウィンドラス機構」になります。足裏には踵から指の付け根にかけて足底腱膜がありますが、足の指の付け根にある関節(MP関節)が歩行やランニングの際に反り返り、腱膜が持ち上げられます。本来バネのように戻ることにより推進力が生まれるのですが、アーチがうまく形成されていない扁平足の方は、これらの機能がうまく働いていないため、各関節や腱などに負担をかけ、怪我をするケースが多いので、普段からアーチの状態をこまめにチェックすることが必要なのです。これらの足のメカニズムを考え、日常生活時の着用にお薦めなのが、裸足のフィーリングで着用することができるナイキ フリー ラン 5.0になります。
アウトソールやミッドソールのレーザーカットの溝は、人間工学に基づいて設計され、シューレースを通すループに搭載されたFlywireテクノロジーが甲中央部のカスタマイズフィットを実現するので、シューズと足の一体感が他のランニングシューズとは圧倒的に違うと思います。とくに扁平足で「ウィンドラス機構」がうまく使えていない方は、このシューズで日常生活やウォーキングから足本来が持っている機能を呼び戻し、姿勢や左右のバランスなどにも注意してみるといいと思います。また、コロナ禍によるリモートワーク中心の生活が続き、運動不足解消で軽い運動を始められる方も多いと思いますが、そういった方にもお薦めです。通常のランニングシューズはランニングのレベルやランナータイプ(おもにプロネーション)に分けられて設計されているので、必ずしもウォーキングに適した設計になっている訳ではありません。アーチの機能を考えると安定性は必要かもしれませんが、クッション性はさほど必要ないと思います。着用シーンごとに着地やキック時の脚への荷重は違いますので、やはり用途に合ったシューズ選びは必要なのです。
皆さんのランニングもレース用とトレーニング用、そしてと日常生活用と、それぞれのアウトソールの減り方はまったく違うと思います。レベルアップと楽しく長くランニングを続けるためにもいま一度、日常生活やウォーキングからシューズの見直しをしてみてはいかがでしょうか?
■Profile
横山 順一
年齢: 51歳
ランニング歴: 39年
國學院大學卒業(1992年)
#junike0708
略歴
中学より陸上競技を始める。800m, 1,500m, 4×400mRを専門とする一方、大学では箱根駅伝予選会にも4年連続出場。マラソンは社会人になった20歳代後半から現在に至る。
外資系スポーツメーカーなどに勤務後、現在はコンサルティング会社にてターンアラウンドスペシャリストとして経営コンサルティング、企業・ブランドのブランディングなどを従事。
自己ベスト
フルマラソン: 2時間26分55秒
ハーフマラソン: 1時間08分50秒
主な出場レース
東京マラソン、福岡国際マラソン、びわ湖毎日マラソン、別府大分毎日マラソン
ニューヨークシティマラソン、ゴールドコーストマラソン、ホノルルマラソン、バンクーバーマラソン