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running2024.11.18

NIKE ZOOM FLY 6(ナイキ ズームフライ 6)、2年ぶりの新作が登場!

■NIKE ZOOM FLY(ナイキ ズームフライ)シリーズが待望のアップデイト

2年の時を経て、ついにNIKE ZOOM FLY 6(ナイキ ズームフライ 6 以下:ズームフライ 6)が、待望のモデルチェンジ。前作5世代目とは、コンセプトも、構造も全く違う、そんなファインアップデイトになりました。

“とにかく軽い!“

これがこのシューズのファーストインプレッションですね。今回、初代と2代目までの軽量レーシングモデル路線が復活、前作までの安定要素よりも軽量で推進力のあるモデルに、また大きく舵を切った印象ですね。

同社のスーパーシューズにインスパイアされたようなデザインは、モチベーションも上がりますが、それだけはでなくて、機能的にもZoomXフォームがしっかり効いてくるそのフィーリングはまるでトップレーシングのそれ、と思わせる仕上がりです。

では、こんなズームフライ 6は、一体何が変わって、どんなコンセプトのモデルで、どんなランナーに合うのか、早速、解説していきたいと思います。


■今回のアップデイトの目玉はZoomXフォーム搭載

今回、あのNIKE トップモデルVAPOR FLY(ヴェイパーフライ 以下:ヴェイパーフライ) やALPHA FLY(アルファフライ 以下:アルファフライ)シリーズに使われているZoomXフォームをミッドソール上層に、前回も使用されていたEVAベースのSR-02を下層に搭載したコンビネーションソールになっています。

前回もZOOM Xフォームを使用するにはしていましたが、トップモデルを製作したときに出る端材をリサイクル使用したもの、SR-02で構成されたシェル内部にそれが詰め込まれたようなスタイルで、クッションの印象を支配するのはEVAベースのSR-02だったと言っても過言ではなかったです。

安定要素があったいいモデルだったのですが、前作と比較すると、コア層から上層に出てきたことで、走り心地にも圧倒的にZoomXフォームの存在感、反発弾性のあるバウンドを感じますよね。

今回のモデルは、私のサイズ(メンズの25.0cm)で216gと前作より37g程度も軽量になっています。それもZoomXフォームとSR-02の組み合わせの妙、軽量感も圧倒的に前作と違いますね。


■まさにそのクッションの質が変わったズームフライ 6

ZoomXフォーム特有の着地音もそうですが、SR-02も今回はかなりソフトにチューニングされていて、とてもリズムがとりやすいクッションになりましたね。

そして、間にサンドイッチされたフルレングスのカーボンファイバー製FlyPlate(フライプレート)はそれらミッドソール素材と共鳴して、間違いなく蹴り出しに効いてくる感じ。まさに今までのシリーズとは、クッションの質が変わったと言っていい出来ですね。

とは言え、トップモデルのように反発弾性の強さ、クセもない感じのレスポンスのいいバウンドで、扱いやすいクッション性に仕上がっていると言えますね。


とにかく気持ちよく自然にスピードが出せる、スムーズに出せる、クッション性と反発弾性の質が変わった、シリーズ最高の出来、そんなモデルがズームフライ 6ですね。


■デザインも原点回帰、スーパーシューズを思わせるデザイン

デザイン面に関しても、やはり、初代ズームフライのときのようにスーパーシューズとの結びつきが強いものになっているのがいいですね。ヴェイパーフライのような、アルファフライのような、それらを足して2で割ったようなデザインは、モチベーションが上がるいいデザインではないですか。

スーパーシューズは機能的も、価格的にも、誰でも履ける、誰でも買えるモデルでないですから、憧れを満たす面でもいいデザインですよね。

また、私はレースデイではスーパーシューズを履くのですが、トレーニングでは耐久性の問題もありズームフライのようなシューズを使用します。このデザインだとワークアウトでもスーパーシューズを使っているような錯覚さえあり、これは頑張れる感じですよね。

初代が爆発的ヒットしたのは、私が思うにスーパーシューズにインスパイアされた機能性とデザインが大きな理由だったはず。ヒットモデルに成長したズームフライシリーズは、いつしかズームフライブランドが確立して独自路線と歩むようになった印象です。前作第5世代は、アルファフライやヴェイパーフライのコンセプトとは路線がかけ離れていました。


上からズームフライ 6、初代、2代目、3代目


それが今回は久々に強い結びつきを感じる機能性とデザイン性です。ワクワクする出来ですよね。それが2年の時を経て、今回は完全にフルレーシングチューン仕様になって帰ってきました。これは単純にウエルカムですよね。

ちなみに、私、今までズームフライシリーズでレースに出場したことがあるのは初代のみ。そのときは、2時間37分台で走ることが出来ましたが、今回のズームフライ 6は再びレースでも使えそうな雰囲気があるモデルに感じています。


■今回のアッパーはフィット感もいい

今回のズームフライ、Flyknit(フライニット)メッシュアッパーから、シリーズ3世代のときのような2層構造のWoven(ウーブン)メッシュアッパーに変わりました。

なんとも前足部にゆとりがあるラストで、ウエスト部もしっかり締まるフィット感は好感、トップモデルとはコンセプトが違うとは言え、こちらの方がフィット感はいいぐらい、って思ってしまいますね。非常にバランスがいい感じです。

ヒール部の収まりも良く、なかなか悪いところが見つかりません。このシューズ全体の軽量感もアッパーの貢献も大きいですね。ある程度シューズが軽量な物体であることも重要ですが、それが足に密着していれば軽量感は高まりますからね。


アウトソールには戦略的に配置されたラバーが、耐久性とそのグリップ感を担保しています。しっかり噛むような着地感で、着地音はZoomXフォームが出しているのか、ここのグリップが噛んでいる音がしているのか、まあ、その両方ですかね、この感じがリズムをとりやすくて気に入っています。


■この新作のズームフライはどんなランナーに合うのか

ズームフライ 6は、前作同様にマルチな使い方ができるトレーナーです。あるときはワークアウトパートナー、あるときはレースデイシューズ、そしてあるときは、テンポの速いランでもOKでしょう。

ただ、解説させて頂いたように今回はよりレーシーな仕様になってグレードが上がったことは間違いないです。このスペックで、蹴り出し時にかなりスピードが出るモデルですから、サブ4モデルというよりも、もっと速いペースまで対応できる幅のあるレーシングモデルになったと言えますね。

ちなみに、サブ4ラインのサポートはNIKE PEGASUS 41(ナイキ ペガサス 41)、NIKE PEGASUS PLUS(ナイキ ペガサス プラス)あたりをそのランナーのニーズに合わせて使い分けるイメージですかね。


価格も18,700円(税込)という控えめなものになっていて、機能性は満載とお買い得感もあり、マルチに使えるトレーナーですが、前作より確実にレースデイでの信頼感があるモデルです。

今まではワークアウトでしか使っていなかったとか、使ったことがないランナーの方とか、是非今回は足入れしてほしいモデルですね。

ちょっと、ハードルが上がったという方もレースはフルマラソンだけではありません。ショートディスタンスレースに向けたはじめてのレースシューズにもピッタリです。オススメです!
 


<著者プロフィール>

ランニングシューズフィッティングアドバイザー

藤原岳久( FS☆RUNNING(旧 藤原商会)代表)


日本フットウエア技術協会理事

JAFTスポーツシューフィッターBasic/Advance/Master講座講師

足と靴の健康協議会シューフィッター保持


・ハーフ1時間9分52秒(1993)

・フルマラソン2時間34分28秒(2018年別府大分毎日マラソン)

・富士登山競走5合目の部 準優勝(2005)

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