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running2024.12.06

ADIZERO EVO SL(アディゼロ エヴォ SL)は誰でも履けるEVO 1

■あのEVO 1にインスパイアされたADIZERO EVO SL(アディゼロ エヴォ SL)登場

500ドル、82,500円というビックリする価格、そして、驚きの軽さ、ADIZERO ADIOS PRO EVO 1(アディゼロ アディオス プロ エヴォ 1):以下、EVO 1と表記)が、2024年マラソンシーンを席巻しました。

EVO 1はパリ五輪の男女マラソンの上位10名のうち5名が着用しましたが、そのすべてのランナーが5位以内でしたし、また、2024年の東京マラソンから始まったAbbott World Marathon Majors(ワールドマラソンメジャーズ)6大会中、男女12名の優勝者のうち半分がアディダスアスリート、そのうちの5人がEVO 1着用だったのです。

まさにEVO 1イヤーだったと言ってもいいでしょう。

そんなことで一度は履いてみたい、買ってみたい?!と思うランナーもいらっしゃるでしょうが、そんなランナーの皆様向けに待望のモデル、ADIZERO EVO SL(アディゼロ エヴォ SL):以下、EVO SLと表記)が登場しましたので、是非、そういうランナーはこちらの購入を検討することをオススメします。

構造が全く同じではないのでやや語弊がありますが、こちらは、EVO 1のようにランナー力が必要な構造のアスリートモデルではなく、まさに誰でも履ける“EVO 1 “となっている、からです。

では、EVO SLはどんな特徴の、どんな目的のシューズで、どんなランナーに合うモデルなのか、早速解説していきましょう。


■ EVO SLとEVO 1は何が違うのか?

↑EVO 1は119g!(25.0cm)


EVO 1は究極の軽さ、私のサイズで119gと素材を綿菓子のようにフワフワに発泡させて、その後に通常行う圧縮成形の工程を省いた非圧縮成形仕様のミッドソールを搭載したモデルです。

まさに履いていないような軽さ、アッパーも含めた究極に軽量性を追求した作りになっているものです。軽さ>機能性の構造ですから、そのシューズの軽さがメリットになるような鍛えられたアスリートが履いてはじめてメリットがあるモデルだと言えます。

それに対して、EVO SLは、シンプルでかっこいいホワイト&ブラックのアッパーデザインに象徴されるEVO 1から着想した、まさに、みんなのための“EVO 1 ”です。

構造としては5本指骨状カーボンバーのエナジーロッドなしのADIZERO ADIOS PRO 3(アディゼロ アディオス プロ 3:以下、アディオス プロ 3と表記)とADIZERO SL 2(アディゼロ エスエル 2:以下、SL 2と表記)の要素を合わせたような軽量性と機能性のバランスを備えたモデルになっています。


■ミッドソールはフルレングスのLIGHTSTRIKE PRO(ライクストライク プロ)仕様

ミッドソールはフルレングスのLIGHTSTRIKE PRO(ライクストライク プロ)が搭載されていて、前足部外側のアウトソールラバーが削られ、鋭角に角度がついたソールデザインも、ソールの感触は、まさにロッドのなしのアディオス プロ 3という感じです。

ですから、走るとグチャ、グチャ、と潰れる音がして、ソールにエネルギーを溜めて、そして戻す、あのスーパーシューズ独特のクッション感があります。

シンプルなメッシュアッパーのフィット感はタイトフィットなレーシングフィットではなくて、少しルーズなフィット感でもあって、ここはデイリートレーナーぽさがありますね。

やっぱりこのシューズ、EVO 1からインスパイアされたデザイン性はかっこいいし、是非レースシーンで履きたいモチベーションが上がるモデルという印象のスペックですね。


■スーパートレーナーモデル、それがEVO SL

とは言え、ある日ジョグでも履いてみましたが、それも確かに気持ちが良かったです。ちょっとペースを上げて気持ちよく走りたい時もいいですよね。

でも、前足部のみが耐久性のあるContinentalラバー仕様ということからも、やはり、テンポをあげて使うシーンで最も輝くシューズでしょうね。

ジョグで頻繁に使うのはやや勿体無い、ですね。


そして、6.5mmドロップのフラットなガイドも、強いガイドでないことから、テンポをあげているシーンを想定したものに思えます。

そして、SLはスーパーライトの頭文字の略、EVO 1ほどでないにはしろ、文字通り軽い!私のサイズ、メンズ25.0cmで202gと軽量テンポアップモデルです。

それでいて、ヒールカップを含めてアッパーは、デイリートレーナーのようなしっかり感もあり、スーパーシューズのミッドソールに、デイリートレーナーのアッパーを備えたデイリートレーナーとスーパーシューズが合わさったようなモデルという使用用途が広い、スーパートレーナーですね。


■ ADIZERO SL 2とは何が違うのか?

そんな“82,500円のルックス“と誰でも履ける安心のスペックで、このシューズ、価格はお手頃な19,800円となっています。

でも、同じくテンポアップシューズで価格が14,300円のSL 2とはどこが違うのでしょうか?

まずは、EVO SLの方は、摩耗しやすい前面部だけとは言え、Continentalラバーを使っていること、その耐久性とグリップ性のプレミアム感があげられます。アディダスと言えば、Continentalラバーですからね。この機能性がほしいランナーも少なくないでしょう。

そして、SL 2のように、LIGHTSTRIKE PROとLIGHTSTRIKE EVAのサンドイッチ構造ではなく、LIGHTSTRIKE PROのみが使われていることが大きな違い、グリップ・耐久面と推進力でEVO SLにスペックでは軍配が上がるというわけです。

また、ヒールカップの形状がカウンターが入っていないレース仕様のSL 2に対して、EVO SLはカウンターが入ったしっかりしたものになっています。

SL 2はいうならば長距離を早いペースでジョグをするための使用用途をイメージするのに対し、EVO SLはトレーニング用、特にテンポアップ走に適しているのではないかと思います。


■ではEVO SLはどんなランナーにフィットするのか?

EVO SLは、EVO 1を着用したアスリートの活躍から満を持して投入された感のある、我々市民ランナーのための“EVO 1“です。発売前からすでにかなり話題になっていました。

では、どんなランナーに合うモデルなのでしょうか?

その機能性からテンポアップトレーニングはもちろんフィットするでしょうし、上述のように気分を高めるような速めのペースのジョグもいいでしょう。

スーパーシューズのアディオス プロ 3がレースデイシューズのランナーの方は継続使用時の耐久性を考慮して、EVO SLをワークアウト用として使い分けるのもいいでしょう。
また、スーパーシューズではちょっとトゥーマッチ、でもデイリートレーナーでは物足りない、というような用途、EVO SLは、フルマラソンSUB4ラインを目指すランナーのレースデイシューズにも良さそうですね。


デイリートレーナーより、ストライドを自然に広げてくれる存在ですし、このデザインはレースデイに向けてモチベーションが上がること間違いなしですからね。

もちろん、はじめてのレースデイシューズとして、ショートディスタンスレースで使うのもあり。そういう意味では、まさにスーパートレーナーとして、用途が広いのもこのモデルの特徴ですね。

さて、いろんなランナーの、いろんな用途にフィットするEVO SLは、かなり話題のシューズですし、発売後、人気のため店頭に在庫が少なくなるということも想像できます。

ですから、イベントなども含めて試着できる機会があれば、逃さず、是非一度は足を通しておいてほしいシューズですね。このシューズ、オススメです。


■アディダス ランニングシューズ特集ページ

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<著者プロフィール>

ランニングシューズフィッティングアドバイザー

藤原岳久(FS☆RUNNING(旧 藤原商会)代表)


日本フットウエア技術協会理事

JAFTスポーツシューフィッターBasic/Advance/Master講座講師
足と靴の健康協議会シューフィッター保持


・ハーフ1時間9分52秒(1993)

・フルマラソン2時間34分28秒(2018年別府大分毎日マラソン)

・富士登山競走5合目の部 準優勝(2005)

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