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running2022.06.27

アディダス ADISTARシリーズ第二弾「ADISTAR CS」登場!ゆっくり長くはコレ一択でキマリ!

■クッション&サポートをテーマにさらに進化したモデル、ADISTAR CS

昨今、軽量で、ソフトなクッションをウリにした商品が多い中で、ガイドと安定感に特化したサポート感を追求したモデル、アディダス「ADISTAR」を以前の記事でLSD(ロングスローディスタンス)にオススメしました。

そのアップデイト版、アディダス 「ADISTAR CS」が6/8に発売されましたので、ご紹介しましょう!

今回のCSという名前は、クッションのC、サポートSの意味、とにかく、アディスターのガイドと安定感がパワーアップ、さらにモンスター級にアップデイトされた感じですね。


また、前回よりソフトなフィーリングのクッションも好感です。ただ柔らかいだけの代物ではなくて、柔らかいもの(クッション)と硬いもの(安定感)という相反する機能性をうまく料理した、着地時の安定安心感と心地よさが同時にやってくる絶妙なバウンドなんです。

軽量なシューズを探しているランナーに是非履いてもらいたい、履かせたい、そんなモデル、ADISTAR CSはあなたのランニングをより快適するパーツをしっかりフルに搭載していながら、軽量感のあると言う、大袈裟ではなくて、魔法のシューズですね。


■重力にも逆らったような軽量感、ADISTAR CS

早速実走してみましたが、第一印象はとにかく軽量になったなあ、って印象です。しかし、あとで計量してみると前回より10g程度重くなったのは意外でした。

ペースによっては、物理的に軽いことは全く意味をなしません。何故なら、これでマラソン世界最高記録を目指すのではなくて、楽に長い距離が走れること、それが達成できればいいからです。

パーツを増やせば重量が増してしまいますが、ソールの絶妙な足し算、引き算で、結果、ミニマムな増量をしたという言い方がいいです。だって、デザイン、見た目からして、また、自分が実走した感覚からも、これは「物理学に反する軽量感」だなあって感じましたね。

全体に張り出した素材「REPETITOR(レペティター)」は、同社の代表的なバウンス素材BOOST(ブースト)フォームにその反発弾性は譲りますが、こちらは軽量なのがポイントです。

またソール底面中央は大きくくり抜かれて、ここでも重量を大きくマイナスしたわけです。また履いた感触として、この窪みは地面を掴むようなソフトなクッションフィーリング、また強い推進力にもプラス作用しているように感じますよね。


■ソールは2部構造、REPETITOR(レペティタープラス)は踵の安定感の要

軽量でソフトな「REPETITOR(レペティター)」は、実は、ヒール部の安定感を担保するため「REPETITOR+(レペティタープラス)」とセットの2部構成のソールになっています。

REPETITORに比べて、当然やや硬度のある素材になったREPETITOR+はまさにヒール部の番人、土踏まずの内側から、踵を回って踵の外側部分まで覆ったスタビリティーパーツです。

そして、今回から「エナジードライブ」という樹脂プレートがソール上層に搭載、ランニング時の着地後の素早い足抜けをガイドサポートしています。

なるほど、ランナー自身から見た真上からの見た目は、アッパーから圧倒的張り出して、徹底的な安定感があり、REPETITERとREPETITER+の剛柔が作り出す川の流れのようなスムーズな重心移動は、樹脂プレートのエナジードライブの蹴り出しで完結します。

それでいてこの軽量感、モノづくりのアディダスらしい素晴らしいランニングシューズに仕上がっていますね。

加えて、アウトソールは自動車のタイヤのゴムでもおなじみの「コンチネンタルラバーソール」で覆われていてグリップと耐久性はいいです。雨天でもグリップ感がいいですね。


■リサイクルに覆われたサステナブルなランニングシューズ

インソールに印字された『END PLASTIC  WASTE』にある通り、この商品も、アディダスのモノづくりの強いキーワード、サステナブルなテーマにも妥協しない作りになっています。

モノメッシュアッパーはプライムブルー(50%以上リサイクルマテリアル使用)ですし、REPETITER+は15%リサイクルマテリアルを使用しているなど、喫緊の課題である地球温暖化に対して、随所にサステナブルなテーマが詰まったランニングシューズでもあります。

2024年にはリサイクル100%、ピュアマテリアルを使用しない目標を掲げるアディダスの商品として、この商品にもそのテーマは例外なく注ぎ込まれているわけですよね。

ちなみに今回はレディースモデルは専用ラストを採用。一般的に踵骨が男性に比べて小さめの女性に合わせた絞ったシェイプなヒール、同じく、広そうに見えても、厚みの少ない女性の前足部に合わせた作りになっているそうです。

あとレースホール(紐の穴)の最終ホールがダブル(2つ)あることは普通ですが、それが最後と最後から2番目にそれぞれあいていて4つになっているのは珍しいですね。甲の高さや、踵の抜け具合などでシューレースが調整できるような工夫が施されています。


■LSDにピッタリなデイリートレーナーモデル、それがADISTAR CS

美辞麗句を並べているように聞こえるかもしれませんが、そう聞こえてもしょうがないでしょう。

何故なら、このシューズ、ランロンガー(より長く)に必要なパーツ、欲しいパーツが惜しみなく詰め込むように搭載されていますからね。ランニングシューズのモノづくりでは、軽量化と天秤に必要な機能性を厳選しているのが通例、それに対して、言わば、ADISTAR CSはフル装備なわけですから、そう聞こえるのはむしろ当然ですよね。

ですから、計量すれば重量はありますが、絶妙に計算された足し算と引き算、そして、そのフィット感で言わば軽量感を作り出して、ADISTAR CSはブレることなく、物理的な重量を恐れることなく、クッション&サポートに徹した作りなっているわけです。

もちろん、軽量であることは、足を回転させる上でエネルギーロスを防ぎます。ただそれがスムーズに回転する程度のペースであれば、結局、ADISTAR CSのガイドと安定感が、ランナー自身のカラダの安定感を温存したり、助けてくれるわけですね。


テンポアップ(スピードを出す)して走るシーンが唯一ポジティブとは言えませんが、長くゆっくりのシーン、ジョグ、LSD(ロングスローディスタンス)にピッタリのフル装備シューズです。ですから、フルマラソンのレースを完走したいというランナーにもピッタリです。

また、これからダイエットで走りはじめたい、膝、足首など関節系のトラブルが多いというランナーにもこの安定設計は安心ですね。

最後に、むしろ市民エリートランナーと呼ばれるような脚力のあるランナーもメリットが大きいと思っています。故障予防であったり、レストジョグでの脚力温存は、軽量であること以上にメリットが大きいでしょう。
 


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<著者プロフィール>

ランニングシューズフィッティングアドバイザー

藤原岳久(F・Shokai 【藤原商会】代表)


日本フットウエア技術協会理事

JAFTスポーツシューフィッターBasic/Advance/Master講座講師

足と靴の健康協議会シューフィッター保持


・ハーフ1時間9分52秒(1993)

・フルマラソン2時間34分28秒(2018年別府大分毎日マラソン) 

・富士登山競走5合目の部 準優勝  (2005)

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