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running2022.10.31

定番スタビテリティートレーナー、アシックス GEL-KAYANO 29 (アシックス ゲルカヤノ29)をあなたは体感したか?

■GEL-KAYANO 29はロングセラーモデル

アシックスのデイリートレーナーと言えば、GT-2000があまりにも有名で一度は履いたことがあるランナーが多いことでしょう。しかし、そのGT-2000シリーズが10代なのに対して、29代続くロングセラーモデルがあります。それが、『アシックス GEL-KAYANO 29(アシックス ゲルカヤノ29)』なのです。

最近ではNOVA BLAST 3(ノバブラスト3)やGLIDERIDE 3(グライドライド3)が人気急上昇中ですが、それらはNON-GELシューズ、アシックスの代名詞的クッション素材α-GELが入っていない軽量シリーズなのです。このGEL-KAYANO 29(ゲルカヤノ29)は、モデル名にもあるようにαゲル搭載の定番のスタビリティートレーンングシューズで、むしろGT-2000のアッパーモデル(上位ラグジュアリーモデル)という位置付けだと思ってください。

そもそも、アメリカ人ランナーの体型にあったクッショニングモデルとして開発された、初代が発売経緯もそれを物語っています。また、カヤノのモデル名は、初代から13代目までデザインしたデザイナー榧野俊一(かやのとしかず)氏のご本人の名前が由来、コードネームKがそのままモデル名になったのはもはや有名な話ですね。

1993年に発売した初代のモデルは、モチーフが“クワガタ”。そう言われてみると、この29代目も機能性が集まって構成されたようなクワガタっぽく見えてくるから不思議です(カブトムシにも見える!)。


■GEL-KAYANO 29はフルモデルチェンジ大幅に変更された

「新しいモデルは前作よりも機能性を向上させる」という目標のもとこのモデルは作製され続けていて、今回のカヤノにも、たくさんのアップデイトがありますね。


今期の多くのアシックスデイリートレーナーモデルのミッドソール素材として採用されているFF Blast+(エフエフブラストプラス)を搭載したモデルに変身。15%軽く、15%柔らかく、12%バウンスが多い、ライター、ソフター(より軽量、より柔らかく)な素材は、単純に履いた瞬間から前モデルより厚みを感じますね、2mm厚くなった素材感はポジティブな印象です。

このモデルは代々、足が内側に倒れるプロネイト動作を適度にする目的で作られたスタビリティーシューズです、素材の硬度を変えてそれをサポートする故の、ある種の特集の硬さ感は否めませんでした。

しかし、今回は、このシューズの顔であった「DynamicDuomax(ダイナミックデュオマックス)」と「TrussticSystem(トラスティックシステム)」というプロネイト動作に欠かせないパーツを統合して、「LiteTruss(ライトトラス)」にドラスティックに変更。FFブラスト+の足し算とLiteTruss(ライトトラス)引き算で、クッションにバランスをもたらしていますよね。


■ガイドは超定番の10mmドロップシューズ

革新的新しい機能性を持たせる部分、反面、ずっと変わらない継続要素もあって、ミッドソール構造は、定番の10mm、トラディショナルなガイドを採用し続けています。これは、ランナーの体をシンプルに前に揺らす坂道構造になります。

また、カヤノの場合、そのプロセスで、内側の硬度を高めたLiteTruss(ライトトラス)がコラボレーションして効いて、内側にプロネイトする動作をコントロールすることで接地時間を短くするというデイリートレーナーの強みである側面もあり、初心者用シューズと言われる所以です。

初心者用は初心者のためにあるのではなくて、“FOR EVERY RUNNER“すべてのランナーが履けるような機能性が付いているからこそ、初心者も履ける機能性のシューズなわけです。

アシックスでは、カヤノと同じグレードでニュートラルトレーナーを発売していて、GEL-NIMBUS 24(ゲルニンバス24)がそれ。この2モデルがあれば、ランナーのタイプを選ばないという最強コンビのパッケージになっているのですよね。


■時代に合わせた進化、LESS IS MOREデザインに

アッパーはエンジニアードニットアッパーで、しっかり締めるところ、伸びてほしいところのメリハリがハッキリしたちょっと幅面が気になるランナーにもピッタリな足あたりの良さとフィット感が同居する素晴らしいアッパーになっています。

そして、アメリカ・アスレジャーカルチャーにもフィットしそうなデザイン性。タイガーストライプがカラーリングや素材感で主張するデザインはもはや過去のもの、普段履きにも履きたくなるデザインですよね。追記すべきは、アッパーのフィット感の要であるヒールカップの包み込みもグッド。ヒール部下部にはひっそりヒールクリップが搭載されていて、スタビリティーシューズとしての機能性をフォローしています。

素材は50%リサイクルアッパーで、アウトソール高耐摩耗性の素材を戦略的に配置するなど、前回モデルより軽量化に成功、サステナブルなテーマと軽量性も含めた「新しいモデルは前作よりも機能性を向上させる」という目標を同時にかなえるようなモデルに仕上がっていますね。

カヤノと言えば、一つのシューズにいくつものテクノロジーが同時に搭載されたデザインであったのが、“LESS IS MORE”技術は絞っても機能性高いデザインに変わっています。


■どんなランナーにオススメか

私の感想は、足を入れた瞬間にソールが厚くなった感触を感じて、走り出すと踵まわりが安定していて、着地がスムーズなモデルだなと感じました、ワークアウトの翌日のジョグなどサポートが必要なタイミングで使っていますね。

このシューズのもう一つのミッション、「フルマラソン完走をより身近にするシューズ」という点からしても機能性、ガイド、クッション、安定感のバランスがいいシューズですよね。フルマラソン完走を目指すランナーも、シューズの揺れるままに身を任せて、体力を温存して、それを実現することができるシューズですし、もちろん初心者の方にもオススメ。

特に関節系に不安があるランナーは、スタビリティー機能が付いていないトレーナーを履いているだけかもしれません。シューズの力ってすごいですよ、是非、是非一度履いてみて欲しいですね。

そして、かなり走れる市民ランナーの方にも履いてほしい。川内優輝氏もアシックスのGEL-KAYANO 29の特集ページでおすすめしています。“FOR EVERY RUNNER“すべてのランナーが履けるような機能性とは皆さんのようなランナーも含んでいるんですよ。

スタビリティー機能が不要であれば、NOVABLAST 3やGEL-NIMBUS 24というオプションがありますので、そちらも含めて“FOR EVERY RUNNER“のラインナップだということです。

まだ履いていないランナーは是非『アシックス GEL-KAYANO 29(アシックス ゲルカヤノ29)』を体感してほしいですね。
 


<著者プロフィール>

ランニングシューズフィッティングアドバイザー

藤原岳久(F・Shokai 【藤原商会】代表)


日本フットウエア技術協会理事

JAFTスポーツシューフィッターBasic/Advance/Master講座講師

足と靴の健康協議会シューフィッター保持


・ハーフ1時間9分52秒(1993)

・フルマラソン2時間34分28秒(2018年別府大分毎日マラソン) 

・富士登山競走5合目の部 準優勝  (2005)

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