ついに30代目!ASICS GEL-KAYANO 30登場
カヤノを履くということは、アシックスの歴史と信頼を履くと同意と思っています。それくらい世界中から愛されているロングセラーモデルがついに30代目に突入です。
しかも今回のアップデートは、過去に類を見ないチャレンジングな変革を遂げています。早速その中身を見ていきましょう。
まず最初に一番の変更ポイントは、GELが見えなくなった点です。
カヤノシリーズの代名詞でもあったビジブルゲルを辞めたという、かなり思い切ったディテールチェンジが成されています。視覚的効果という安心感はかなり大きなもので、この判断はかなりのチャレンジだったかと思いますが、その思い切った変更により、極上のクッショニングを手に入れてます。
外に出すことでどうしても硬性を出さなくてはいけなかったGELですが、このPureGELは内蔵することでその必要がなくなったため、前作に採用されていたGELより約65%柔らかくなりました。
アッパーは通気性に優れるエンジニアードニットアッパーを採用。
履き口のクッションもさることながら、フィットスリーブ(FIT SLEEVE)が抜群のフィット感です。
機能を掛け合わせた「4D GUIDANCE SYSTEM™(4Dガイダンスシステム)」は、走行距離とともに変化するランナーの動きを研究し開発した複合的な機能構造。かかと部外側に適切な傾斜をつけ、ヒールコンタクト(かかとからの接地)をよりスムーズにします。
土踏まず部分に配置されたパーツは、FF BLAST PLUSのレシピを調整して反発係数を上げているらしく、従来のスタビリティーシューズの「倒れないように固める」という方法から「素早く押し戻す」という手法を取っています。まさに高層ビルの耐震構造のような逆転の発想。
開発までの長い道のりを示す試作品の数々。
そしてきっと知らない方も多いと思うのですが、カヤノというモデル名ですが、これ、日本人の名前だってご存知でしたか?榧野さんなんです。しかも現役のアシックス社員なんです。
この方が榧野さんです。リビングレジェンド。
先日アシックススポーツ工学研究所で開催されたアルペングループ社員向けのセミナーに私も参加しまして、その際に初めてお会いすることができました。
こちらがそのセミナーの様子です。
※撮影:カメイ ヒロカタ
ありがたくもカヤノ30の開発に携わったメンバーと榧野さんと共にトークセッションをさせていただきました。一番手前はいまノリに乗っているスポーツMCの岡田さん。彼とはこの仕事に就く前からのランニング繋がりの友人でして、まさかこんな会に2人で参加するなんて思ってもいませんでした。ありがたいです。
そしてこんな貴重な資料も見せていただきました。
企画元のアメリカ販売会社が宣伝広告したもの(1993年)。
アメリカ企画で1993年にリリースされたカヤノのファーストモデルの(ほぼ)完全復刻版。企画用で限定生産したものらしく、世界に10足くらいしか存在しないとのことでした。
この異素材使いの組み合わせは今見ても秀逸ですし、現代の意匠にしっかりと受け継がれています。
このシューズが当時の日本のファッションシーンに正当に伝わりきちんと評価されていたら、今日に至るまでのスニーカーシーンの歴史は大きく変わっていたと思います。
斬新なアウトソールデザイン、実はこれ、両方並べるとクワガタに笑
こういった遊び心をこっそりデザインに取り入れていたそうです。
カヤノの長きにわたる歴史を感じつつ、今作30の性能をぜひ堪能してください。
8/10発売で絶賛販売中です。
ぜひお試しください!
<著者プロフィール>
牧野 英明
BEAMS所属。キャリア約20年の中で、店頭とECスタッフを15年、2020年よりTIGORA by BEAMS DESIGNのディレクターを務め、Alpen TOKYOオープンを機にアルペン ランニング ディヴィジョンアドバイザーに就任。
自身も熱心なランナーであり、フルマラソンベストは2時間47分44秒(東京マラソン2023)。ロード以外にもトラックレースやトレイルランにも積極的に取り組む全方位ランナー。
「走るに快適なファッション日常着」を体現する#いつでも10km走れるコーディネート は業界でも有名。
ファッション目線を取り入れた独自のシューズレビューをぜひお楽しみください。
Instagram: @makinohideaki